「名義変更料」というからくり

皆さんは、リゾート会員権を「資産」とお考えでしょうか? 僕はまったくそうは思いません。しかし、会員権の運営業者や取り扱い業者の中には、リゾート会員権を「譲渡が可能な資産である」と定義付けている企業も多くあります。この考え方はかなり危険であると思います。それを別の視点から証明してくれるのが「名義変更料」というものです。

僕がこのサイトの話題として取り扱っているリゾート会員権は、主にリゾートトラストと東急不動産の2社のものです。この2社は現代のリゾート会員権のトップ企業と言っていいと思いますが、これら企業が取り扱う会員権の名義変更料(譲渡される側が運営会社に支払う必要のある手数料)はいくらだかご存知ですか。

まず、トップ会員権と言えるエクシブの名義変更料は330,000円(税込。以下同じ)です。またベイコート倶楽部では550,000円です。また、サンメンバーズはいろいろ種類がありますが、最もポピュラーな「サンメンバーズ・ワールドホリデークラブ」では、110,000円から220,000円です。

一方の雄、東急ハーヴェストクラブの名義変更料は、共有制のものが132,000円、預託制のものが275,000円です。

3番手の企業として、このサイトでもよく名前が挙がるのはセラヴィリゾート泉郷ですが、同社は一度破綻しており、現在はいろいろな会員権が「オアシスクラブ」として統合されています。同クラブの名義変更料は、通常会員の場合、660,000円です。

これらは何を意味するのかを考えてみましょう。僕の文章よりも、もっと上手にこの現象を説明したパッセージがあります。18年前の橘玲氏の著作「得する生活」から引用します。

一部のクラブでは、「正規」会員と「譲渡」会員の公平を保つためと称して、100万円近い法外な名義変更料を設定している。市場価格と公定価格の差を強引に調整しようとしているのだが、人類の歴史はこうした社会主義的政策が必ず失敗することを教えている。名義書換料の分だけ会員権価格が下落し、場合によってはマイナス価格となって、会員権が流通市場から排除されてしまったのだ。せっかくの資産が誰も見向きもしない紙切れとなり、既存の会員に大きな打撃を与えた。

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(参考文献)橘玲, 得する生活 お金持ちになる人の考え方, 幻冬舎, 2013/7

橘さんが18年前、どの会員権を想定してこの段落を書いたのかはわかりませんが、名義変更料が高額なものには、例えば、以前の記事でも触れた「ダイワロイヤルメンバーズクラブ」の個人会員が770,000円、法人会員が1,320,000円です。名義変更料は譲渡される側が支払わなければならない費用ですから、それが高ければ高いほど、単純にその分だけ「資産」としての会員権価格は毀損します。

この名義変更料というのも、運営会社の一存で変更されてしまうものなので、注意が必要です。例えば、オアシスクラブの前身の1つである「泉郷ベストクラブ」の名義変更料は、かつては10万円+消費税でした。

大雑把に言ってしまえば、名義変更料の高いリゾート会員権は、それだけ「運営会社自らが資産性に対しての疑義を表現している」ということですし、名義変更料が低い会員権の方が「運営会社の姿勢として健全」であると、個人的には思います。

4 comments

  1. resort boyさん 

    おはようございます。
    いつもお世話になっております。
    貴重なご意見ありがとうございます。
    表紙の写真は安曇野アンビエントでしょうか?
    小生も今年からオアシスクラブの会員になりました。高い名義変更料を支払う仲介での購入です。
    小生、今年2歳になる愛犬を飼っております。ワンコ飼いにとってワンパラワンズを持つセラヴィリゾート泉郷は
    どうしても外せない必須の会員権だと思います。八ヶ岳、安曇野、蓼科、高山のワンパラを経験致しましたが、愛犬にとってはとてもエクシブでは太刀打ちできない素晴らしい環境にあります。犬と共に温泉、フレンチレストランに入れる素晴らしい環境、ドッグランの広大さはエクシブの比ではありません。また、部屋の消臭においてもセラヴィは徹底しています。
    ワンコと共にリゾートライフを送るのには最高の会員権だと思っています。
    ただ、ご指摘のように高い名義変更料のために購入をかなり長い間躊躇していたのも事実です。
    名義変更料を下げて欲しいと切に願っております。
    セラヴィはエクシブ、東急に比べて新規会員権購入でも凄くお値打ちなのですが新規購入される方は多いのでしょうか?ご存知でおれば是非ともご教示願えれば幸いに存じます。

