僕はこの十数年、エクシブ中心にホテルライフを組み立てていて、他には陸マイラーとしてハワイに行っている程度。エアラインにしてもホテルチェーンにしても、心理的にかなり縁遠い立場にいた。だから「ステータスマッチ」という現代の「わらしべ長者」的ストーリーが存在するということを、昨年頃から知ってはいたけれど、苦手意識があって自分には関わりのないものと、心の中で切り捨ててしまっていた。
ところがこのブログでも何度か書いているように、いわゆる「ホテルの上級会員」の世界を垣間見るうち、興味や関心が湧いてきて、自分もできる範囲でやってみようかな、なんて思いだしたのだ。
「ステータスマッチ」という言葉についてご存知ない方向けにざっくり説明すると、例えばこういうことである。
ステップ1:特定のクレジットカードを作ると、ホテルチェーンやエアラインの上級会員のステータスが得られるものがある。通常は相当数の宿泊や搭乗をこなさなければならないところを、入会コスト一発でクリアしてしまえるため、「なんちゃってゴールド」とか「なんちゃってメダリオン」と呼ばれる類のものだ。
ステップ2:これを元に、他のホテルチェーンやエアラインに「ステータスマッチ」を行う。ステータスマッチとは、競合会社の上級会員を、受け手側の利用実績に関わらず上級会員として受け入れる、というもので、世界的ホテルチェーンは競争の一環としてこうした施策を盛んに行っている。例えば、マリオットの上級会員を、ヒルトンが同等レベルの会員として受け入れる、といったことだ。
ステップ3:このステータスマッチは別の会社に対して繰り返すことができる。そうしてルートを設定して取り組めば、利用したいホテルチェーンやエアラインの上級会員に、利用実績を(あまり)積まずに到達できる。
これが現代版のわらしべ長者ものがたりである。
ステップ1のスタートとしては、ヒルトンの上級会員になれる三井住友VISAカード発行のカードや、デルタ航空の上級会員になれるアメックス発行のカード、スターウッド(シェラトン)の上級会員になれるアメックス発行のカードなどが知られている。
自分は昨年来、ヒルトンをたびたび利用するようになってこうした世界に関心を持ったのだが、非常に驚いたことがあった。それは「ヒルトンからヒルトン」へ「ステータスマッチによる昇格」を行っている人が多数存在したからである。
同じホテルチェーンでどうして?と思うだろうが、それを解くカギが冒頭の写真。日本ではマイナーだが世界的なホテルチェーンとして知られる「ベストウェスタン」の存在である。
ものがたりのプロットはこうだ。
ヒルトンの上級会員、特にゴールドにはクレジットカードへの加入で簡単かつ安価(年間コスト数千円)になることができる。しかし、常にラウンジアクセスが提供されるダイヤモンドを目指したいのが人情だ(別の記事で書いたように、最上級のダイヤモンドにも比較的簡単になれるのだが)。
そこで一度、ベストウェスタンに対してステータスマッチを行う。ここがミソで、二段階右折というかスイッチバックというか、ベストウェスタンには悪いが、踏み台として利用させてもらうというのだ。
すると、ヒルトンのゴールド会員は、通常ベストウェスタンのダイヤモンド会員とマッチングが成立する。そしてここからヒルトンに対してステータスマッチをかけるのである。
世の中にはこうして労せずしてヒルトンの最上級会員のステータスをゲットした方々が一定数存在する。7,470円(対象となるクレジットカード取得の最低コスト)の出費で、「ヒルトン・ダイヤ」としての圧倒的なベネフィットが得られるという痛快なストーリーは「現代のわらしべ長者」としか言いようがない。
この記事は具体的なノウハウの提供を目的とはしていないので、細かな説明は省いている。わらしべ長者がそうであるように、おとぎ話として読んでいただければいい。残念なことに何度かの制度改訂で、現在は今春までのようにダイヤ取得が容易ではなくなっている(現在はマッチング元の宿泊実績が問われるようになっていて、かつマッチング後のステータス維持条件が厳しくなった)。
しかし、現在も基本的にこの手法は有効であり、まだまだ道は開けている。
関心を持つと、今まで見えていないものが見えてくる。人生はいつだってその連続だ。
(なんちゃって)
(続く、のかな?)
時は流れて2020年、ウイズコロナの時代です。
ヒルトン・オナーズが強烈なキャンペーンをやっています。GOLDへのステイタスマッチですが、90日の間に18泊(nights)するとDIAMONDになれます。
(公式)Status Match
いまヒルトンは、エリートナイトを2倍にするキャンペーンをやっているので、これを併用すると実際には9泊で2022年3月までDIAMOND確定です。
(公式)Hilton Double Rewards
マリオットもヒルトンも必死ですね。
resortboyさん、おはようございます。
情報獲得のスピードは抜群に早いですね。今、私は同じ内容の記事を読んでいます。
マリオットが他グループからのマリオットプラチナへのステータスマッチを開始したので、ヒルトンは逆襲に出ています。エリート会員の奪い合い、ステータスマッチの戦国時代に入りました。もの凄い時代になってきましたが、それだけ世界のホテル業界が苦境にいる、という証拠でしょう。
今までマジメに「マリオット50泊してプラチナ、ヒルトン30ステイしてダイヤモンド」をキープしてきた私はどうなるの?バカか?このステータスマッチの記事を読みながらマリオットやヒルトンから蹴飛ばされた気分です。本当に、最近、世界のホテルグループ(会員制度)が嫌になってきています。逆に国内会員制リゾートクラブ回帰です。
今日から1人旅に出ます。コートヤードバイマリオット白馬にロングステイする予定でしたが、少し変更して、今日から2連泊でセラヴィリゾート泉郷の「ホテルアンビエント安曇野」に行きます。オフシーズンには室料差額なしなので、広い和・洋室に1人で泊まって通常プラン、1泊2食付き8500円(税・サ込)です。しかも、ここからgo to で35%オフの5525円!夕食はレストランで5000円相当のフルコースです。部屋はフルキッチン付きのコンドミニアムなので(本当に)長期滞在できます。素晴らしい!
