3月13日付けの日経ビジネス電子版で、星野リゾートの星野佳路代表が新型コロナウイルスの影響について、インタビュー形式で語っています。ホテル利用の研究家としては、日本を代表するリゾートホテルの経営者がこの危機の最中に何を語っているのか、記録しておきたいと思います。冒頭の写真はこの2月に訪れた同社のホテル「リゾナーレ八ヶ岳」での一枚です。

新型コロナ、観光に試練 星野氏「黄金週間まで続くと深刻」:日経ビジネス電子版

インタビューは2020年3月12日に、まさに世界の株式市場がセリング・クライマックス(まだこの先にさらなる下げがある可能性も大いにありますが)を迎えつつある総悲観のタイミングで行われています。

Infographic: Market Volatility Since Coronavirus News | Statista You will find more infographics at Statista

以下、resortboyの文責において、星野氏の発言を要約します。要約はresortboyの個人的興味によるもので、必ずしも氏の発言の趣旨を表現することを目的としていません。


3~4月の国内観光需要が激減した。もっと先まで影響が続くのかは今のところ分からない。ゴールデンウイークまで自粛が長引くと、日本の観光業は深刻な状況に陥ってくる。

星野リゾートでは「インバウンド比率が高いところ」「都市にあるところ」「グループバスツアーの比率が高いところ」「北海道にあるところ」で需要減少幅が大きい。これら要素が重なるほど、マイナスが大きい。

特に「緊急事態宣言」が出てからの北海道の落ち込みが高く、原発事故のあった福島での経験に匹敵する。しかし、3月12日に開業した「界 長門」は先に挙げた4条件にあてはまらず、自家用車で訪問する人が多く、食事会場が個室。開業を遅らせる理由はないので予定通り開業した。

星野リゾートでは需要に応じて宿泊代が変動する仕組みを導入しているため、需要が下がると料金は上がらなくなる。しかし、通常あり得ないような価格を出すことはしていない。短期的な需要を無理して追うことなく、中長期的な視点で向かっていくしかない。

ゴールデンウイークには宿泊客が戻ってくる可能性があると思っている。夏に向けての予約も入っており国内は動いているが、海外からはほとんど入ってこない。無理なコスト削減は考えていないが、感染拡大が収まるのを見極めるまで、取り組みを延期できるものはしている。

東日本大震災の時の需要減少と似ているが、国内には被害のない地域もあった。これに対し、今回はどこに行っても感染の懸念があり、長引けば震災時以上のダメージになる可能性がある。需要減少はどれくらい続くかわからない。世界的に観光業は大幅に需要が減少しているが、復活に向けて淡々とやるべきことをやるしか方法はない。

市場復活においては国内需要が大切だ。日本の観光消費26兆円のうち、インバウンドは5兆円以下。21兆円という巨大市場を国内に持つのが日本の観光市場の特徴だ。まず国内需要が戻って、世界全体が落ち着いてくるとともにインバウンドが戻ってくるという順になるだろう。


要約は以上です。

考えてみれば、リゾートトラストを中心とする会員制リゾートホテルという業態は、この記事で語られている落ち込みの大きい要素、「インバウンド比率が高いところ」「都市にあるところ」「グループバスツアーの比率が高いところ」「北海道にあるところ」のいずれにも該当しません。

インバウンド需要をメインにしたビジネスがあっという間に破綻に追い込まれるような厳しい状況がある一方で、このサイトで主に取り上げているリゾート会員権というものは、今回のパンデミックに対して、意外にも底堅い業態であったということが言えるのかもしれません。

会員権ビジネスに対して懸念されるのは、むしろ、株式市場の暴落による富裕層の消費マインドの低下です。僕もかなりのヤラレを経験している最中ですが、くさらずに淡々と銘柄の入れ替えを行うなど、こういう時にしかできない資産のリバランスに取り組んでいます。星野さんと同じで「復活に向けて淡々とやるべきことをやる」という感じでしょうか。

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here