  2. RCさん、正解です。写真はホテルアンビエント安曇野の「スカイガーデンテラス」です。resortboyさん、よくこの写真をお持ちでしたね。ここも私の好きな隠れ家です。昨年、白馬に何度も行きましたが、その都度、行き帰りにアンビエント安曇野に泊まりました。
    以下、RCさんの返答にはなりませんが…

    アンビエント安曇野のフレンチレストラン「ル・プラトー」のコース料理が素晴らしく美味しいです。単価5000円(++6050円)の料理は肉も魚も出てくる本格派フルコースです。この夕食を含んだ1泊2食税サ込の会員料金(通常プラン)が8500円です。

    夕食のグレードを落とした単価3500円(++4235円)のコース料理も健在です。しかも、この値段でメイン料理の1プレートに肉と魚がのっています。よってシニア世代にとってはちょうどいいです。この夕食を含んだ1泊2食税サ込の会員料金(お手軽プラン)が7500円です。

    さらに、メンバーサービスとしてレストランで食事をすると1ドリンクサービス(1000円程度)もあります。連泊してノークリーニングにすると1000円の金券がもらえて売店でお土産が買えます。メンバー専用ラウンジ(チェックイン)も新設されてコーヒーマシン常設で自由にソフトドリンクが飲めます。何だか申し訳くらいの会員サービスです。

    あまり、セラヴィリゾートの宣伝をするとエクシブファンの皆様の気分を害するかもしれませんので、続きは8月21日のKASAの会にて。注:施設・設備の豪華・絢爛さは圧倒的にリゾートトラストの勝ちです。勝負になりません。
    funasanこと舟橋栄二より

  3. resortboyさん

    「一部のクラブでは、「正規」会員と「譲渡」会員の公平を保つため…」
    エクシブは市場価格になると相当な目減りです。
    譲渡される人は、33万の譲渡料金を払って更に業者の手数料
    譲る方はその分も差し引いた価格になってしまいます。
    全くもって資産とは言い難いです。
    ハーヴェストは目減りはしますが10分の一とかはないので
    いざと言うときの足しに…程度でしょうか。

    相続の場合は手数料が少し安かったような記憶が。
    ただ、こちらも資産となるとちょっと違いますね。
    その都度好きなホテルに泊まりたい人もいます。
    ヒルトンのバケーションクラブで、息子さんがいらないからと権利放棄して
    売り出してもなかなか売れず、結局0円で引き取ってもらった人がいました。
    年間経費は年会費だけのヒルトンでもいらないと思う人がいるのに
    エクシブは年会費払って泊まる時も普通の出費。
    負の遺産と揶揄する人もいます…
    でもリゾート会員権は損しても得した気分になる趣味だと思っています。

  4. RCさん、funasan。セラヴィ会員さんからのコメントをありがとうございます。写真に秘めた筆者の意図を見破られてしまいましたが、まぁすぐわかりますね。

    僕がリゾート会員権の研究をしていて、IRがしっかりしているリゾートトラストと、販売資料がしっかりしている東急不動産のことはかなりよく理解できたのですが、わからないのがそれ以外の会員権のことです。

    今回のKASAの会でも、セラヴィのことを匂わせるスライドがあったくらいで、こうした入会金だけで加入でき(ただし100万以上とむしろ中古エクシブより高い)、価格優遇がほとんどで排他的利用権があるわけではないリゾートクラブのことはちゃんと検討できていません。

    そのうち、セラヴィのことを取り上げた会を、しっかり1回やろうかと思いますが、その前にハーヴェスト特集の回ですね、順番としては…。

    リラックマ 、大好きさん、コメントありがとうございます。

    最後の1行がこのサイトにお集まりの皆さんのお気持ちを代弁しているような…。同じことを僕はどうも2008年から以下のように表現していたみたいです。

    「損してもいいから、お得に泊まりたい!」

    初出はリゾート仲間との私信の中だったみたいです。上記セリフでググると、以下の記事が出てきます。今回のKASAの会の話題とも関連するので、ご紹介しておきます。

    東急ハーヴェストクラブ入会の裏技?|東急ハーヴェストクラブの話題 – resortboy's blog – リゾートホテルとホテル会員制度の研究

    当時は不況で、入会金ゼロの東急直販会員権があったという話ですが、オフ会でも紹介したように、今やVIALA軽井沢やHVC伊豆山は東急に支払う入会金「だけ」で800万を超えていますから、会員権の値付けを解明するのはホントに困難だなと思います。

    やはり、上記のような心の叫びみたいなもので説明するほかないんでしょうか。

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