草津白根山、天空ドライブと湯釜

リゾートの楽しみは何もホテル三昧ばかりではない。何よりも大事なのは健康。というわけで、秋の行楽シーズンにお薦めな「山登り」や「ハイキング」について、いくつか紹介してみようと思う。今日はもっともお手軽なコースで、「草津白根山」を取り上げる。

エメラルドグリーンの「湯釜」で知られるこの山は、標高2,160mの活火山であり、山頂付近は硫化水素ガスのために立ち入ることができない。しかし、山頂付近の火口湖、湯釜を間近で見ることができ、「カンタンに達成感が得られる登山」としては、これ以上お手軽なものはない。

エクシブ軽井沢からは、中軽井沢から星野エリアを抜けて北上し、草津を経由して約60キロあまり。90分～2時間ほど見ておけばよい。鬼押ハイウェー・万座ハイウェー経由だと少し早いが、通行料金が高いので、わざわざ使うほどではないと思う。

国道292号をかつての志賀草津道路の区間に入ると、2,000mクラスという日本有数の天空のドライブが楽しめる（日本の国道の最高地点はこの先の渋峠の2,172m。2位が蓼科の麦草峠の2,127m）。写真は草木も生えぬ「殺生河原」（せっしょうがわら）付近。

クルマの窓を開ければ、強烈な火山ガスによるイオウ臭が漂っている。道沿いには、長時間の滞在は人体に影響がある旨の看板が立っており、ここが異次元の空間であることを知り、なんだかわくわくする。この殺生河原を過ぎれば白根山の駐車場はもうすぐ。普通車410円を支払ってクルマを停めよう。

駐車場には、ホテルグリーンプラザ軽井沢からのツアーバスが来ていた。同ホテルでは秋の期間、1,500円でお弁当とお茶付き、というお得なオプショナルツアーが企画されていた。ぜひエクシブ軽井沢でも、エクシブ山中湖のようにワンデイツアーを積極的にやってほしいものだ。

さて、駐車場の脇には「白根山の高原植物と歴史館」があるから、まずここでルートや白根山について知っておくとよい。わかりやすいさまざまな展示があり、お子さんの夏休みの自由研究など、ここだけで済むくらいである。

こちらの写真は同館の展示から複写させていただいたものだが、駐車場から湯釜までのルート、位置関係がよくわかるだろう。

では湯釜へ行ってみよう。湯釜へは駐車場から歩いて10分ほどだ。ほとんどが舗装されているから、ぬかるんだりはしない。普通の革靴でも十分である。しかし、2,000mオーバーの高地であり、都会よりは少なくとも10度は温度が低い。これからの秋の季節、くれぐれも防寒には気をつけてほしい。

途中にはいくつか「緊急避難所」があり、ここが活火山であることを再認識させられる。なお、湯釜近辺はガスは強くなく、イオウ臭もないので、よほど敏感な人でない限り、あのにおいがダメな人も大丈夫だろうと思う。

あっという間に湯釜までたどり着いた。まぁこのお手軽さでは、登山とは言いませんね。

直径約300mのこの火口湖は、世界でもっとも酸性度が高い湖と言われている。火山ガスが水に溶け込んで塩酸や硫酸となっているそうで、五寸釘でも1週間ぐらいで溶けてしまうのだという。だがそんな事実よりも、エメラルドグリーンの湖水が、とにかく感覚に訴えかけてくる。その神秘的な雰囲気に、誰もが感動するだろう。