客入りの復調目立つヒルトン、ステイタス維持を23年3月まで延長

皆さん、こんにちは。相変わらず果てしない手続きと向き合いながら暮らしていますが、ワンオペ父さんにそこそこ大きな家(関係者が多いという意味)の手仕舞いはインパクトが大きいですね(汗)。あまりブログに時間が取れないのですが、こればっかりはおろそかにできないので、軽い話題で更新継続しようと思っています。

さて、2021年のシルバーウイークが終わりました。18日土曜日は雨でしたが、その後は秋らしく爽やかな天候で、特に3連休後半の20日、21日は気持ちのよい晴れやかな陽気に誘われて、観光地の人出も多かったようです。

冒頭の写真は、コロナ禍の真っただ中でオープンした「メズム東京」がある「ウォーターズ竹芝」の、「水辺の広場」での1枚です。撮影はその陽気のよかった20日の夕方です。この場所の詳しい説明は、公式サイトに案内があるのでそちらをどうぞ。

竹芝の新デートスポット、「ウォーターズ竹芝」水辺の広場をご紹介 | レポート・コラム | イベント&ニュース | ウォーターズ竹芝 -WATERS takeshiba-

左下にコンテナ状のものが見えますが、これは人気漫画「ONE PIECE」の100巻発売を記念して9月17日から昨日26日まで行われていた記念展示で、コンテナを6台使用した「超巨“大海賊百景”」(5×18m)です。

(公式)ONE PIECE 大海賊百景

本題は、ここから見えるホテルのことです。この水辺の広場の向かいには浜離宮恩賜庭園があり、そこに面してヒルトン系の「コンラッド東京」が建っています。

Photo by resortboy

こちらの写真はメズム東京から撮ったものです(撮影時期は今年の春です)。メズム東京については機会があればこの一帯の再開発と併せて記事にしたいと思いますが、いつになることやら。マリオット傘下の「オートグラフ コレクション」に加わっている高級ホテルで、事業主体はJR東日本系の日本ホテルです。

(公式)メズム東京、オートグラフ コレクション: 2020年4月27日オープン

(開業時の報道発表資料PDF)JR 東日本グループの日本ホテル株式会社がマリオット・インターナショナルと初提携「メズム東京、オートグラフ コレクション」2020年4月「WATERS takeshiba」に開業

中央奥にある湾曲した建物が売却が決まった電通本社ビルで、その左隣がコンラッド東京がある東京汐留ビルディングです(ホテルは28~37階)。

驚くのは現状のコンラッド東京の集客力です。19日の18時20分の撮影がこちらです。

Photo by resortboy

ベイビューの客室はほとんど明かりが点いていて、満室状態です。緊急事態宣言下での9月の連休にここに来ている人は、仕事でも観光でもない人たちがメインであると推測します。ヒルトン・オナーズ(ヒルトンのロイヤルティプログラムの名称)の力強さをまざまざと見せつけられました。

現在、ヒルトンの高級ラインであるコンラッド東京の室料は「格安」と言える水準であるのが、会員を惹き付け、この盛況を生み出している要因なわけですが、その背景に思いを巡らせると、複雑な心境にかられます。

国内の有名ホテルチェーンは同様の「武器」(強いロイヤルティプログラム)を持っておらず苦しんでいるばかりですし、またコンラッドとしても、現在のような廉価販売は不本意であるでしょう。さらに、相対的にこのサイトで主に取り上げている会員制ホテルは割高感が目立ってしまっています。

ロイヤルティプログラムはアップグレードという「伸びしろ」がなければ存在できないですし、そうしたアップグレードに足る多彩な客室を持つシティホテルは、宴会など料飲部門の不調で、実際には一番苦しい業態でもあります。ともあれ、ロイヤルティプログラムというものの使いみちについて、「稼働率」だけでなく、総合的に研究して類型化する必要性を感じます。

(と、学者でもない自分がここで力んでも仕方ないのですがね)

そんな中、ヒルトン・オナーズの現在のステータスが、2023年3月31日まで無条件で延長されることが発表されました。2019年の実績で確定していた2020年のステイタスが、無条件で2年延長になったことになります(2020年にダウングレードされるはずだった人の場合は、そのダウングレードが免除されたので、都合3年間の延長です)。

あら、新しいクレジットカードを作る動機がまた伸びちゃいましたね。

(公式)ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレスのカード新規ご紹介|クレジットカードはアメリカン・エキスプレス(アメックス)

