「箱根仙石原」でない理由

東急ハーヴェストクラブ箱根甲子園は、箱根でも有数の大型ホテルだが、箱根に新規の大型ホテルを建設することは容易ではない。箱根町で100室を超える宿泊施設を建てられる地域はそもそも限定されているし、その地域以外で許可申請からのホテル建設を行うには巨額の費用と時間がかかり、事業として成立させづらい。

東急ハーヴェストクラブ箱根甲子園の場合、既存の旅館を再開発することで、こうしたビジネス上の困難をクリアしている。「仙石原」というブランド地にありながら、ホテル名にその名を冠していない理由はそこにある。ここには以前、老舗旅館「箱根甲子園」があり、東急ハーヴェストクラブ箱根甲子園はその再生プロジェクトとして誕生したホテルなのである。

写真はメインエントランス。2つのホテル棟をつなぐ渡り廊下に入口がある。入口を入ると、ガラスの向こうに大きな池をたたえた庭と、箱根の山々が広がる。廊下を抜けると吹き抜けの広いロビー。なんだかわくわくする意表をついたレイアウトだ。(2006 Spring)

8 comments

  1. ほなら、エクシブ箱根の建設地は、その限定されている地域なのですか?まさか100室以下ってことはないでしょうし、RTお得意の再生ホテルでもないですよね??
    箱根心待ちの私としましては、ちと気になりました。
    巨額の費用がかかってるんじゃあね・・・

  2. 東急ハーヴェストクラブ箱根甲子園は、旧箱根甲子園のオーナー企業からの定期借地(50年)で、かつ、151室のうち10室はそのオーナーが所有しています。ですから、以前からの既得権益を継続的に享受できているのではないかと思います。

    対して、旧奈良屋旅館(跡地)を買い取ったリゾートトラスト(エクシブ箱根の建設予定地)の場合には、どういう契約になっているか知りませんが、おそらくはそうした継続性がなくなっているのではないでしょうか。買い取ってもう5年にもなりますが、まだ何の発表もありませんので、何か想像を絶する困難があるに違いありません。

    リゾートトラストは確か、有馬や鬼怒川といった老舗温泉地にも用地確保をしていたと記憶していますが、これらもいろいろと困難があるのでしょうね。

  3. 箱根甲子園の名前は旅館の創業者の勝俣甲子一さんという名前が由来でしたね。
    気になる50年後のお話も東急不動産のニュースリリースに記載されています。50年後に私が生きているかどうかまでは、ちょっと分かりませんけど…。

    箱根(奈良屋旅館跡地)のエクシブは、上物の保存・移築が終了した後、遺跡跡が出たとかで、調査のために1年以上の期間が必要になったと聞いていました。でもそれから随分経っているような気がします。開業はいつなのでしょうね?

  4. おー、またリゾートクラブの世界に新たなトリビアが…「箱根甲子園の名前の由来は勝俣甲子一さん」ですか! 勉強になります。

    ところで、東急不動産のニュースリリースはデータが壊れていて文字化けしていますね。関係者の方、もし見ていらしたら修正お願いします。何が書いてあるか読みたいです。

    脱線しますが、エクシブ淡路島が洲本温泉にありながら温泉がないのは、やはり地元との協議の結果、ということなんでしょうかね。

  5. 脱線に便乗して…。
    近年の国内のリゾートクラブは日本中どこでも掘れば温泉がでる理由からか、必ずと言っても良い程「温泉」です。なので泉質はどこもイマイチですね。

    話しは戻って、古くからある国内のリゾートホテルには温泉や大浴場はそれほど多くありませんから、ホテル(正装)≠温泉(浴衣)という図式があったのではないかと想像できます。また、旅館=温泉がそれらしいという考え方だったのかもしれません。

    エクシブ淡路島は前身のサンメンバーズ淡路島(7階建て36室)の頃から温泉がありませんでした。目の前がヨットハーバー・マリーナという事やテニスコートもあるというアクティビティを押し出し、ステーキコーナーや、VIPルームを備えたエクセレントクラブも施設内にありましたから、寛ぐというより、大人のおしゃれなホテルを目指していたのかもしれません。また、客室数の規模と温泉施設のメンテナンス費用を考えても、最初から温泉の予定は無かったのではないか?とも感じます。

    そしてエクシブとして再開発する頃は山中湖同様に「オールスイートリゾート」として設計していましたし、淡路島より前に開業した5つのエクシブの内、3施設には温泉が無かったにも関わらず、好評だった事も手伝って、近年のように温泉の需要は無かったのではないでしょうか?

    色々想像してしまいますが、近年はホテルと温泉は密接した関係で定着してきましたから、鳥羽の様に今からでも増設してもえらえるならありがたいですね。

  6. ともさん、こんにちは。なるほどです。歴史を振り返ると、初期のエクシブは必ずしも温泉を重視していなかったことがわかりますね。

    故竹下登・元首相が「ふるさと創生」を提唱して自治体に1億円の交付金をばら撒いたのが1989年。これの使い道として、多くの自治体が温泉開発を手がけ、2000m以上も掘削できるボーリング技術の発達と相まって、日本中に温泉施設が当たり前のようにできるようになりました。

    箱根プリンスホテルですら、温泉露天風呂ができたのは1994年です。温泉とホテルが当たり前のようにセットで考えられるようになったのは、90年代半ば以降のことなんですね。

  7. はじめて書き込ませていただきます.
    文字化けした「東急不動産のニュースリリース」と同じ内容のものを見つけましたのでお知らせします.http://www.tokyu-land.co.jp/news/2002/hakone-koshien_hv.html
    です.

  8. Chrisさん、はじめまして。URLありがとうございます。東急ハーヴェストクラブ箱根甲子園は研究対象として興味深いので、ニュースリリースの全文はぜひ読みたいと思っていましたので、大変うれしく思います。またお気軽にコメントください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

😂 😍 🤣 😊 🙏 💕 😭 😘 👍 😅 👏 😁 🔥 💔 💖 😢 🤔 😆 🙄 💪 😉 👌 😔 😎 😇 🎉 😱 🌸 😋 💯 🙈 😒 🤭 👊 😊