KASAの会 Online #1を開催しました

先週末の5月29日(土)の午前中に、resortboyが主催する勉強会、KASAの会をオンライン開催しました。すでに告知記事にご参加後のコメントをいただいておりますが、主催者の立場で簡単に振り返っておきたいと思います。また、当日のプレゼンテーションで不親切であった部分について、情報を補足しておきます。

今回は、はじめてのオンライン開催ということで、これまでのリアル勉強会に来ていただいた方々を中心に、テスト的な意味合いの強い開催でした。10数人の方にご参加いただいて、前半の1時間は僕のレクチャーを中心に進め、一度中締めをして、後半の1時間はご参加の方々と双方向にディスカッションを行いました。

告知記事にコメントいただいているように、総じてうまくいったと感じています。特に、双方向のディスカッションがリアル会場での開催よりもむしろ活発に行えたことは収穫でした。

僕の発表内容ですが、事前にブログで案内していたように、以下の内容を中心にして、さらにそれらを掘り下げてお話ししました。

[5/29]会員制ホテルの稼働率はコロナ禍でも堅調 – resortboy’s blog

[5/29]リゾートトラストの今後の建築計画 – resortboy’s blog

[5/29]リゾートトラストの会員数の変遷からわかること – resortboy’s blog

[5/29]決算を通じてホテル投資について知ろう – resortboy’s blog

全体のテーマを「ホテル投資」としました。この場合の投資とは、有り体に言えば「株式投資」ということです。リゾートトラスト社の決算発表資料を題材とした勉強会でしたので、それを通じて同社の現状を知り今後を見通すとともに、株式投資に必要な知識も身に付けよう、というような欲張りな企画でしたが、時間が足りずに中途半端でありました(特に株式投資に関する部分は別記事で補足したいと思います)。

最初のパートは「会員制ホテルの稼働率はコロナ禍で高い?」というもので、こちらの記事で紹介したデータと、いただいたコメントを元に、現在のコロナ禍における会員制ホテルの需要の底堅さについて解説しました。

会員制は利用対象を会員に絞っているため稼働率を高めにくい特性があり、常に一般のホテルよりも稼働率が低いのが普通ですが、現在はそれが逆転している特殊な事態となっています。このことは、今後のホテル事業の持続可能性を高めるために、何らかの会員制度をあらゆる宿泊施設で検討すべき時期に来ている、ということにもつながるのではないでしょうか。

会員制礼賛になってはいけないので、星野リゾートの稼働率や売上データを示して比較も行いました。当日紹介した元データは以下にあります。同社の稼働率を高める運営能力は群を抜いていると思います。

IRライブラリー | IR情報 | 星野リゾート・リート投資法人

続いて「リゾートトラストの今後の建築計画」のパートでは、こちらの記事で紹介した同社の中期経営計画から、皆さんの関心が高い、新規ホテル開発計画について解説しました。記事にない内容としては、これまでの勉強会で明らかにしてきたここ10年ほどの同社のホテル開発、つまり「離宮+ベイコート」のコンボ販売について、ホテルごとの稼働率データを視覚化して解説を行いました。

ここが同社のビジネスの面白いところなんですが、上述のように、会員制ホテルの稼働率は高めることが難しいというのが特長です。しかし、これが「極めて魅力のある施設(ホテル)」であると、その余剰部分を「別の会員権」を通じて売る、ということが可能になります。ここでは詳しく書きませんが、それがここ10年のリゾートトラストの飛躍(業績面で、という意味)を支えた独自の発明であるわけです。

その上で、中期経営計画で触れられている「ポストベイコート」となる施設がどのようなものになるのかを、同社の発表内容から占いました。具体的には岐阜県の高山で開発される会員権がその新規商品となるわけですが、近く発表が行われるはずですので、楽しみに待つことにしましょう。

3番目のパート「会員数の変遷からわかること」では、こちらの記事の内容を取り上げて、同社の会員権販売が、既存顧客への依存を強める形で行われていることを紹介しました(誤解のないように書いておきますが、僕はこのことを問題視している=改善すべきと考えているわけではありません)。

この話題を補足するために、同社社長の伏見有貴さんが機関投資家向けの会見で語っている内容が興味深かったのでビデオを映して紹介しようと思っていたのですが、当日のZoom会議では回線状況に不安を感じる方もおられたので、その内容は割愛しました。

以下のページにその会見ビデオがありますので、興味のある方はご覧ください。

2021年3月期 決算および中期経営計画ローリングのご説明:決算説明会動画|投資家情報|リゾートトラスト株式会社

最後の数分、会場との質疑応答が済んだ後、会社側からわざわざ補足するように話題を追加している場面があります。そこでは、現在の中期経営計画の「先」に対する同社の考えが表明されていて、具体的にはメディカル部門への注力を語っています。伏見さんはもともとメディカル畑の出身なので、やはり全体的な方向性はそちらに向いていることが、責任者が語ったことで裏付けられました。そしてそれは現在の既存会員に依存したビジネススタイルということの説明にもなります。

最後は「ホテル投資、してみますか?」と題して、こちらの記事で紹介した内容を掘り下げて紹介しました。

具体的には、1)リゾートトラストの売上のクセをつかむとサプライズ決算を先取りして知ることが容易にできること、2)リゾートトラストはホテル業(例としてはプリンスホテル)が目指している経営指標を容易にクリアできていること、3)現代のホテル経営はオーナーを分離するのでホテルREITも多く存在していること。そしてホテルREITはこの1年、REITの中で最もキャピタルゲインが取れた投資対象であったこと(ただし配当利回りは最低レベルであること)、などを紹介しました。

ただ、ちょっとこれは欲張りすぎて、土地勘のない方には何がなんだかわからなかったと思います。長くなったので、このパートの補足はもう1回、別の記事を書いてフォローしようと思います。

(続く)

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