エクシブの魅力は「安さ」だった – スペシャル対談 舟橋栄二さん(2)

funasanことトラベルライターの舟橋栄二さんをお迎えしてのスペシャル対談の第2回めをお届けします。funasanが取り組む電子書籍ビジネスの話題からはじまり、エクシブとの出会いを語っていただいた前回に続き、今回は、どんな風にエクシブにハマっていったのか、そのきっかけと、その後のエクシブの変化について語り合いました。

(前回の記事はこちら)インパクトがあったエクシブとの出会い – スペシャル対談 舟橋栄二さん(1) | resortboy's blog – ホテルの会員制度を楽しむサイト

funasan(以下F):(エクシブにハマった理由を)もう一つ言えば、「安かった」んです。

resortboy(以下R):エクシブっていうのは当然「高級」ということですけど、「安い」っていうのは、どういうふうに安いと思われたんですか。

F:特にディナーです。最初、これはまだオーナーでなかった時だと思うんですけれども、サンメンバーズか泉郷のRCIで使った時に、イタリアンのローエンドコースで確か2,000円台のがあったんですよね。税サービス合わせても3,000円弱ぐらいでしたかね。

R:ありましたね。2005年の春まで、そういう2,500円のコースっていうのは、各エクシブであったんですよね。フレンチで2,500円というのもありましたし、中華でもホテルによってはありました。

F:フレンチでも2,500円があったんですか。

R:ありました。例えばエクシブ伊豆は、フレンチレストランが唯一の洋食レストランですから。当時、各エクシブで2,500円の洋食コースというのがあったんですね。

ほかにも例えば、エクシブ浜名湖は2004年に出来ましたけれども、あそこに「翆陽」という別棟になった一軒家の中国料理のレストランがありまして、あそこでも2,500円のコースが開業当時はあってですね。

(2004年当時のエクシブ浜名湖 翆陽のコースメニュー一覧)

僕なんか、オーナーとして行くとお花をプレゼントしてくれたりとか。2,500円でこんなにしてくれていいんだろうか、っていう、そういう時代があって。

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F:それで、それ1回だけなんですよ。1回だけ2,500円のコースを食べて、いや何とリゾートクラブって会員に優しいのかと。しかも私は小食ですので、朝食はコンチネンタルブレックファーストで十分だと。1,000円ですよねあれも。

R:当時800円と税サービスですからだいたい1,000円くらいってことです。

F:それでパンもジュースもおかわりできて。(館内専用)オーナーカードでフリードリンクだし、コンチネンタルでもパンをおかわりすれば十分だし、いやこれは何と素晴らしいところだと。

R:それはまったく同じですね。僕なんかファミリーでしたので、2,500円のコースと子供は1,500円のお子様セットで個室に案内されて。

F:個室に?

R:例えばエクシブ山中湖のイタリアンに行くと個室がありまして、そういうところで食事をして、こんなに安くていいんだろうか、と思った覚えがあるので、たぶん同じ時期に別のエクシブで同じようなことを舟橋さんも感じられたんだなと思いますね。

F:それで、これはもう入るしかないなということで、中古会員権でエクシブ鳥羽アネックスのスタンダードを買ったんですけども、買って行ったらもうすでに夕食が値上げされていました。

R:それはつまり、2005年の4月に値上げがあったので、そのときのタイミングだったんですね。

F:それでも、値上げしても3,500円のコース、税サービス含めて4,000円くらいですから。私はイタリアンが好きだから、鳥羽のイタリアンをよく食べました。

アミューズがあって、前菜があって、パスタがあって、メインがあって、デザートがあってコーヒーがあると。それを妻と、または1人、家族で、1時間半か2時間をかけて食べるという。これはなかなかいいなと。

さらに、よく1泊2食のプランがあって、だいだいどこのエクシブでもだいたい1万円前後。

R:そうですね、1万円で2食付き、税金なんかも入ってるという、そういうプランですよね。

F:特に夏休みの土曜日とかね、普通だったらもう倍額、3倍。高原リゾートなんか高いんですけど、そういう時にエクシブに泊まるのは非常にメリットがありましたよね。

R:ただ、その「安いエクシブ」っていうのは、この御本が出た当時(2006年)から12年ぐらい経って振り返ると、もう本当に「過去の話」という感じがするので、その本が出た時のこの感動から12年後に時を進めてですね。

(2006年の書籍に2018年の対談をベースに増補改訂した電子書籍)熟年世代に送る 安くて豪華に旅する方法: リゾートクラブは宝の山 (22世紀アート)

この10年~12年の間、エクシブは非常に「高級化に邁進した」という感じがして。いま実は、エクシブのこの30年の年表を目の前にして2人で語っているところですけれど、こういうのを見てどんな風に思われることがありますか?

