1042-Sと確定申告

今日は3月15日、確定申告の最終日です。皆さん、いかがお過ごしですか?

僕は給与所得者なのですが、ハワイとか海外に口座を持っている関係で、その所得を申告しなければならず(まぁ親の介護の費用とかもあるので)、例年、確定申告をしています。それで、今年はちょっとした進歩があったので、メモを共有します。

米国の金融機関で配当などを得る場合、現地で税金が源泉徴収されます。これはあくまで米国の源泉徴収で、日本の源泉徴収とは違います。ですから、申告不要の選択はなく、必ず申告をしなければならないんです(給与所得者が年末調整をしていれば20万円までは申告不要ですが)。非居住者は「W-8BEN」という書類を提出しておくのが普通で、この書類を出しておくと、米国での源泉徴収が海外居住者としての軽減税率である、10%になります。

海外口座での配当は、たとえNASDAQ上場の株式だとしても日本税制上は非上場株式の配当となるので、総合課税で申告しなければなりません。申告分離課税でもOKという人もいますが、そもそも非上場株式としてでないと国税庁のシステムでは入力ができないです。また、以下も参考になります。

(参考)『上場株も未公開株の扱い』海外口座の税金 その1 – バリュー投資家『鎌倉見物』の米国株投資

こんか感じで細かなことを言うと本当にいろいろあるんですが、ここで書きたいのは「1042-S」という書類のことです。こんな書類です。

(参考画像)1042-S – Google 検索

これは、日本の金融機関が年次で支払通知書を送ってくるのと同様に、米国の金融機関が送ってくる支払通知書のようなもので、そこに年間の収入と源泉徴収額が集計されて記載されています。

で、海外(この記事においては米国)で源泉徴収された税金は、「外国税額控除」という制度を利用して、全部じゃありませんが還付してもらうことができます。確定申告をするのはこの還付が目的ではなく、あくまで申告をしなければ脱税になってしまうからで、正直、面倒くさいばっかりなんですが、ともあれ、外国でいくら税金を収めているのかを証明しなければなりません。給与所得の源泉徴収票を添付するのと同じことですね。

ところがこの1042-Sという書類、普通は郵送されてくるのですが、日本の確定申告の締切に間に合わないのです。だからこれまでは、仕方なく金融機関のステートメントそのものを証ひょうとするほかありませんでした。

ところが今年は、電子交付(要するにダウンロード)でこの書類を発行できることがわかったので、ステートメントから集計する手間がなくなりました。ただし、僕の使っている口座では、なんとダウンロードできるようになったのが今日(3月15日)でした。やれやれ。あと数日早くしてくれないかな…。

というわけで、相変わらず、細かすぎて誰にも伝わらない話を書いておりますが、まぁ誰かの役に立つでしょう。あんまりこういう話を聞かないので。

2件のコメント

  1. miko

    はじめまして。
    ご投稿の内容 本当に参考になりました。
    米国の金融機関より W-8BEN を提出すると TAX Return 1099 は発行されないと言われました。また 1042-S について 日米の租税条約による 10%になるのか、それとも 他国で租税条約を結んでいない国と同様に 30%かと聞いても はっきりとした返信を得られず ストレスがたまるばかりでした。10%ということがわかり 安心いたしました。
    なお 1042-Sは 各金融機関 銀行等が 1099 と同じように発行するという認識でよろしいでしょうか? なお 今年も 3月15日まで 発行されなかったでしょうか? 今年はコロナ禍のせいで 確定申告期限が延長されておりますが 来年はどうなるかわかりません。いつ 1042-Sが 見れるか教えて頂けると とても助かります。

    1. mikoさん、コメントありがとうございます。こんな場末のサイトによくいらっしゃいました。

      2020年と2021年の1042-S発行日を調べてみましたら、昨年は3月4日(現地時間)で、今年はなんと3月16日でした。コロナの非常事態だから今年も大丈夫でしたが、来年は不安です(苦笑)。

      1099のことは不勉強で知らないのですが、私はW-8BENを出しているので年次の税務資料で発行されているのは1042-Sだけです。

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