リゾート会員権を手放すとき

リゾート会員権には「中古市場」が確立していて（実際にはリゾートトラストのエクシブかサンメンバーズが大多数なのだが）、不要になった会員権を業者に買い取ってもらったり、仲介業者を通じて次の所有者に譲渡したりすることができる。

では、一度買ったリゾート会員権をどうして手放すのだろうか？今日はそんなことを少し考えてみたい。

僕もそうだが、最近は30代でリゾート会員権のオーナーになる人が増えているようだ。インターネットを通じた中古市場が出現したせいで、適正な価格で手に入るようになってきたからだろう。

しかし、家族旅行を通じてリゾート会員権のコストメリットを享受すべく、憧れのリゾートライフをはじめた家庭の多くは、実は数年もすると金銭的な問題から、会員権を手放さなすことを検討しなければならなくなる事情が発生する。

子どもの教育費という問題だ。

八十二銀行がWebで提供しているライフプランニングのアプリケーションを使って、ちょっとした数字遊びをしてみよう。父親は1970年生まれ。子どもは2002年と2004年に2人生まれると仮定。子どもは私立幼稚園に通い、公立小から中学受験で私立の一貫校に進学し、現役で私立大学に入るとする。大学は1人が文系、1人が理系で、ダブらずに4年で卒業するものとした。

こうして教育費を1年ごとにグラフ化してみると、以下のようになる。

子どもが私立中学に入るころから年間の教育費は高騰し、2人が大学に入るころにはピークで年間450万を超える費用を見積もらなければならない（この費用の前提条件については八十二銀行のサイトを見てください）。中学以降にずっと私学を利用するのはなんとなく極端なようだが、マトモな教育を公立中学で、というのはかなりリスキーな選択だと思われるのが僕の居住している地域の現状であり、この仮定はかなり現実的なものに僕には思われる。

さて、グラフから読み取れるのは、子どもが中学に入ってから大学を出るまでの10数年が、子どもを持つ親御さんにとって人生で最大の大出費時代となる、ということだ。リゾート会員権の所有が、この大出費時代を乗り切れるかどうかは、一度考えておいた方がよいテーマだ。

この時代、レジャー費に割ける予算は下げざるをえず、子どもも成長して家族旅行の機会は激減するだろうから、リゾート会員権は年会費10万円（エクシブでスイートのバージョンZを所有した場合の概算）を浪費する金食い虫に変身する。

ただ、この大出費時代を乗り切れば、子育てから開放され、また新たなリゾートライフのステージがやってくる。このシミュレーションの父親の場合、子育てを終えて定年までの10年で資金を蓄え、人生のセカンドステージを迎えることになる。では、そのときに望ましいリゾート会員権って何だろう？

それは家族旅行のニーズとは違うかもしれないし、リゾート会員権を持ち続けることがいい判断だったのか、それはそのときにならないとわからないだろう。

リゾート会員権を手放すとき。誰にもそんなことを意識する時代が、いつかはやってくるのだろう。