好調な決算だがピークも近いのでは?

今日は我らがリゾートトラストの平成19年3月期の決算発表日であった。発表は大引け後で、東証の適時開示に決算短信が掲載されたのは16時40分であった。それにも関わらず、株価はザラバ中からおかしな動きをしていた。

10時35分に2,350円と年初来安値(2,330円)に迫る水準まで売り込まれながら、その後、急騰し、大引け前の14時54分には2,455円を付け、結局2,450円で引けている。

5月15日の株価

以前にもあったことだが、リゾートトラストのIRには少々問題があって、今日も情報のコントロールがうまくいっていない部分があったのだろう。情報がリークして先回りの買いが入ったということだ。

これはいい決算なのだな、と思っていたら案の定、ちょっとしたポジティブサプライズがあった。

1株あたりの当期利益(連結)は予測の153.84円をやや上回る158.28円であり、そして翌平成20年3月期の予測は四季報予測の157.83円を上回る166.37円と発表された。

さらに驚きをもって迎えられたのは増配である。平成19年3月の後期は25円と増配し、来年は通年で50円となることが発表された。4月1日に1.2倍の株式分割をしているから、これまで年間40円だった配当が、分割を考慮に入れると一気に1.5倍の60円になることになる。

リゾートトラストの株価はこの1年低迷しており、ここのところ最安値圏にある。会社予測をもとにPERを18倍で計算してみると論理株価は2,994円となる。一般的な話をすれば、現在の2,450円というのはまだまだ上昇余地があるように思える。

ここ1年の株価

しかし実際のところはどうなのだろうか。決算発表会の資料から、今後の予定をレビューしてみよう。

今後の計画
(画像はクリックで拡大します)

今期はほぼ予想通りの業績であったが、内容を見ると、今ひとつ振るわない東京ベイコート倶楽部(販売開始から丸2年を経た3月末で、24.5%しか売れていない)の穴を、予算比の倍額の売り上げと絶好調のエクシブ箱根と、すでに7割まで売り切っているエクシブ京都の好調さが埋めた、という構図になっている。

考えてみれば、19年3月期は、ベイコート、エクシブ京都、エクシブ箱根と、これ以上ないほどの「クリーンナップトリオ」とでも言えそうなラインナップを販売していたわけで、これで不調であるわけがない、という面があるのである。東京と、日本を代表するリゾート2個所の会員権を売っていたのだから。

さらに今期、20年3月期は、上記のようにさらなる好調が見込まれているが、これらのクリーンナップが販売継続されるのに加えて、「エクシブ関西」と「サンクチュアリヴィラ4号」が期中に販売開始される見通しとなっている。

これほどリゾートトラストがいい商材を揃えた時代はかつてなかったように思う。好調な決算はオーナーとして、株主として大変結構なことだが、どこか今がピーク、という風情がないだろうか。京都や箱根を売り切った後、それに匹敵するような魅力的なホテルを、どこにどうやって作るというのか。

そんな風に考えて、僕は好調な決算指標を前にしながらも、リゾートトラストの株を買い増すことができないでいる。

2 comments

  1. Resortboyさん、こんばんわ
    まだ本項目書きかけのの15日深夜に書き込みをしています。
    本日の決算報告、RT社の会員権オーナーとして、また一株主として興味深く見ていました。
    経営の知識は皆無でありますが、今回の発表には、RT社が今まさに将来の顧客を探っている状態なのだなと感じました。
    収益の柱は既存のエクシブなどの会員権販売に置きながらも、投資の方向は今までのリゾートの位置付けとは異なった都市型リゾート(ベイコートシリーズ)やメディカル事業に向かうのは、まちがいなく攻撃型の経営であると思います。
    新しい顧客を取り込むことは、企業の拡張という姿勢からは評価できますが、忘れてはいけないことは、従来の顧客(我々、郊外リゾートを欲する者達)が離れていかないようにする、きめ細かな目配りであると思います。

    ちなみに、私個人的にはベイコートは、今ひとつ興味が持てません。郊外型リゾート(私は家族や三世代のリゾートとして考えています)は少なくとも今の段階ではエクシブに勝る選択肢が多数あるとは思えませんが、都会のホテルライフには、ベイコートのライバルとなる超一流ホテルが、東京や横浜に(神戸や大阪にも)沢山あるように思えるからです。
    また、離宮シリーズも(まだ一度も宿泊がかなっていませんが)コンセプトとして、ファミリー排除の方向に向かいつつあるような感触で、積極的には支持できないように思えます・・・。

    株主としては、RT社の将来(と株価)に期待を持ちつつ、エクシブオーナーとしては、「エクシブを忘れて行かないでね」という気持ちで複雑です。

    ところで、私はもともとRT社の株を500株持っていて、昨年は50%優待割引券をもらったのですが、4月1日の分割で600株になって、今後に100株分を妻の名義に書き換えれば、来年は50%優待券と30%優待券が一枚づつもらえるようになるのでしょうか・・・??(あいかわらずセコイ悩みですが、私の見た今日のプレス発表では、今後の株主優待の話まったく不明なのであります)

  2. フタゴザウルスさん、こんにちは。まったく同感ですね。僕はこの記事のタイトルに「ピークが近い」と書いたわけですが、それは「株価のピークが近い」という意味ではなくて(本文では株価は上がるよ、と示唆しているわけで)、リゾートトラストという会社としてのピークがなんとなく感じられる、ということです。

    それはフタゴザウルスさんの言葉を借りれば「まさに将来の顧客を探っている状態」ということです。僕も同様に、そうしたリゾートトラストの変節には少なからず違和感を感じているので、ややネガティブなトーンで記事をまとめるに至っているわけですが、それなりの資産をリゾートトラストに託している立場としては会社が傾くことを望んでいるわけもなく、心境はまさしく複雑です。

    ところで、株主優待の件はおっしゃるとおりだと思いますよ。だいこう証券ビジネスで手続きしてもらうのかな。僕なら面倒なので市場で取引してしまいますが。

    今日の株価は昨日より100円高くらいで推移しています。昨日の安値からは8%くらい上がりました。ホルダーの方はおめでとうございます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

😂 😍 🤣 😊 🙏 💕 😭 😘 👍 😅 👏 😁 🔥 💔 💖 😢 🤔 😆 🙄 💪 😉 👌 😔 😎 😇 🎉 😱 🌸 😋 💯 🙈 😒 🤭 👊 😊