ホテルライフのコスト感覚

先週開催した勉強会でも話をしたのですが、来年以降、このサイトで15年に渡って研究してきた内容を発展させて、ホテル活用を体系化したものを発表していきたいと考えています。今日はそれに関連して、コストについて少し考えてみたいと思います。

このサイトをご覧の皆さんは、日常的にホテルライフを生活に取り入れていらっしゃる方が多いと思います。ですが、そのホテルライフの実現のために、予算計画を立てて実行していらっしゃる方は、あまりいらっしゃらないように感じます。

しかし、体系化という観点では、どうしてもホテル利用というもののコスト感に対して、何らかの基準を打ち出さないといけないのではないかと思っています。それはその体系が、「特段のお金持ちではない一般家庭」においても、持続可能性の高い実学として存在しなければならないと思うからです。

以下はそのためのひとつの作業であって、結局のところは無理くりひねり出した一例としての基準ではあるのですが、お読みになった感想などを寄せていただけますと今後の研究に役立ちます。どうぞよろしくお願いします。

話を進める前提として、やはり「モデル家庭」を設定せざるを得ません。そのモデルという概念がいかに世間ずれしているかということは、勉強会でも指摘したところですが、ここでは、東京23区内に住む4人世帯(夫婦と子ども2人)と設定します(ex. 東京都私学財団)。

ライフステージを「子育て期」と「熟年期」の2つに区分して考えていきます。仮に35歳~55歳の20年間を子育て期、55歳から75歳の20年間を熟年期とここでは定義しましょう。75歳以上でお元気な方はその後20年くらいのホテルライフが可能な時代に入ってきていますが、現状ではまだリアリティがないように思われるので、まずはこの40年間のスパンで考えます。

「子育て期」においては、ホテルライフに積極的に資金を振り分ける余裕がないのが普通だと思います。ですから一般的には、他の分野での予算を削って捻出するというのが妥当な考え方でしょう。

仮の話ですからその前提で聞いてほしいのですが、僕の場合は3人の子どもたちを基本、塾なしで育てました(子育てはまだ継続中ですが)。ですから、大きなヤマとして「教育の外注費」を削減することが頭に浮かびます。ここはその考えを採用して話を進めます。

以下のページによれば、中学受験の塾費用は3年間でおよそ250万円と語られていますし、自分の感覚でもそんなものだと思います。これを1人当たり50万まで減らすとすると、お子さんが2人のモデル世帯においては400万円が浮きます(中学受験をせずに高校受験をするとしても、首都圏では小学生のうちから塾通いがはじまりますから、結局、同じようなものだと思います)。

(データ参照先)中学受験――「塾代」年間費用はいくら? (3/3) | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

こうして自学の習慣を築いてしまえば、大学受験における塾費用も同じように節約できますから、お子さんが2人の場合、少なくとも500~600万程度の節約が期待できます。ここでは550万の節約、として進みます。

(中学受験を自宅主導で行うための具体的な手法については、お待たせしていますが、まだ公開の意思はあります。気長にお待ちください)

これに加えて、ホテルライフを意識しない一般的な家庭における「家族旅行」のコストを加えます。以下の調査によれば、最頻値は年に1回、費用は10~15万ですから、中央値を採って12.5万とします。

(データ参照先)家族旅行は年1回が6割、かける費用は10万円未満…ベネッセ調査 | リセマム

これを子育て期の間、フラットに継続するとすると、250万円という値になります(12.5万×20年)。先ほどの550万と合算すると800万円です。

これを20年で割ると1年間あたりの予算が40万円と求められました。ここではこの金額を、生活水準に大きな手を入れずに、考え方の転換で可能となる、ホテルライフ予算の一例だと考えることにしましょう。

家族4人で利用するとして、お子さん分の費用を20年平均で大人換算@0.5人分だとすると、毎回の平均人数が3人となります。隔月でホテルライフを実行し、年に3回は2泊3日(例えば夏休み・冬休み・GW)、後は1泊2日する前提では、以下が予算となります。

40万÷9泊=4.44万(1泊2日あたりの予算)

このように隔月でホテルライフを楽しむと考えると、1回あたりの旅の予算が3~5万円程度に落ち着けば、「特段にぜいたくとは言えない、無理のない範囲」であると言っていいのではないでしょうか。

