京都文化博物館別館で明治建築の迫力を味わう

ホテル好きの嗜好にはいろいろな切り口がありますが、その1つに「建築好き」というのがあると思います。ホテル滞在自体がディスティネーションになるような素敵な建築に身を委ねるという体験は、一度味わってしまうとやみつきになってしまうし、エクシブがこれほどまでのヒット商品になったのも、1990年代から2010年代にかけての数々の本格建築にその理由があるでしょう。

京都滞在初日は市内中心地のビジホに泊まってしまったので(それでも工夫して、1980年代建築の、京都の高さ規制が今ほど厳しくない時代の景色のよいホテルに滞在しました)、なんとなく物足りなさがあったのですが、この場所に行って「建築味(けんちくみ:いま造語しました)」を補給したので、かなり気分がアガりました。

Photo by resortboy

というわけで、ご紹介するのは「京都文化博物館別館」です。この建物は1906年にできた旧日本銀行京都支店です(重要文化財)。京都文化博物館は現在、コロナ禍の影響で開館エリアが制限されていますが(僕が行った時には総合展示が休止していました)、この別館は開館していました(入館無料)。

(公式)別館沿革|京都府京都文化博物館

設計したのは東京駅や日本銀行本店を設計した辰野金吾と弟子の長野宇平治で、ホテル視点で言えば、辰野金吾は日本のクラシックホテルの1つとして知られる奈良ホテルの設計者でもあります。

中に入ると冷房がキリっと効いていて、かつての銀行カウンターから奥に広がる営業室の雰囲気に圧倒されます。現在はホールとして利用されているということで、ここで室内楽など聞いたら実に素敵だろうと思います。

Photo by resortboy

特に魅せられたのはこの天井ですね。美しく貼られたチーク材と屋根に付けられたドーマー窓からの明かりが見える天窓。レトロ感などというものではなく、現役の建築としての本物の迫力が感じられました。

Photo by resortboy

隣には旧金庫棟があり、そこは前田珈琲文博店として営業しています。

Photo by resortboy

詳しくは以下を。

(公式)文博店 京都文化博物館別館内 旧日本銀行京都支店金庫室 | 前田珈琲

このあと、エクシブ京都八瀬離宮にチェックインしたのですが、いやぁ、やはりこの時代のエクシブはまったくもってすごいとしか言いようがないよね(2006年開業)。これらのホテル資産をなんとか時代を超えて維持していかないといけないと改めて思いましたよ。

Photo by resortboy

というわけでエクシブの話はまた今度。

3 comments

  1. resort boyさん

    いつもありがとうございます。
    素晴らしい京都博物館の建築様式ありがとうございます。
    とても素晴らしいですね~
    また、八瀬離宮をお褒め致き誠にありがとうございます。
    小生八瀬離宮のオーナーでございます。個人的には大変立派なエントランス、ラウンジ、スケールの大きさでは離宮ナンバーワンだと自負しております。
    瑠璃光院など京都観光にもうってつけです。
    小生、17年前に琵琶湖スタンダードを購入し、エクシブデビューして以来、3年前に鳥羽別邸を購入、2年前に八瀬離宮を追加購入、さらに最近もう一つエクシブを購入した、筋金入りのエクシブファンであります。エクシブの更なる発展を願っております。

  2. バブルの夢物語?
    今年の7月上旬に北海道周遊旅行した時に北海道キロロにある豪華ホテルに泊まりました。1993年にオープンした「ホテルピアノ」です。resortboyさんご指摘の「1990年代から2010年代にかけての数々の本格建築」の1つです。

    北海道の寒村に巨大なキロロリゾートを造ってもうまくいきません。地元とヤマハの資本によるキロロリゾートは2012年、タイ王国の不動産会社に買収されます。そして、外資の経営となったキロロリゾートは2015年12月、「ピアノ・ホテル」を『キロロ・トリビュート・ポートフォリオ・ホテル北海道』としてリブランド・オープンしました。もう1つのホテルはシェラトンにリブランドしました。狙いは外国人です。

    「トリビュート・ポートフォリオ」はスターウッドホテル&リゾート傘下(SPG)のホテルで、世界の独立系ホテルの中から厳選した高級ホテルで構成されています。『キロロ・トリビュート北海道』はアジア太平洋地域で初めてのトリビュート系ホテルとなりました。

    このホテルは外観が非常に凝っており付帯施設を含めてまるで「ヨーロッパのお城」です。キロロリゾート全体をバブル時代の日本の地方の巨大リゾート開発の事例研究として見てみると今の日本の置かれている困難な状況が分かります。マリオットがSPGを買収したので、今はこの壮大なホテルはマリオット傘下になりました。だからあえて泊まってみました。詳しくは以下の私の旅行記をご覧ください。

    『キロロ・トリビュートポートフォリオホテル北海道(スイートルーム宿泊)』
    https://4travel.jp/travelogue/11704914

  3. RCさん、コメントありがとうございます。僕も17年前(2004年)に最初のエクシブを買いましたよ(正確にはサンメンが先)。その後、最大でエクシブ3口、サンメン1口を所有しましたが、現在は3口手放して、エクシブ1口(チケット付きのバージョンなのでサンメン権利もあると言える)に絞って楽しんでおります。

    八瀬離宮に関してはまったく同感です。離宮シリーズの第一弾ですが、ビジネスモデルとしてはオールドエクシブのそれに乗ったものです。リゾートトラストの絶頂期(施設開発面での個人的見解)の施設であり、建物全体に夢のある施設となっていますね。交通の便もよく利用コスト面でもお得感があり、夕食が高価になってしまったのが残念ですが、誰にでもおすすめできるナンバーワンのエクシブではないでしょうか。

    funasan、面白い方向に脱線していただいてありがとうございます。ホテルピアノは観光企画設計社の設計で、同社は多くのエクシブも手掛けています。以下のページを見ると、見たことがあるホテルがいくつもあるのではないでしょうか。

    Resort Hotel | Works | KKS GROUP

    それに、キロロリゾートは同地のゴルフ場とともにリゾート会員権としても販売されていました。詳しい資料がありませんが、法人向けの会員権は4,200万円で、破綻時には約100億円の預託金償還があったという記事(以下)がありますが、資本の分厚いヤマハがバックでしたから、預託金は契約どおりに返還されたのでしょう。

    キロロゴルフクラブ・キロロGC(北海道・(株)ヤマハが経営母体)が営業停止に-椿ゴルフ

    というわけで、キロロ・トリビュート・ポートフォリオ・ホテル北海道は、リゾート会員権研究の文脈でも見るべきものがありますし、エクシブ好きな方には言葉を超えて通じる迫力があるホテル建築であると想像します。ますます行ってみたくなりました。

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