2012年末から急速な円安が進み、これから海外旅行をしようという向きにはなかなかつらい展開だが、円をドルに変えないことには旅をすることは不可能だ。今日はベストな両替方法は何か、というテーマで少し考えてみよう。
まず、最初に断っておくが、おそらくベストの方法は、マネーパートナーズというFX会社でタイミングをはかって両替を行っておき、出国前に成田空港や関空での外貨受け取りサービスを使う、という方法だろう。しかしそのためには当然ながら同社に口座を持たねばならず、手続きの手間や時間を考えると現実的でないことが多いように思う。
この方法についてはまた別の機会に取り上げるとして、今回は事前の準備なしにすぐできる方法についてだ。冒頭の写真は新宿は思い出横丁にある有名な金券ショップ「大黒屋」である(新宿には全部で4店舗ほどあるようだ)。
大黒屋は国内で外貨両替をする際にレートが最も有利であるとされており、円ドルの場合、1ドルあたりのスプレッドは仲値に対して約2円である。手数料は特に必要なく、極端なことを言えば1ドル紙幣から任意の金額で両替が可能だ。例えば、ハワイに着いてからクレジットカードでキャッシングをするとして、それまでに必要な小銭をほんの少しだけ持っておきたい、というような時にはとても使える方法だ。
さて、本題のクレジットカードのキャッシングの話に進もう。「外貨の現金を買う」方法として、もっとも有利と考えられてきたのは、クレジットカードのキャッシングを使って現地のATMでドルを引き出し、帰国したらすぐに返すという方法だ。この方法だと為替手数料が実質的にかからないし、金利も短期間ならわずかで済む。
実際にはどのような計算になるのだろうか。実はキャッシングとショッピングでは計算レートが異なる。海外でショッピングをした場合、クレジット会社が定めた基準レートに対して、事務処理コストとして1.6%をプラスした換算レートが適用されることになっている。大雑把に言って1ドル100円が基準なら、1.6円が手数料として加算されるわけだが、これが海外キャッシング1回払い(海外キャッシングサービス)の場合には、この事務処理コストがプラスされないのである。
もちろん返済までの金利はかかるわけだが、帰国してすぐ、カード会社のカウンターで繰り上げ返済をしたり、またいつでもATMで返済できるタイプのカードなどもあり、短期間の金利は為替手数料よりも安いことの方が多いのだ。
ただし、この方法はいい話ばかりではなく、ATMを利用する際に手数料がかかるという点を忘れてはならない。まずは国内のクレジットカード会社に支払う手数料だ。以前はなかったが、現在、多くのクレジットカード会社では、ATMでのキャッシング時に1万円未満は105円、1万円以上は210円の手数料を徴収するようになっている(ややこしいことに海外ATMの場合にはこれを徴収しないカード会社もあるようで、対応は一律ではない)。
また、海外でのATM利用に際しては、「オーナーチャージ」という現場での利用手数料が都度2~3ドルかかる。ATMによっては、1回に200ドルしか出金できない制限があるものもあるので(多いATMでも1回1000ドルが限度のようだ)、キャッシングの場合には、むしろATM利用料がネックになるケースがありそうだ。
いくら為替レートが有利でも、200ドル引き出すのに400円以上の手数料がかかるのでは、金利を計算に入れなくても大黒屋の方が有利になってしまう。レートを見ながら少しずつ日本円をドルに交換しながら使いたい、という向きにはキャッシングは不適なケースが多そうで、むしろワイキキのDFSあたりにある両替屋を使う方が有利だろう。
というわけで、長い割に役に立たない記事で申し訳ないが、クレジットカードでの海外キャッシングについては、統一的なルールや資料は存在しないので、ご自分のカードについて、どんな手数料がかかるのかを事前にコールセンターに問い合わせておくのがよいかもしれない。
ここまでお読みになったあなたと同じように、あぁめんどくさいなぁ、というのが率直な感想だ。渡航前のレートのいい時に「大黒屋でドルの現金を買っておく」っていうのがよかったなぁ、なんて思っている今日この頃なのだ。
「現金のリスク」ということも考慮する必要があります。盗難や紛失という問題とは別に
「米ドル」の信用度はそれなりですが、「米ドル札」の信用度は実はあまりありません。
とくに、100$札などの高額紙幣は、偽札が大量に大量に出回ったため、
受け取りを拒否されることが多々あります。
この前、マレーシアに行って、郊外のリゾートホテルで追加の現金が必要になったのですが、
近くにATMがなかったので、手持ちの米ドル札をマレーシアリンギットに両替しようとしたところ、
旧デザインの米ドル札は受け取りを拒否されました。
また、日本では考えられませんが、マレーシアでは1リンギット硬貨は廃貨となってしまい、
昔持っていたものは無価値になってしまいました。
海外に行くからといって、大量に米ドルに両替することはあまりお勧めできません。
resort boyさん
お久しぶりです。
この記事が上がったということは、またまたハワイですか?
いいなぁ~と思って拝見いたしました。
あまりお役にたてる情報ではないかもしれませんが、私もハワイは年に一度は行くため、昔現地の銀行に口座を作りました。
少し前の円高の時にドルを追加で預け、円高が続いていたためあまり使用しませんでしたが、今後大きく円安に傾いたらそちらの銀行のクレジットカードを使おうと思っています。現金は手数料なくATMから引き出せますが、デビットカードがついているので、ATMに行くのが面倒な時は、デビットで小さな買い物をして、引き落とし額を増やしてもらってお釣りを現金でもらったりしたこともありました。メインランドで通用するのかはわかりませんが。。。
さて、どこにいらっしゃるのでしょう・・・?!
レポート、楽しみにしております。
米国では、ファーストフードの10ドル程度の支払いでもクレジットカードを利用する人が多いので、買い物にはほとんど現金を使用しないのですが、チップの習慣があるので、最初から少額の紙幣が必要で、なかなか面倒です。
久しぶりだと、つい、忘れてしまって・・・
我が家は、ハワイや米本土ではレンタカー利用なので、まず、空港からレンタカー会社のオフィスまでのシャトルに乗ることになり、そこで、荷物を降ろしてくれた運転手さんにチップを・・・となるのですが、寝不足のせいもあり、大抵、ここで、準備し忘れて、あたふたして渡せないことも。(ホントごめんなさい・・・)
滞在中も、常に、チップ用に1ドル札をある程度キープして・・・と考えながらの行動で、面倒なんですよね。
通常の生活でチップの必要のない日本に戻るとほっとします。
私はCitibankの日本口座の預金(円)を現地のATMでドルで引き出す方法をとっています。ハワイはもちろん、世界中ほぼどこでも引き出せるので大金を持ち歩かなくて済む安心感がありますし、そもそもいくら持っていこうかと悩む必要もありません。ただし、便利ですが有利とはいえません。換算レートはいいのですが、ATMの手数料は取られますし、多くの場合CitibannkのATMではなく提携他社のATM端末を使いますので、その上乗せ料金も取られます。