ステイタス延長以外にもいろいろなコロナ禍対応の措置が発表になっていますので、詳しくは以下の公式サイトをご覧ください。自分はそろそろHPCJの更新時期なんですが、さて、どうしようかな…。高級ホテルがこれほど長きに渡って安くなってしまうと、憧れや非日常感がなくなってしまって、別にいいや、となってしまうのが辛いところですね。

(公式)Hilton Travel Flexibility and Safety Standards

ともあれ、ロイヤルティプログラムについて、ウィズコロナの時代にどうあるべきなのか、実務家の見解をいろいろと取材してみたいものです。写真が雄弁に物語っているように、客室稼働率の面においてはその強さを見せつけているのが今ですが、果たして今のような価値を長期的に維持できるものなのでしょうか。

ところで、そのロイヤルティプログラムの使いこなしをライフワークとして取り組んでおられる畏友、舟橋栄二さんの新刊(電子書籍)が出ました。

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ホテル上級会員の世界: マリオットのプラチナに憧れ ヒルトンのダイヤに目がくらんだ シニア男性の夢物語

舟橋さんが夢中で取り組んできた「ホテル上級会員の夢物語」の総集編と言える内容です。詳細をぜひ、上記Amazonのページにてご覧ください。

5 comments

  1. resortboyさん、私の新著の紹介ありがとうございました。

    今、東北地方を「仙台→盛岡→十和田湖→弘前→秋田」と周遊旅行中です。旅から旅へ、リタイア後は好きな旅をして旅行記を書き、それをブログや本にして出版する、という旅人生をしています。

    私は昔から豪華な旅に憧れていました。しかし、平凡な元教員の私では“高額”旅行は無理です。そこで必死に考えたのが「安くて豪華な旅」の追求です。その結果、会員制リゾートクラブから出発して、豪華客船クルーズの旅、マイル利用の国際線ビジネス・ファーストクラスと続きました。そして、最後に高級ホテルの上級会員に行き着きました。

    マリオットやヒルトンの上級会員になることによって今まで体験したことのないようなラグジュアリーな世界を見させて頂きました。私は自分のリタイア後の人生がこんなにも豊かになるとは夢にも思いませんでした。その軌跡を今回の著書『ホテル上級会員の世界』では書きました。興味のある方は御覧ください。

    funasan(舟橋栄二)より

  2. 《大分:別府温泉 杉乃井ホテル》

    旅の近況報告です。10月25日(月)から5泊で九州縦断のドライブ旅行をしてきました。宮崎のシーガイヤ「シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート」に2泊、高千穂峡を経由して別府温泉では「杉乃井ホテル」、最後の福岡では「ヒルトン福岡シーホーク」に2泊してきました。

    平日にもかかわらずシーガイヤと杉乃井ホテルは盛況でした。コロナ禍の中、地方の巨大ホテルは苦戦していると思っていたので、これは意外でした。逆にヒルトン福岡は全くダメで閑古鳥が鳴いていました。ヒルトン福岡はアジアからの外国人観光客に依存しており、コロナ禍で大打撃を受けています。

    別府温泉の杉乃井ホテルには本当に驚きました。棚田状に作った5段の展望露天風呂「棚湯」、別府湾を見ながら水着で楽しむ温泉「ザ・アクアガーデン」、そして、イタリア・ナポリの街並みを再現した巨大ビュッフェレストラン「シーダパレス」。これらの素晴らしい施設は大規模リノベーションの結果です。巨大フードコートのようなシーダパレスは以前は「温泉大劇場」でした。そして、夕食・朝食のビュッフェの中身は妻も私も同じ評価「過去最高!」でした。

    ホテル棟も古い「本館」「Hana館」に加えて、新しく「虹館」が今年(2021年)の7月にオープンしました。我々はオープン直後の「虹館」に泊まりました。部屋は狭いツインルームで完全にビジネスホテル仕様です。料金は1泊2食2名で泊って総額19000円程度(1人9500円)でした。部屋が狭いだけでパブリックエリア・食事は全部同じで、伝統ある杉乃井ホテルに1万円以下で泊まれます。しかも2食付きなので日本人の大衆を動員できます。

    さらに、杉乃井ホテルの顔である「Hana館」(1966年開業)を今年の12月に閉館し、全面的に建て替えるそうです。恐らく、こちらは高級・高額路線にするのでしょう。杉乃井ホテルは時代を先取りして変身中です。

