エクシブ購入への道(3)

さていよいよ契約である。契約時にはエクシブの会員権価格を支払ってから臨むことになる。最近の銀行ATMでは1日の振込額が限定されているから、一度では振り込めないだろう。僕の場合はインターネットバンキングを使って、1日の限度額を調整した上で振込を行った。

エクシブ会員権代金のうちわけ
エクシブの会員権価格は、いくつかの要素で成り立っている。

1)不動産代金。1室あたりの換算で、14分の1もしくは28分の1に当たる土地と建物の代金だ。区分所有権なので建物完成時には不動産登記を行うことになり、応分の固定資産税を毎年納めることになる。また、登記されていて持ち主は会員になるので、リゾートトラストがどうなろうと、持分の権利と責任は会員に帰属することになる。

2)登録料。エクシブの会員となるために支払う代金で、これによって他のエクシブの相互利用が可能になるというのが一応の理屈である。この登録料は返還されることはない。

3)保証金。以前は目減りのない預かり金であったが、現在は「償却保証金」といって、30年間でゼロになるように年率7.4%で償却する。つまりリゾートトラスト社には、保証金から毎年売上が発生するということだ。

注意したいのは、この保証金は、東急ハーヴェストクラブにあるような営繕積立金ではなく、あくまで会員の費用不払いや会員の責による施設の損害などに備えるものだという点。会員は大規模改修時には持分に応じて別途費用を負担しなければならない旨が契約書には明記されている(管理規約18条)。

またこの保証金は、特定の理由でリゾートトラストとの契約が終了した際には償却後の残金が返還されることになっている。特定の理由とは、死亡や建物の滅失といったやむをえない理由がほとんどで、自己都合で契約を終了(退会)させることはほとんど不可能である(退会チャンスについては機会があれば別稿で解説してみたい)。

このほか、オープン時には運営管理費(いわゆる年会費)を支払う。運営管理費には「共有備品の購入」「小修繕費用」が含まれることとされている。お部屋のテレビの買い替えや壁紙の張り替えなどは年会費から捻出されているようだ。

たくさんある契約書
さて、振込が終わると契約である。契約時には、営業担当者のほかに、エクシブ専門の宅地建物取引主任者が同席し、ほとんどはその専任スタッフが契約書に沿った説明を行う。エクシブはリゾート会員権といっても、ベースは不動産取引であるためだ。マンションを買うのと本質的に変わりはなく、むしろリゾート会員権としてのシステムに関わる部分があるだけに、余計に難しい。

契約書類は多岐に渡っており、「不動産売買契約書」(不動産代金に対応)に「施設相互利用契約書」(登録料と保証金に対応)、そしてそれらを補足する「重要事項説明書及び共有制会員権の要綱説明書」がメインとなる。さらに、実際の利用ルールを記した「管理規約」「利用規程」がある。

これだけでは済まなくて、個人情報を登録する「契約台帳」に、RCIとワンダーネット加入申込書、それに2種類の誓約書がある。

誓約書に埋め込まれた予防線
誓約書には「契約書等に定められた条項以外の特約事項等はありません」などと書いてあり、入会の条件として強制的にそのように「誓約」させられる。営業担当のオーバーな物言いを封じ込められる装置が、こんなところに、さりげなく埋め込まれているのは気になるところだ。

さらにもう1通の誓約書は温泉利用について。「宿泊しないときには温泉は使いません」という内容のものだ。以前、白浜や伊豆でトラブルがあったことから追加されたのだろう。一時、「いつでも温泉に入れる」と、施設近隣の住人に会員権が販売されており、その結果、必要以上に混雑するといった不都合が生じたのである。

これで終わりかと思うともう1つあって、それは年会費の自動引き落としの書類だ。これについては振り込み払いとすることもでき、登録を拒否することが可能である。ちなみに僕はそうしている。自分で振り込むと、年会費の重さを毎年感じることになる。惰性で支払わなくなるのでその方がいいと思っているのだが。

契約は、ちゃんとやると半日仕事だ。1時間で終わった、という方は、ちゃんと説明がされていない証拠ですから、書類を読んだ方がいいですよ。いろいろな発見があると思います。

8 comments

  1. 私は、その「1時間で終わった」口です(^^;

    中古会員権の購入ですが、なぜか、RTの東京本社にての譲渡契約でしたので
    新規購入に準じた説明はあったはずですが・・・

    あっさり済ませてしまったなぁ、という記憶しかありません。

    オーナーになる前に、知人の営業担当の場外乱闘には、いい意味で巻き込まれたことがあります。
    まぁ、これが購入のきっかけになっていたりするんですが(笑

  2. 自己都合で契約を終了(退会)させることはほとんど不可能である(退会チャンスについては機会があれば別稿で解説してみたい)。
      ↓
    このような事もまた教えていただけると嬉しいです(^_-)-☆
    今は退会の意思はなくても、情報としてみなさん頭の中に入れておくといいと思いますからね。
    いつもきれいな写真と楽しい文章とありがとうございます(^^♪