では、行ってきます。
参考のために以下の記事をアップしておきます。
英文読解の勉強にご利用下さい。
◎マリオットのステータスマッチ
https://loyaltylobby.com/2020/08/27/marriott-bonvoy-status-match-challenge-2020/?omhide=true
◎ヒルトンのステータスマッチ
https://loyaltylobby.com/2020/08/30/hilton-honors-gold-diamond-match-fast-track-with-50-fewer-nights-september-8-december-31-2020/?omhide=true
ホテルアンビエント安曇野の記事は当サイトにもあったりします。すっごい「山!!!」という感じのところですね。
ホテルアンビエント安曇野 – 2 | resortboy's blog – リゾートホテルとホテル会員制度の研究
久しぶりにわさびソフトクリームでも食べたいですね。なんか新製品出てるし。脱線失礼しました。
好評!大王プレミアム 本わさびソフトクリーム | 大王わさび農場
resortboy さんもホテルアンビエント安曇野に泊まっていたのですね。
しかも、2016年の7月という、そう昔でもありません。ちょっと意外でした。
それにしても、アンビエント安曇野は良かった~。大満足です。
施設は古いですがそれを埋め合わせて余りある良さが感じられました。
会員へのサービスとして
1 会員専用ラウンジが新設されここでチェックイン、コーヒー・紅茶の無料サービスがあります。
2 夕食時、アルコール含めてドリンク1杯サービス
3 連泊時に清掃なしにすると1000円の金券がもらえてホテルのショップでお土産等に使えます。
もともと1泊2食通常プラン8500円(夕食5000円相当)で泊まってgo to 35%オフの5525円。この格安さに上記3点サービスを加えるので、本当に無料宿泊です。夕食は和食・洋食ともに完璧フルコースで十分美味しかったです。もう大満足です。セラヴィは昔も今も会員を決して裏切らないですね。
今、コートヤードバイマリオット白馬にチェックインしてロビーでパソコン開いています。コロナ転じて海外から国内へ、マリオット・ヒルトンからエクシブ・セラヴィリゾートへ、私の気持ちが変化してきています。
では、また。
funasan
こんばんは はじめまして。エクシブ会員のRFと申します。小生、最近ワンコを買い始めたこともあり、泉郷が非常に気になっております。
先日も八ヶ岳コテージに宿泊し、大変気に入りました。インビテーションチケットを使用させて頂きました。八ヶ岳の広大な敷地の中に多数の施設が点在し、ホテルの温泉の泉質も素晴らしいものでした。
愛犬を連れて食事が出来るフレンチレストランがあるのはここだけではないでしょうか?
宿泊費も非常にリーズナブルで申し分ないのですがそのかわりに経営が大変だと思います。
泉郷さんには是非とも今後も末長く事業を継続して頂きたいと願っております。今のままで。
RFさん、はじめまして。
泉郷のファンが増えて嬉しいですね。
アンビエント安曇野の現支配人は長らくアンビエント蓼科に勤務されていた人で、10年以上前から顔見知りの人です。先日、久しぶりにお会いして色々経営状態を聞いてみました。コロナ時代になった今、ホテル業界は苦境のさなかですが、意外なことを聞きました。
泉郷はもともと別荘開発からスタートした会社で、現在でも八ヶ岳、蓼科、安曇野、伊豆には多数の別荘の管理と別荘レンタルをしています。このコロナ時代になって、別荘レンタルの稼働が以前より増えた、別荘の購入の問い合わせも多くなった、そして、定住・所有している方たちの別荘の管理費が定期的に泉郷に入ってくる。これらの収益がコロナ時代に非常に助かっている、とのことです。
セラヴィリゾート泉郷は会員制リゾートクラブを運営していますが、主力は一般のホテル経営です。そしてコロナ以前は全施設が黒字経営でした。会員権販売に頼らなくてもホテル別荘運営だけで黒字です。ここがリゾートトラストと大きく違います。よって、今後もセラヴィリゾート泉郷は大丈夫だと思います。安心して愛犬とご滞在下さい。
funasan ありがとう(^o^)/ございます。
こんなサイトも有りますね。これを見るとエクシブを押さえて泉郷が国内リゾート会員権で第一位です。
https://resorts-navi.com/
一応、セラヴィの施設もかなり行っているのですよ。花ホテルとか、清里高原ホテルとか、掲載機会を逸してボツになっていますが…。
ランキング見ましたが、エクシブ(リゾートトラスト)がナンバーワンというのはあらゆる実績から明らかなので、セラヴィが一位というのはあくまで主観的なものですね。セラヴィの息がかかった宣伝向けのサイトのように見えますが、どうでしょうか。
(これも宣伝:記事体広告)
別荘を使わない期間は人に貸して賃貸収入。新型リゾート投資が支持される理由 | 文春オンライン
誤解のないように書いておくと、僕はセラヴィのファンですよ。泉郷ファイブエルクラブを買おうかなと思っていたこともありました(ベストクラブはまだしも、ファイブエルクラブはもう誰も知らないよね。資料はさすがに処分してしまいましたが…)。
セラヴィの小西社長は破綻と再生の生き証人なので、ぜひ一度お会いしたいと思っています。