奇しくもこれは、このサイトで従来から話題に出ている価格水準、いわゆる「1人1泊2食で1万円のローエンドプラン」であれば、交通費(ガソリン代等)も含めて無理のない範囲です。そうしたプランが使えないのであれば、素泊まりに外食を加えて実現することも十分に可能だと考えられます。リゾート会員権などの初期投資がなくても、他の代替手段はいくらでもあります。

(子育て期のまとめ)
教育の外注をやめれば、隔月利用のホテルライフが可能になる。

次に「熟年期」について。この世代は子育てが終わっていますから、積極的に住み替えを行えば、住居コストを下げることができるはずです。これも関連した話題を勉強会で取り上げました(住居は後で買ったほうが有利ではないか、という話です)。絵空事と思われるかもしれませんが、これもまた1つの考え方として聞いてください。

国土交通省が「都市居住型誘導居住面積水準」として出している基準を援用すると、都市の共同住宅における望ましい居住面積は、1人あたり20平米=約6坪であるとされています。

(データ参照先)参考資料 誘導居住面積水準(住生活基本計画(平成23年3月15日閣議決定)より抜粋)

子育てが終わって、2人家族で子どもが出ていった後には、その分の居住面積は減らすことができます。それを貨幣価値に換算すると、東京23区の賃貸住宅は坪単価が8,834円ですので、月額約5.3万円、2人だと10.6万円相当が削れるということに、理屈上はなります。

(データ参照先)全国賃貸住宅の平均坪単価家賃推移 市区別版【東建コーポレーション】

びっくりするような金額かもしれませんが、実際に世田谷区の一軒家から港区のマンションに引っ越した自分のケースでも、これと似た効果が出ています。

賃貸を前提とした話ではありますが、住居をコスト換算するという本質の部分は所有していても同じです。つまり、子育てが終わるとホテルライフに対する資金繰りが飛躍的によくなります。毎月10万円が原資だとすると、2人の利用なら、使わない子ども部屋を維持することと比較した場合においては、近場であれば毎週どこかのホテルを利用できるライフスタイルが可能になるのです。

毎月10万円ということは、これは年間にすれば100万円以上の予算がある、ということでもあります。そうすると、以下の記事で舟橋栄二さんが発言されていたように、海外で驚くような数の宿泊を利用する、まったく新しい利用形態も見えてきます。

(参考)年間100万円の海外リゾート満喫術 – スペシャル対談 舟橋栄二さん(12) | resortboy’s blog – リゾートホテルとホテル会員制度の研究

(熟年期のまとめ)
使わない子ども部屋を維持するのをやめれば、毎週のホテルライフが可能になる。

もちろんこれは机上の計算であって、現実とは違います。ですが、まったく根拠のない話というわけでもありません。すべては考え方次第です。

最後にもう一度まとめますと、夫婦と子ども2人という家族構成をモデルとすれば、

・1人1泊2食1万円という枠組みにおいては、
・子育て期においては隔月の1泊2日旅行(年3回は2泊3日)が可能で、
・熟年期においては毎週の1泊2日旅行または海外リゾート三昧が可能。

いかがでしょうか。こうした世界が「すぐそこにある現実」として存在しているとしたら、皆さんはどうお思いになりますか?

(関連記事:ただしデータが古いです)
エクシブはぜいたく品なのか? | resortboy’s blog – リゾートホテルとホテル会員制度の研究

1 comment

  1. resortboyさん、皆様、寒くなってきましたね。
    先月、バンコク・クアラルンプールの王様修行の旅から帰国しました。
    また、今月の末にバンコクに出かけます。

    さて、現在、私はマリオット系で53泊、ヒルトン系で27ステイしており、
    来年も「マリオット・プラチナ」+「ヒルトン・ダイヤ」継続予定です。
    年間で3か月近くホテルに泊まってますので、もう別荘感覚ですね。

    以前はエクシブはじめ日本の会員制リゾートに夢中でしたが、今は完全にマリオットとヒルトンの術中にはまってしまいました。そして、「別荘を買わずして世界の高級ホテルを別荘にする」、という老後のライフスタイルになってきました。

    なぜ、私がここまで夢中になってしまったのか?
    とにかく、コスパ最高なんですね。
    以下、ヒルトンクアラルンプールの滞在記です。
    ご覧ください。
    https://4travel.jp/travelogue/11560542

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