    以下、レストランのホテルスタッフとのお喋り情報です。
    「コロナ前でもお客の7割は日本人でした。2009年のリーマンショックの時に海外からの団体客がぱったりと止まったので、ホテル戦略としてリーマン以降、海外からの旅行会社経由の団体客を一切拒否しました。国内でも団体客をとっていません。今ではお客の95%がじゃらん等のネット予約の個人客です。古くなった建物を全面解体して新館建設中です。」
    地方の巨大温泉旅館・ホテルでも外国人・団体客に依存せず生き残れる実例を見ました。good ですね。

  3. funasan、興味深いレポートをありがとうございました。杉乃井は、日本観光史の中でも有数の歴史的事例で、以下のような流れを追っています。

    1)有名温泉地で戦後のレジャーブームに乗って事業拡大
    2)1980年代以降は経営が悪化しバブル後に破綻
    3)破綻したので所有と運営の分離モデルが採用され経営が近代化する
    4)有力な不動産投資会社がオーナーとなって投資が継続される

    2番までは日本中どこでも同じで、3番と4番で差が出ます。

    伊東園や湯快、大江戸などは3番のパターンですが4番には至らないので安売りするほかなく、長期的には終了に向かいます。リゾートトラストは3番で出てきて全部壊して自分でホテルを小口販売する独特なビジネスモデルです。投資しているのは会員なのでやはり長期的には終了に向かいます。

    杉乃井はオリックスがオーナーで、純粋な不動産投資としてホテル事業を行っているので、今後もきちんと維持されることが期待されるのではないでしょうか。

    僕はこの域に達した事業を「ネオ温泉旅館」と呼んでいますが(勝手に)、それはビジネスホテルやリゾートホテル、大手チェーン、REITなどのノウハウを集約して、もともとの温泉観光地の素材の良さを最大限に活かそうとするものです。以下の動画を見るとそれがよく分かると思います。

    (公式発表)「別府 杉乃井ホテル」大規模リニューアルに着手

  4. さすがresortboyさんですね。杉乃井ホテルのことをよくご存じで、しかも鋭い分析に感心します。私は何も知りませんでした。単純に、別府温泉で施設が充実した一番大きなホテルでリーズナブルな価格と言うことで選びました。大正解でしたね。

    宮崎のシーガイヤも「バブル破綻からリゾート再生物語」として1冊の本になるくらい歴史がありそうです。2017年新施設の温泉施設「松泉宮」や屋外リビング「The Living Garden」に驚きです。露天風呂付和風旅館と超近代的リゾートが同居しています。ゴルフリゾートからの大飛躍です。

    極めつけは36階に新規オープンした「シェラトン・クラブ」(クラブフロア誕生5周年)ですね。ラウンジからの絶景を見ながら朝食・アフタヌーンティー・カクテルタイムが楽しめます。これなら、マリオットの上級会員が日本・世界から宮崎に集まってきます。うまい戦略です。

    次回はシーガイヤに1週間くらいロングステイしてみたいと本気で思っています。そのうちフォートラベルでシーガイヤの詳しい旅行記をアップしますが、まだ東北旅行の執筆中で九州まで追いついていません。(涙)

  5. 追伸です。個人的な体験ですが、杉乃井ホテルと宮崎シーガイヤから見えてきた地方の巨大リゾート再生は「和洋の融合」でしょうか。以下、素人の勝手な分析です。

    居住空間としては近代的なホテルを準備する。和風旅館ではダメです。部屋の広さや内装の豪華さはピンからキリまでで伝統的な豪華ホテル(高級・高額ホテル)にルートインのような宿泊特化型のビジネスホテルを併設する。

    付帯施設としては、大露天風呂付き和風温泉、ガーデンプール、巨大ビュッフェレストラン、ターゲットは日本を含めたアジアの大衆層からプチリッチ層まで。これは私が大好きな「豪華客船」の発想です。寝泊りする部屋が違うだけでパブリック施設は同じで庶民から金持ちまで自分の懐具合で楽しめます。国籍も関係なし。

    今や日本は先進国からずり落ちて、安い国になってきています。このまま円安が続けば、日本大売り出しになり、アジアから観光客(一般大衆)が大挙して日本に来るでしょう。その時の受け皿を杉乃井ホテルはしている気がします。

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