ウイズコロナで失われるエクシブのルーティーン

ウイズコロナ初年度の2020年の夏休みに利用したエクシブ山中湖での体験をもとに、エクシブ利用の新常識について考える第2回目です。前回は、朝食レストランでの様子を細かく説明しました。その部分は残念な対応となっていましたが、それ以外においては、概ね予想した通りの快適な滞在となりました。

レストランの感染防止意識が低いのは順次改善されると思いますから、ハードとしての作りに余裕があるエクシブの優位性にゆるぎはないと感じています。

しかし、サービス面は今までと同じように維持はされません。ウイズコロナの時代には、感染拡大防止を錦の御旗として、ホテル側は施設の営業時間を大胆に短縮しています。ですから、会員としてホテルライフに親しんでいる我々は、利用者側としてそのコスト削減策を受け入れて、ウイズコロナ時代の新しい滞在ルーティーンを作っていかなければなりません。

それを受け入れられなければ、リゾート会員権を持っている意味はぐっと薄れるでしょう。以下、イメージしやすいように、滞在スタイルの事例を挙げてみます。

エクシブはホテルそのものが目的地となるディスティネーション志向が強いホテルですから、例えば、このような滞在スタイルの方が多いと思います。

チェックイン時間より少し前に到着するようにして、できれば15時にはお部屋に入り、しばらくお部屋でのんびり過ごします。

そしてプールを訪れ、遅めの夕食までは腹ごなしの運動タイム。プールが嫌いな人は温泉で汗を流します。

夕食は20時からの後半回。空腹を最高の調味料として、楽しいひとときを過ごします。

食事の後は、ラウンジで生ピアノを聴きながら、これぞエクシブといった、優雅な時間を。

最後は温泉に行って1日を締めくくり、ミニバーの酎ハイでナイトキャップを楽しむ。

一例ですが、このようなルーティンが板に付いているという方は、けっこう多いのではないでしょうか。

でも、今はこのような過ごし方はできなくなりました。チェックインから順に、コロナ対策を視点として見ていきましょう。

ホテルの車寄せからエントランスを入るところで、検温と手指の消毒があります。僕はそれほど混まない時間にホテルに到着したので、スムーズに入館することができました。

Photo by resortboy

ホテルに入ると、ホール中央の花台は取り払われており、代わりにシールドの付いたデスクが新設されていました。

Photo by resortboy

僕はこのホテルに慣れているので、ここでスタッフに声をかけて何かをすることはありませんでしたが、人の流れがスムーズになるように、ここでは色々なコントロールを行っているのだと思います。

チェックインは、一般レセプションのあるこのソファーのところで行いました。従来のエクシブ山中湖では、ラウンジに案内されて、そこでウェルカムドリンクを飲みながらのチェックイン対応となるのですが、ウェルカムドリンクは廃止されていました。また、お部屋でのチェックインの案内もありませんでした。

Photo by resortboy

オーナーとわかっていないのかな、と一瞬思いましたが、館内専用オーナーカードは出ましたので、これはコロナ対策の接触回避の一環としてのサービス削減であると理解しました。

なおチェックアウトは、いつものオーナーレセプションで行いました。飛沫防止のシールドが備え付けられていて、不安はありません。

Photo by resortboy

スマートチェックアウトと言って、クレジットカードやポイントカードの会員番号などを紙に記載して提出することで、チェックアウトを事前にリクエストすることも可能です(オンラインではなく、紙というのがエクシブらしいです)。しかし、それではビンゴカードにスタンプを押してもらうことができませんので、慣れた方ほど結局はレセプションでの有人対応になるのではないでしょうか。

お部屋については、皆さんご承知の通りなので省略しますが、変化を感じた点についていくつか紹介します。

Photo by resortboy

冷蔵庫は空になっており、お部屋のミニバーは廃止です。これは現在のホテルとして、標準的な対応です。アメニティーは固形石鹸が廃止されていました。これについては理由がよくわかりませんが、プッシュ式のハンドソープはありますし、バスルームにはボディウォッシュもありますから、困ることはないように思います。お茶パックや部屋菓子などは以前のままでした。

次に、施設営業の削減について触れます。

びっくりしたのは、エクシブ山中湖の4号館がクローズ状態であったことです。

Photo by resortboy

朝にエクシブのお庭を散歩して、4号館の脇から館内に入ってみると、このように真っ暗なのです。施錠はされておらず、廊下も使えるのですが(別に侵入したわけではないのですよ)、このように連絡通路の端には、進入禁止を示すロープが張られていました。

Photo by resortboy

各施設の営業時間はどこも短縮傾向にありますが、一番困ったのはショップです。エクシブ山中湖のショップは結構充実していて、ポーチなどのちょっとしたグッズを買う楽しみがあります。もちろんお土産の調達場所としても便利です。

Photo by resortboy

しかし12時にチェックアウトすると、もうクローズしているのです。夜は8時に閉まってしまいますから、レストランで食事をすると終わっています。お土産を買って帰る方も多いと思うので、ここは注意が必要です。

テルメサハラのプールの営業も大きく変わっています。夏休み期間中は、1予約につき1日1回の予約制となっています。つまり、行きたい時にふらっと行っても、入場することができない可能性があります。

Photo by resortboy

ですから、フレキシブルなプール利用をしたいと思ったら、2部屋だったら2予約に分けておき、プール入場の枠を別々に確保しておくなどの工夫が必要になってくると思います。

