マカオのホテルを理解しよう – 2

引き続きマカオのホテルについて俯瞰してみます。前回はコタイのホテル群について見ましたが、今日はマカオ半島についてです。マカオ観光は大きく分けて2つの側面があると思います。1つは巨大IRを楽しむリゾート地という側面。もう1つが西洋と東洋が融合した歴史ある町並みを楽しむ観光地としての側面です。

マカオは16世紀に中国大陸における唯一のヨーロッパ人居留地となり、1999年までポルトガルの植民地でした。マカオ半島内には歩いて回れるほどのエリアに、8つの広場と22の建造物が「マカオ歴史地区」として世界文化遺産に登録されており、「世界遺産めぐり」を楽しめる観光地として人気があります。

再び、Sands Chinaの投資家向け資料からマカオの地図を引用します。この地図の上側がマカオ半島です。

ホテラーとしてはコタイに泊まるに決まってるじゃん、と思う一方で、世界遺産めぐりもしたいな、という思いもあり、結局、前半と後半でホテルを分けることにしました。

さて、ここで1つの表を見ていただきます。出典は2017年5月に三井住友銀行の企業調査部が出した「マカオ・カジノ業界について」というレポートです。

小さな表で見づらいので、大事なところを再掲します。マカオのカジノのシェアは現在、以下のようになっています。細かい説明は省きますが、マカオでカジノを経営するライセンスを持っているのがこの6社になります。

Sands China　23.1%
Galaxy　22.1%
SJM　19.3%
Melco Resorts　15.6%
Wynn　11.7%
MGM China　8.2%

サンズ、ギャラクシー、メルコの3社に関しては前回の記事で説明しました。今回はこの3位に入っているSJMという会社について触れます。

SJMのボスは「スタンレー・ホー」という人で、この人が2002年までマカオのカジノ産業を独占していた「カジノ王」です。SJMのホテルとして最も有名なのはホテル・リスボアとグランド・リスボアの2つのホテルでしょう。この2つのホテルの夜の景観は今でもマカオを代表する風景として広く認知されています。

マカオ半島で代表的なホテルに泊まりたい、ということで言えば、「グランド・リスボア」、ということになるのではないでしょうか。グランド・リスボアはまさにマカオ半島の中心にあって、世界遺産めぐりにも最適です。

また、SJMが51％出資しているホテル＆カジノ「ポンテ16」にはアコーホテルズのラグジュアリーブランドである「Sofitel」が入っています（ソフィテルマカオ at ポンテ16）。

ポンテ16はマカオ半島の東側の内海に面した場所で、中心地からはずれていますが世界遺産めぐりという意味ではかなり便利な場所と言えます。

SJM以外では、サンズがマカオに進出した最初のホテルである「サンズ・マカオ」があります。

サンズの本拠地は今やコタイ側なので、シャトルバスが系列施設との間をばんばん回っています。マカオ半島に拠点を置きながらコタイを楽しみたいということであればサンズが便利です。

また、ウインを無視するなよ、という声が聞こえたので、写真だけ載せておきます（裏口の写真で失礼）。

「永利ってナニ？」と思って調べました。Wikipediaによると「ウィンが永利と漢字を当てたのは、永利の広東語読みがウィンレイだからである。更に、『永遠の利益』という意味もかけ合わせている」とのことです。

まとめますと、マカオ半島で選択する価値のありそうなホテルとして、グランド・リスボア、ソフィテル、サンズ、ウイン、あたりが挙げられそうです。

もちろん、マカオ半島にはこれ以外にも多数のホテルがあります。僕もいくつかのホテルを検討しましたが、ひとつ引っかかる問題として「サウナ」というものがありました。予約寸前にこの問題に気付いて、ティーンの女の子を連れた父親としては見直しせざるを得なかったことを付け加えておきたいと思います。