  3. hitotsuさん、こんにちは。

    実は、契約終了(退会)について、ですが、こちらのブログからもリンクされている
    アスレさんのメルマガで、気になったことがあり、個人的に質問出してみました。

    それに対する回答と又、その後のメルマガの内容等から判断すると、
    契約終了(退会)可能なのは
    A:オーナー本人の死亡の場合
    B:オーナー自身が施設利用不能な場合
    の2点に絞られるようで、Bの場合は、どうもRT側と協議して状況が認められた場合に限られる、と解釈しています。
    エクシブは有効期限が定められていない会員権であることと、
    20年そこそこの販売実績から考えると、こういう事例はまだそんなに多くないと思います。
    そのため、推測とアスレさんのメルマガ等での貴重な事例から見ると
    病気等により、オーナー本人の利用が全く見込めない場合と
    海外移住による利用不可位かと思われます・・・

    あ、もしかして、resortboyさんが別項で書きたいことをかなり書いてしまったかもしれません・・・
    もしそうだったら、ごめんなさい。

  4. A3さん、こんにちは。hitotsuさん、いらっしゃいませ。

    > resortboyさんが別項で書きたいことをかなり書いてしまったかもしれません・・・

    いえいえ、大丈夫ですよ。A3さんのおっしゃるとおりで、なかなか自由は利かないんですね。エクシブを中心に、リゾート会員権のEXITについては、近いうちにまとめようと思います。リゾート会員権はとても素晴らしいし、その素晴らしさをお伝えしようとこのサイトを運営しているわけですが、一生必要かというと、そうでもないように思いますから。

  5. 古い記事にレスしてすみません。
    中古会員権市場の価格の下落に歯止めがかかりません。ゴルフ会員権には預託金があり、どんなに下がっても預託金以下になることはまずありません。ゴルフ場は土地そのものでメンテナンスがしっかりしていれば半永久的に使用可能ですが、エキシブは資産価値のない場所に建設されていますので、価値そのものは建物で、いわばリゾートマンションのたぐいと思っています。以前保証金をつけていましたが、現在は償却保証金となって20~30年すれば価値が無くなるように設定されています。したがってRT社はその頃資産価値はなくなるものと織り込み済みのように思えます。私の予想としては30年後ぐらいに古いエキシブは立て直しというよりは閉館となり、登記物件は建物の資産価値は0と査定されて土地の価格(二束三文)で買い取られ退会(強制?)となる気がします。退会した会員は新たに新規もしくは中古会員権を購入すたほうが立て直しよりずっと費用が安く済むと思います。あくまで想像ですが。

  6. 軽井沢さん、いらっしゃいませ。コメントありがとうございます。

    結局のところ、リゾート会員権に資産性はまったくありませんので、客観的な価値は、ホテルの利用価値、すなわち運営会社の健全性次第ということになりますね。

    リゾート会員権というビジネスモデルに将来性があるのかどうか(まぁあまりなさそうですよね)、また、リゾートトラストが何年持つか、というだけの単純な話だと思っています。

    払ったお金は帰ってこない、と思うとなんだか悲観的な話ですが、エクシブ会員になれば楽しい世界が待っているのも事実。要するに金銭的な損得では理解が難しい、まさに趣味的な世界ってことですかね。

  7. >金銭的な損得では理解が難しい、まさに趣味的な世界ってことですかね。

    まさにそこが真髄かもしれません。償却保証金が導入されたことから 20~30年の期間限定の夢の世界を、あなたはいくらで買いますか と言ったところかもしれません。
    中古会員権価格が下落するのも必然なのかもしれません。仮に将来閉館となるのであれば、夢の世界が残り少ないのですから。まるでシンデレラの世界と言えばそうかもしれません。
    RT社も中古会員権価格が下落するのは当然とみているかもしれません。またその方が購入できる年収層に幅ができて、結局のところ稼働率の上昇となりRT社にとっては願ったりかなったりの状況になるものと思います。あくまでも私の想像ですが。

  8. 軽井沢さん、こんばんは。

    > その方が購入できる年収層に幅ができて、結局のところ稼働率の上昇となりRT社にとっては願ったりかなったりの状況になるものと思います。

    新規物件と中古とで対象となる顧客層のすみわけができていて、それはリゾートトラストにプラスでもある、と。うーん、鋭いご指摘だと思いました(^^;

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