東京オフ会#7、12月12日に開催します

ご参加の募集は締め切りました

今日は勉強会の告知をしつつ、「リゾート会員権とは何か」という本質的な問題について考えます。resortboyが主宰する大人のための勉強会「KASAの会」では、東京での第7回目となるオフ会を、2020年12月12日(土)の午前中に開催します。場所はいつもどおり、港区内のJR駅より徒歩10分の会場で、ご参加は無料です。

前半は僕からのレクチャーを行って問題点や視点を明らかにし、後半はご参加の皆さんとの双方向的な対話によって、それらの話題についての理解を深めたいと考えています。

先着順10名のご参加を募集しますので、ご希望の方は以下のご参加方法をお読みの上、ご応募ください。人員は運営も含めて会場定員の半数以下としており、換気や消毒など常識的な感染予防対策を行います。しかし現在の感染状況を見ますと、東京都または港区より何らかの制限措置が発令されることも考えられ、その影響で中止となる可能性もあることをご了承ください。

resortboy’s定例勉強会オフ@TOKYO #7開催概要
・日時:2020年12月12日(土) 9時30分~11時30分
・会場:東京都港区(JR駅より徒歩10分):ご参加の方に別途ご案内します。
・費用:無料(カンパ歓迎)
・内容:「リゾート会員権とは何か」 (詳細は以下)

募集の流れ(ご注意事項)
ご参加いただくには、次のような3ステップで、お申し込みいただきます。
募集は締め切りました

ステップ1:参加をご希望の方は、このページのコメント欄にてご参加表明を行ってください(ニックネームとメールアドレスが必要です)。はじめての方もお気軽にどうぞ。もしも11人以上のご参加希望があった場合、キャンセル待ちとなる可能性があります。

ステップ2:ご参加表明の方には、詳細について別途ご通知します。通知はメールで行い、ご出席のための詳細情報は、出欠管理のため別システム(Peatix)にてご案内します(メール通知の中に利用案内があります)。こちらについてはまだ準備ができていないので、しばらくお待ちください。

ステップ3:内容をご確認の上、Peatixにログインし、参加登録を行った上で当日お越しください。このステップ3がないと正式参加になりません。

(ご注意事項)
・保健所の指導で来場者名簿の提出が義務付けられており、お名前とお電話番号を港区に開示します。
・今回ご参加の方には、お持ちのリゾート会員権について、簡単なトークをしていただきます。
・プライバシーに関する発表を伴う会ですので「オフレコ」とし、各種SNS投稿等は禁止とします。

なお、昨年のような忘年会的なものは、感染拡大防止に配慮して、KASAの会としては開催しません(有志で自発的に行うのはご自由にどうぞ)。

企画内容など
今回の僕のプレゼンテーションは、昨年来行ってきた一連の勉強会に一つの区切りを付けるものと考えており、僕の専門である「リゾート会員権」について、一通りまとまったレクチャーをしたいと思っています。

突然ですが、皆さんはどうしてリゾート会員権を買ったのですか? また、どうしてあんな高いものが売れているのか、考えたことがあるでしょうか。そして、どうしてあんなにすぐに二束三文になってしまうのでしょう。

僕が会員権をはじめて買った2004年と現在では、状況が違います。ここでは主に業界最大手のリゾートトラストの話をしていますが、同社のビジネスモデルはずっと進化して複雑になりました。だから、僕の昔の言説は今では通用しないし、またお使いの方も知識や考え方をアップデートする必要があるのではないかと思います。

言い換えれば、リゾート会員権を買った人は、おそらく自分も含めていつの間にか「何を買っているのか」がわからなくなっていると思います。そうした論点を一通り整理して提示し、来場の皆さんと対話してそれらについて検証していければと思っています。

パート1「歴史」
まずは歴史を振り返ることが重要です。当初のリゾート会員権は、別荘との対比から生まれたものでした。しかし、今はそうではありません。

エクシブはバブル期に生まれ育ち、その後はバブルの破綻物件を吸収しながら豪華化が進みます。その過程で世界中のさまざまなリゾートを模した傑作ホテルを次々と生み出していきます。

2000年代に入ると、メジャー温泉地の物件を「離宮」として開発し、いっそうの豪華さを極めます。別荘との対立軸から高級旅館・高級ホテルとの対立軸に価値観が完全に移行しました。

京都、箱根、有馬と傑作離宮を連発した一方で、都市型リゾートとして生まれたベイコート倶楽部がエクシブの上位互換会員権として販売されます。しかしベイコート倶楽部は構造的に稼働率が高まらないビジネスモデルでしたし、かつてのエクシブのような多様性は失われました。

いつしか会員は「オーナー」(エクシブ)から「メンバー」(ベイコート)と呼ばれるようになり、疑似別荘オーナーとしての立場から、「選ばれし者」としてのメンバーシップそのものに、販売側の価値観は移っていきました。