ところで、今回気づいたことですが、テルメサハラはプール内が撮影禁止になっていました。ご家族連れの楽しい思い出を記録できないのは、プライバシー重視の時代の変化もありますが、少しなんとかならないかなぁと感じます。なお、この写真は営業時間外にお庭からガラス越しに撮影したものです。

次にラウンジについてです。こちらは8月1日の土曜日に撮影したものですが、20時半にラストオーダーと掲示されていました(ホームページを見ると、実際には土曜日は21時半がラストオーダーであったようです)。

Photo by resortboy

夏休みでも平日はラウンジが21時に閉まってしまいますから、後半回のお食事をとってラウンジに行くと、もう終わっているということになります。なお、ピアノの演奏は廃止になっていますが、ここではオルゴール演奏が定期的に行われています。

最後に温泉について。山中湖には通常の意味での大浴場はありませんが、予約制で利用できる露天風呂があります。以前は温泉だったので入湯税がかかりましたが、今は温泉ではないので、1回500円(税別)で利用でき、利用しやすくなった面があります。

従来は23時までの営業でしたから、食事の後にラウンジでお茶をして、その後に予約しておいた露天風呂に行くということが可能でした。しかし、こちらも今は21時で閉まってしまいます。

また午前中に関しては10時で終わってしまいます(これは従来から10時でしたが、昔はもっと長かったような)。ですから、朝食の前や後に行くのはかなり慌ただしい感じです。利用するとすると、朝一番の7時というのが有力ですが、逆に言うと、予約をあらかじめ取らないと利用できないでしょう。

このように、これまでのエクシブ利用のルーティンが通用しない状況になっているのが現状です。繁忙期の夏休みでも、今は平日だと21時に全ての施設がクローズしてしまいます。このままだと、エクシブの楽しみのひとつであったナイトライフがなくなってしまいます。

21時以降はお部屋で映画を見るとか、新しいルーティーンをそれぞれが考案して時間を過ごさなければなりません(この話題については稿を改めて何か書きたいと思います)。

エクシブは、それ自体が旅の目的であるディスティネーション志向の総合ホテルでした。しかしコロナ禍の中で人件費を削減するために、各種施設の営業時間がカットされました。都会にあるホテルと違って、街に出る楽しみはありません。ちょっと間が持たないな、という印象を強く持った滞在でした。

3 comments

  1. resortboyさん

    こちらにも書かせて頂きますね。実は我が家のエクシブ&ベイコート利用は、まさに従来からウィズコロナ時代のルーティンそのものでしたので、殆ど何も変更せず利用できています。敢えて心掛けているのは、ワクチン接種が行き渡るまで同居の家族としか行かないこと、緊急のトイレ以外SAすら立ち寄らず、できるかぎり直行直帰できる施設に限っていることぐらいでしょうか (^^;

    仰る通り施設滞在を主目的に利用し続けてきましたが、いまのところ特に困ることはなさそうです。これまでも早めにチェックインして私はスパタイム、その間に家族はショップ覗き。早い組でのんびり夕食を楽しんだ後は、自室やスパ&エステで各自マッタリタイムでしたので、現在の営業時間制限も殆ど影響ないんです。ラウンジも従来通り、到着直後と出発前の利用が出来れば良しとしてます。

    むしろ朝食をバスローブのまま自室で頂けるようになったり、昼食も施設内で済ませるようになって、これまでより更に施設の居心地を満喫しているぐらいです。ウィズコロナのために頑張ってグレードアップを重ねてきたのかと思うほど、エクシブやベイコートの広い部屋を有効に使えるのが有り難く、この時代もう他のホテルや旅館には行く気が全くしないほど存分に楽しめております。

  2. benさん、コメントありがとうございます。利用のスタイルは人それぞれですね。他の方のルーティーンも伺ってみたいです。今回は山中湖を例に取りましたが、オールドエクシブでない、離宮やベイコートなどではまた事情も違うでしょうね。

    というわけで、Go Toな感じの皆さんのコメントを、気長にお待ちしております。

  3. エクシブでのルーティンは、

    ①早めの夕食をいただき( 17時30分の部) 、
    ②その後 ゆっくりと 大浴場で 入浴しながら寛ぎ ( なお、 この逆の大浴場→食事の順ですと、夕方の女湯はかなり混み合うことが多く ゆっくりできないことが多いんです。)、
    ③そして 大浴場からの 帰りに ラウンジに寄り オーナーカードで飲み物をいただきながら、ピアノの生演奏をゆったりと聴かせていただいておりました(*^^*)。

    雰囲気の良いラウンジで 生演奏を聴いていると・・・都心のホテルでは 到底、お風呂上がりにこんな優雅なことをできるはずがなく(笑)・・・やっぱり、エクシブに毎年、高い年会費を払っている意味があるんだなぁ〜と(笑)と思えました( ´ ▽ ` )ノ。

    ただ、今回のエクシブ伊豆高原では、ラウンジが20時にクロウズしてしまっており、大浴場の後の 大切な寛ぎ時間は、ラウンジで持てませんでした。

    ラウンジでピアノの生演奏を聴くことが、ルーティンになっていましたので、ショックでしたね〜

    ラウンジでピアノの生演奏を聴ける幸せが、また1日も早く 実現すると良いですねーーー❣️

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