東急ハーヴェストが他社ホテル内に「Inタイプ」を設定し販売へ

東急不動産は京都東山に「東急ハーヴェストクラブ京都東山 In THE HOTEL HIGASHIYAMA」を2022年に開業すると発表しました。東急ホテルズが新規開業する「京都東急ホテル東山」168室のうちの25室を会員制ホテルとして設定するもので、東急ハーヴェストクラブの「自前主義」の転換点となる、新しいタイプのリゾート会員権です。

東急不動産ではこうしたタイプの会員権を「In」タイプと名付け、今後も他社が運営するホテルで「展開を検討」するとしています。同社によれば、Inタイプの対象となるのは「立地特性や施設特性で希少性が高く、同時に東急ハーヴェストクラブの要件も兼ね備えた他社運営ホテル」です。新シリーズではありますが、ハーヴェストクラブの枠組みの中で、既存会員も相互利用できるようにする方針です。

(画像出典:東急不動産報道発表資料)

今回の東山の物件は、地下鉄東山駅徒歩4分と絶好の立地で、青蓮院や知恩院、平安神宮などの名所に隣接しています。繁華街である河原町・祇園エリアへも徒歩圏です。

一般ホテルの中に会員権を設定するため、区分所有権の分譲(共有制)ではなく預託金制が取られ、従来のハーヴェストクラブと同様に1部屋12分割(年間30泊)で、総募集口数は300口です。価格や販売についてはまだ発表がありません。おそらくは数十年の期限付きの会員権となるでしょう。

以下のCGはスタンダード客室のイメージとして公表されたものです。

(画像出典:東急不動産報道発表資料)

同社の発表資料には「コロナ禍でリゾート会員権に脚光」と見出しが踊っています。同社によれば、東急ハーヴェストクラブの仲介市場は「コロナ禍においても活発な取引が行われて」いるとしており、傘下の東急リゾートによるハーヴェストクラブの中古会員権の仲介件数は、この2021年9月に月間取引数の過去最多を更新したと言います。

今回登場したInタイプは、こうした追い風の吹く市場環境の中で、既存のハーヴェストクラブの魅力を維持・向上するために生み出されたものと考えられます。

他社ホテルに相乗りして、東急グループの絶大な信用力を背景にした預託金制での展開は、業界の雄であるリゾートトラストとはまた違った意味でユニークかつオンリーワンな「会員権生産手法を生み出した」と言えるかもしれません。

4 comments

  1. resortboyさま初めまして。最近このブログを知り読ませていただきました。お身内のご不幸など身辺お忙しい中投稿させていただき申しわけございません。

    私は東急ハーベストクラブの個人会員権を二カ所持っている普通のユーザーです。会員制リゾートが持続可能性のあるビジネスとして成立するのかどうか利用者としてもたいへん気になる問題です。ここで展開されている深い洞察と分析が参考になります。所有しているHVC会員権の一つが最古の蓼科ということもあり古い会員制リゾート施設の終わり方や今後抜本的なリニューアルがあり得るのか考えされられます。

    今回話題にしていただいた京都東山は縁故募集の案内が届いています。ホテル流用のHVCということでツインは26平米と狭く少人数での利用にメリットが感じられません。また、老人ホームによく見られる手法ですが年会費に加えて毎年償却される補償金が設定されており実質会費は年会費99000円+補償金からの償却分11万円になります。京都にはかつて東急ハーベストクラブアーバンステージ京都がありました。現在リニューアルされて「ノク京都」という名称で営業中ですが今日など一泊8000円で出ていますからコロナ窩のもと都市部の会員制ホテルがお得感を出すのは難しいなと思いました。

    さてもう一つお知らせしたいことがあります。東急ハーベストクラブの新物件情報です。名前は東急ハーベストクラブVIALA軽井沢Retreatになるようです。HVC軽井沢(塩沢)の北西側隣地に新たなVIALA建設を計画しているというDMが届きました。プリンスバケーションクラブ軽井沢のようなホテルタイプとコテージを組み合わせた展開です。ホテル客室は70平米〜100平米で半露天風呂とキッチンにロフトベッドが付き客室は30室。コテージは60平米〜120平米で14室。管理棟に貸切前提のレストランを設けますが塩沢本館のレストラン、大浴場、プールが相互利用可能となっています。2023年秋開業予定となっていますのですぐにでも販売が始まりそうです。これからもハーベストの話題も取り上げていただくようお願いいたします。

  2. ざりさん、いらっしゃいませ。コメントありがとうございます。ばたばたしておりまして、お返事遅れて失礼しました。

    ご指摘の通りで、「リゾート会員権に経済的な合理性を求めるのは困難である(それなのに売れる不思議な商品である)」というのが、僕が皆さんのご協力のもとで研究発表している、この商品の特徴です。

    合理的な説明ができずに自分も研究家として壁にぶち当たっていて、哲学とか宗教学の要素を盛り込んで説明しないとこの現象は理解できないのではないかと最近は考えていて、その方面の勉強もはじめたところです。

    2023年秋開業予定のVIALA軽井沢Retreat IとIIは、なんと価格が1700万円以上とイケイケの設定だそうですね。塩沢本館のレストランや施設を流用するという手法は、リゾートトラストが各種エクシブで実践した「寄生方式」で、これは全面的に分譲できちゃうのでめちゃめちゃ儲かります。

    リゾートトラストはこれを鳥羽や軽井沢といったオールドエクシブで行って、営繕費を会員から取らずに古いエクシブを大幅に直しちゃうということを行いました。ハーヴェストはもともと会員から営繕費を計画的に徴収していますし、塩沢はまだ新しいので、テコ入れは不要だし、むしろ塩沢の従来会員が利用を圧迫されるという事例になるのかな。

    塩沢の共有部分がどうなっているのかは調査しないとわかりませんが、ステークホルダーには気になる案件ですね。

    今後ともよろしくお願いいたします。

  3. 塩沢の各レストランはそれほど規模が大きくないので
    ピーク時の激しい席取り合戦が想像できます。

    昨年の秋の土曜日、フレンチを利用したらコースで3時間近くもかかり
    待ち時間で疲れてしまいました。
    コロナ対策で6~7組しかいなかったのですが
    スタッフの方々を減らしているうえ
    インルームダイニングの一部メニューも作っていたようで
    料理を出す瞬間以外はスタッフ不在という状態でした。
    軽井沢エクシブのボナキューに行った次の日だったので
    いろいろ差を感じました。
    ハーヴェスト、もう少し頑張って欲しいです。

  4. リラックマ 、大好きさん、コメントありがとうございます。

    コース料理が3時間とはちょっと長すぎますね。昔から東急ハーヴェストクラブには「堂々と節約志向」という印象を持っていて、そこが気になって僕は購入に至りませんでした。

    ある会員の方が、ハーヴェストクラブの企業文化を「良くも悪くも別荘の管理人」と表現していたのを思い出します。

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