こうした歴史の流れを一通り振り返ります。

パート2「権利」
続いて、リゾート会員権というものの根本にある制度面を整理します。一言でいえば、リゾート会員権とは、ホテル運営会社がお客さんにホテルを分譲してもらう、という仕組みです。その分譲価格が適切なのか、いったい何にいくら支払っているのか。「権利」の源泉となっているものの経済価値について検討します。

そして、それによって行使できる経済的なメリットを見ていきます。昨今、裏付けとなる権利を必要としない利用形態が増え、会員権への投資価格の多寡と享受できる権利そのものとの相関性が失われている部分があります。稼働率が低くなればそうなるのは当然で、もともと稼働率が高まらない性格の商品を主力商品として販売していることには問題があります。

これらの検討を通じて、果たしてリゾート会員権を購入する経済的な意義があるのかを問い直します。

パート3「心理」
リゾート会員権を買う、ということは、突き詰めれば単なる遊びです。そこには人生観や哲学みたいなものもある一方で、見栄みたいなものも大きくあるようです。そこで勉強会らしく、心理学的な研究結果を紹介しながら、会員権を持つ「オーナー心理」というものが何なのかを検証します。

一例を上げれば「ヴェブレン効果」があります。これは、アメリカの経済学者ヴェブレンが著書の中で衒示的消費と呼んだもので、販売されている価格が高いほど需要が増すというものです。19世紀の有閑階級が「見せびらかすため」に高額商品を購入する現象を説明したものですが、現代のリゾート会員権はそれに当たるのでしょうか。

また「値段を伝えて同じワインを飲むと、高い値段であるほど美味しく感じる」という実験についても紹介します。人間というのは、高いお金を出すほど脳が活性化してポジティブな評価を下す生きもののようです。

思い出されるのは、数週間前、横浜に会員制と一般利用のハイブリッド形式のホテルが開業したことです。既報の通り、一般顧客の評判は散々で、そのホテル運営会社の会員である僕は、会員でない利用者の声と「オーナー心理」との乖離に当惑することになりました。エクシブやベイコートのお料理は美味しいと僕も思いますが、この機会に、認知バイアスの効果について、皆さんと検討したいと思います。

パート4「出口」
こうしたオーナー心理はとかく思考停止を引き起こすように思われます。時代は変わり、リゾート会員権に求められているものも変わり、運営会社の経営スタイルも変わっているのに、オーナー心理は認知バイアスのおかげで常に妙にポジティブです。

もしかしたら、そのポジティブさ、言い換えれば、何があってもホテルは自分の味方であり、よいサービスを続けるべきで、実際そうなっている、という思い込みが癒やしを生み、リゾート会員権の価値の源泉となっているのでしょうか?

他のところでも話しているように、多くの会員権は世代を超えられず、破綻する例が少なくありません。そしてオーナー心理はその破綻を容認するケースが大多数で、裁判などで権利を主張しても徒労に終わっているケースしか見当たりません。

(一例)日本サン・ランド権利者組合HP

この出口というテーマに答えは出せませんが、会員権が永遠でないことは明白ですから、その終わりを意識しておくことには価値があると考えます。それは「オーナー心理」の喪失のシミュレーションでもあります。


話が壮大になりすぎてちゃんとまとまるかはまったく自信がないのですが、来ていただいた皆さんとの対話の時間を多く取りたいと考えています。

今日のところは以上です。コメント欄は参加表明専用、っていうわけでもありませんから、このテーマに関してお気づきのことはどうぞ遠慮なく書き込んで共有してください。オフ会には行かないけど何か言いたい、という方も大歓迎です。

18 comments

  1. このご案内を心待ちにしておりました。
    今回も是非参加させていただきたいと思います。

    10月はGOTOトラベルを利用してほぼひと月間エクシブ以外のホテルを泊まり歩いていましたが、先週からは箱根、軽井沢、蓼科とエクシブに回帰しています。
    施設の素晴らしさ、食事の美味しさもありますが、何よりも顔見知りのスタッフの皆さんとの触れ合いがエクシブの最大の魅力だということを再認識している次第です。

    オフ会、楽しみにしております。

  2. 開催を心待ちにしておりました。
    完結編のようになりそうで、自分も含めて時代、世代の振り返りを楽しみたいと思います。

  3. magoaiさん、ザンギリさん、早速のご参加表明をありがとうございます。

    magoaiさんにご指摘いただいた「顔見知りのスタッフの皆さんとの触れ合い」という点についても、ぜひ話題にしたいと思います。

    残念ながら、僕の場合はこのような情報サイトを運営していることから、そのような楽しみが限定的です。中には僕のファンのスタッフの方もいらして、親しみを持って話しかけてくれる方もおられ、そういう方と話して楽しいということもあるのですが、ほとんどの場合はそうではないものでして。

    ホテル側が僕の滞在情報とサイトの掲載情報を照らし合わせて僕個人を特定し、さらにその情報がホテル側で共有されることとなってしまったのは残念です。個人情報の取り扱いに対する意識レベルの問題であり、UGCについての理解もなかったのですね。15年も前からやっているので、仕方ない部分もあるのかもしれません。

  4. resortboy様
    相変わらずの美しい写真と読みやすい文体に感心します。
    そしてまた、内容も、学術論文のようにレベルが高く、その一方で実用性もあり、本当に勉強になります。
    このオフ会も、とても有意義です。
    次回も参加させてください。

  5. 是非参加させてください。
    楽しみにしています!

