(続)コロナ禍で勢い増す会員制ホテル販売

2021年11月10日にリゾートトラストが2022年3月期第2四半期の決算を発表しました。ぜひ、以下に紹介する第1四半期のときの記事も併せてお読みください。表題に「勢い増す」と書きましたが、その勢いは継続、もしくは加速しているように感じられます。

なにしろ、6月21日発売の新ブランド「サンクチュアリコート高山」は、9月末までの3カ月余りの期間で4割も売ってしまいました。開業予定は2024年3月ですから、開業前に(誰も実際の物件を見ずして)売り切れてしまうような勢いです。

(画像出典:リゾートトラスト決算説明会資料)

高山が従来の同社会員制ホテルと比較して小規模であることを考慮しても、この短期間にすでに205億も売ってしまったという事実に驚かされます。同ホテルの総事業費は約215億円と発表されていますから、このコロナ禍で世間が萎縮している中で、もうあらかた回収してしまったことになります。また、同社の支社は東京、横浜、名古屋、大阪と4つありますが、名古屋以外で61%も売っています。

決算発表を読み解く論点については、以下の過去記事に詳しいので、そちらをご覧いただくとして、前回の記事で取り上げた数字のアップデートを中心にご紹介します。

(関連記事)コロナ禍で勢い増す会員制ホテル販売 – resortboy’s blog – リゾートホテルとホテル会員制度の研究

まず、過去6年間の同社の上半期の会員権契約高の推移です。大幅な過去最高値を記録しており、ホテル会員権の契約高は5年前と比較して53%も伸びています。

(画像出典:リゾートトラスト決算説明会資料)

どのホテル会員権がどれだけ売れているのかというデータは上記の表の通りです。「スーパーエクシブ」として販売されてしまったベイコート倶楽部のホテル群の影で、売れ行きが芳しくなかったエクシブ六甲サンクチュアリ・ヴィラやエクシブ湯河原離宮も、再度順調に販売が進んでいます。

「他既存ホテル」も一昨年の倍のペースで売れています。エクシブ(及びベイコート倶楽部)という成熟した会員制ホテルチェーン全体が評価された結果であると思いますが、需要が戻りつつある今、離宮シリーズを中心とする人気のホテルの予約状況はますます厳しくなる(取りづらくなる)方向でもあります。

こちらは同社の販売口数に対する「新規率」のグラフです。ホテルそのものの魅力よりも、スーパーエクシブとしての交換力の魅力からアップグレード販売が多かったベイコート倶楽部の販売が終了したため、新規率が向上し、会員数(実数)の伸びも改善する方向となっています。

(画像出典:リゾートトラスト決算説明会資料)

ベイコート倶楽部の商品設定や運営方法に関しては歴史的に色々な問題があり、今後も継続して注視していかなければならないと思っています。同時に、新しいサンクチュアリコートの商品性、例えば定期借地であることや、カレンダーに交換に有利な赤の日が少ないこと(東京や横浜のベイコートと違ってスーパーエクシブ的な要素は消えました)などが、果たしてきちんと説明され理解されているのか、消費者保護的な視点からは気になるところです。

僕がこのサイトで皆さんの助けを借りて進めてきたリゾート会員権のビジネスモデルについての研究は、勉強会発足後の2年余りでかなり進んで、いろいろなことが客観的なデータで説明できるようになりました、次は、消費者保護的な視点からの研究を試みたいと考えているところです。

コロナ禍がかえって追い風となってこうした商品がとてもよく売れているのですが、そんなに簡単な商品ではありません。きちんと皆さん理解して、納得ずくで購入されているのかどうかは、調査研究の必要があると思っています。

最後に稼働状況です。エクシブの稼働率はもうコロナ前の水準に戻りました。新型コロナウイルスの感染状況がこれまでの最高値を記録していた第5波の最中、2021年8月においても、2019年と比較して8割の稼働を記録していましたし、直近の10月には2年前を上回りました。

(画像出典:リゾートトラスト決算説明会資料)

なお今回の決算発表を受けて、リゾートトラストの株価は急騰しました。今日(2021年11月11日)の終値は2,181円と、前日比プラス124円(プラス6.03%)で引けました。今回は、決算発表を前に先回りして株価が上がるような動きはありませんでした。

4 comments

  1. resortboyさんの記事 楽しく拝見させていただいています。
    今回初 コメントさせていただきます。
     毎年グアムや台湾に行くのが楽しみでしたが、コロナで行けなくなりました。
    飛行機やバスなどの密閉された空間が嫌で車移動で1泊2日や日帰りの旅行にシフトしました。
     そんなところに10年来ずっとお断りしていたエクシブの営業さんが高山を持ってきたのですが、
    個人事業主には不動産が付いていないのは逆に敬遠したくてまたもお断りしました。
    そうしたら京都八瀬離宮はいかが?
    根負け?海外にけない?で本年購入しました。
    でも購入してエクシブに行く機会が増えて、楽しんでます。

  2. かーくんさん
    と言うことは、京都八瀬離宮のオーナーになられたのですね。
    私も八瀬持ちなので、お仲間ですね。

    箱根離宮から部屋割りのシステムが変わってしまい
    なんとなく微妙な立ち位置になってしまった八瀬離宮ですが
    お得に他施設と交換できて使い勝手がいいと思っています

  3. りらっくま、大好きさん
    この6月 リゾートトラストから京都八瀬離宮を購入しました。
    子育てがおわり、そろそろ安穏とした暮らしがしたいなと考えています。
    八瀬離宮での過ごし方など教えてください。
    よろしくお願いいたします。

  4. かーくん、いらっしゃいませ。リラックマ 、大好きさん、コメントありがとうございます。実家の手じまいで必死でコメント返しできずに申し訳ありませんでした。

    八瀬離宮はまごうことなき傑作エクシブです。今後、リゾートトラストがどうなったとしても、時代を超えて生き残れる物件ではないかと思います。

    僕は昨年、八瀬離宮を拠点に比叡山観光をしましたよ。2022年の4月からは以下の特別展が京都に来るので、比叡山詣でとペアで楽しむなんてどうですかね。

    伝教大師1200年大遠忌記念 特別展「最澄と天台宗のすべて」

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