F:まず、大きなエポックメイキングっていうか、エクシブが高級路線に入っていったのは、「エクシブ京都八瀬離宮」(2006年)からだと思うんですね。私も興味があったから、八瀬離宮に2~3回泊まってみたんですけど、妻と一緒に行って、実はいろんな意味で失望したんですね。

R:失望ですか? 僕も行きましたけど、当時は「これはすごい」と思いましたけれど。逆に失望だったとはどういうところが?

F:妻も私もまずヨーロピアンが好きなんですよね。暖色系というかあたたかい感じで。妻は特に花が好きだから、エクシブに行けば季節のとりどりの花が植えてあると。部屋の絨毯も暖色系だとか。

それに比べると八瀬離宮っていうのは「黒と金」。高級感はあるんですけども、デザイン全体がニューヨークスタイルっていうか、昔のエクシブのヨーロピアンじゃなくて。

それから決定的な失望感はラウンジですね。

R:立派なラウンジですが、オールドエクシブと違ってピアノがないですよね。

F:そう、ライブ演奏をバーの方に持っていってしまった。私にとっては、アーリーチェックインしてラウンジでゆっくりして、夕食後はラウンジで生演奏を聴く、というのが、これが(自分にとっての)「エクシブスタイル」だったんですけれど、それが(八瀬離宮では)まぁちょっとこう、ガクっと来たと。

そういえば、生演奏が好きだからバーの方へも行ったんですが、ちょっとうろ覚えなんですけれど、カバーチャージを取られたり…。

R:あそこは僕なんかからすると、入りづらい雰囲気があります。高級感があるというか閉鎖的なところがありますよね。

F:狭いしね。あんなとこで聞く意味があるのかなど。私、酒が飲めませんので…となって。

ということで、まあ妻と同じ意見なんですけれども、八瀬離宮は合わないな、ということで、2~3回は行ったんですけどそれ以来行ってませんね。

R:そこは今のエクシブにとりこになっている多くの方とは、ちょっと意見が違うところかもしれませんね。やっぱり離宮以降、ああいった大人っぽい雰囲気、高級感がある空間、そういったものに対して、エクシブの価値はそこにあるんだ、っていうふうに魅了された方っていうのも、かなりいると思いますし。

舟橋さんは逆に言うと、エクシブ鳥羽のように開放感があって、かつフィットネスや温泉や、そういった「オールインクルーシブ」というか、多彩なものがすべて入っている、そういうものを好んでいらっしゃると。

F:私の理想を言えば、いろんなエクシブを巡ったんですけれども、まずラウンジで言うとエクシブ琵琶湖のラウンジ。 あそこでくつろいで、エクシブ軽井沢のフィットネスクラブはプールや大浴場が全部一体化されていますので、あそこで楽しんで。それから温泉はですね、エクシブ鳥羽ですね。

R:あの温泉の質は、ちょっと他とは違う抜きん出たものがありますね。

F:要するに、琵琶湖と鳥羽と軽井沢。さらに言えば、蓼科のラウンジと屋外テラス。それらが同時に味わえれば最高だと思うんですが。それが私の理想ですよね。

R:なるほど。そうすると、今お話に出た八瀬離宮はあまりお好みじゃなかったっていうことですけれども、その後できたいろんなエクシブというのは、かなり舟橋さんの好みとはちょっと違うものに進んでしまっている、っていうようなことがあるっていうことですかね。

(続き:「世代交代」でエクシブを活かす – スペシャル対談 舟橋栄二さん(3) | resortboy's blog – ホテルの会員制度を楽しむサイト

PS. 今回の記事の冒頭の写真にピンと来たあなたはマニア認定、お仲間です。

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