  6. kommyさん、TKさん、ご参加表明をありがとうございます。また過分なお言葉をいただいて恐縮です。

    まぁ今回、一度区切り、と話しているわけですが、僕の中の大河ドラマでは以下のように12年ごとの区切りになっているんですね。あ、リゾートトラスト社の話です。

    1973年~  創業~サンメンバーズ期 「日本の成長とともに」
    1985年~  エクシブ創世記 「バブル景気とその崩壊」
    1997年~  エクシブ発展期 「バブル遺産を踏み台に飛躍」
    2009年~  離宮&ベイコート期 「誤算からの最高益」
    2021年~  ??

    2020年の横浜の開業と、2021年の発売が高山(予定)であるということは、まさにこの区切れを示しているような感じがします。カハラクラブを販売したのに誰も使えなかったというのも区切れのエピソードとしては時代感があります。

    好きなものを通じて社会を見て、それで世の中がより理解できるとしたら、それはとても有効な学習手段ですよね。というわけで、皆さんぜひ来てね。

  7. yumboさん、ご参加表明をありがとうございます。ちょっとPeatixの方で事件がありまして(関係の方にはメールでご案内しました)、登録サイトの準備ができておりません。また、感染拡大も気になるところでして…。

    今のところ、ご表明いただいたのはご参加実績のある方ばかりなので、適当なところで締め切って、「超ゆったり座席」でやろうかなぁなどとも考えていますが…。今回はディスカッションをしたいので、どうしようかなぁと。ともあれ、もう少し様子を見たいと思います。

  8. 参加させていただきたいと思います。
    よろしくお願いします。

  9. 坂井さん、ご参加表明をありがとうございます。

    他の方にもご案内です。ご存知かもしれませんが、Peatixの方に不具合がありまして、今回に関してはご参加の方も少ないですし、いまのところ、皆さん一度はお目にかかったことがある方々なので、直接メールにてご案内のメールを差し上げたいと思います。

    感染拡大が心配ですが、1週間前の12月5日の段階で見極め、今週末にご案内メールを差し上げますので、どうぞ週末に受信箱をご確認くださいませ。KASAの会にいらしている方は、いつもの場所でいつもの時間、ということです。

  10. はじめまして、エクシブ山中湖が温泉なのかどうかを調べておりましたら、
    こちらに辿り着きまして、オフ会のことを存じ上げました。
    会員権も持っておりませんが、当日予定していた旅行がキャンセルになりそうで、
    港区勤務ですので、定員に余裕がございましたら、参加させて頂けますと幸いです。
    ご検討よろしくお願いいたします。

  11. kikiさん、コメントありがとうございます。

    大変申し訳ないのですが、今日の段階で今回の会場のレイアウトをしているのですが、感染防止に適したレイアウトを取った場合に、座席をご用意することができなくなってしまいました。

    来年になりますが、次回のチャンスもあろうかと存じますので、どうぞまたよろしくお願いいたします。

  12. 昨日、会場の詳細などのご案内メールを担当者から送信しました。もし届いていないという方がいらっしゃいましたらばコメントにてご一報ください。

    まだまだ感染拡大が続いておりますので、当日はご自身のご判断でお越しください。ドタキャンOKです。

  13. 65才以上の基礎疾患持ちということで案内を遠慮されたのかも知れませんが(笑)メールは届いていないようです。
    いずれにせよいつもの時間にいつもの場所に参上したいと思いますのでよろしくお願いします。

  14. magoaiさん

    すいません少々手違いがあったようです。再度メール送信いたしましたのでご確認いただけますでしょうか?よろしくおねがいします。

  15. kasa support様

    メール拝受致しました。
    有難うございます。

  16. 参加して皆さんと再会し、勉強と情報交換をさせていただきたい思いながら、
    今に至っても静岡からは出かけられずにいます。
    KASAの会のご盛会を心よりご祈念申し上げます。

  17. takayouさん、コメントありがとうございました。12月開催の後は、いろいろあって来年の初夏まで開催できないと思うのですが、ぜひまたおいでください。勉強会の記事化がはかどっておりませんので、その間に少し追いつきたいと思っております。

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