健康長寿に向け、筋肉と血管を鍛えよ! – 2
本連載は「旅を通して転移がんを克服した全記録」です。(編集担当:resortboy)
「突然、胸が締め付けられるような痛みに襲われる」
怖いですね。中高年に時々襲ってくる「狭心症」です。この時、適切に処置すれば問題ありませんが、その痛みが心筋梗塞からだと本当にヤバいですね。心臓の筋肉が壊死(えし)して「突然死」が待っています。
狭心症とニトログリセリン
狭心症は「可逆的」で元の状態に戻すことができますが、心筋梗塞は「不可逆的」で、二度と元には戻りません。狭心症と心筋梗塞との間には深くて暗い「三途の川」があるようです。
私は50代前半の頃、時々ですが、夜中に胸が痛くなったことがありました。胸が締め付けられるような感覚も体験し、このまま死ぬのか?と、もの凄く不安になりました。今から思い返すと仕事に忙殺されていた時期です。
不整脈はいつものことで、ハートクリニックで24時間心電図をとってもらったことも何度もあります。その都度、特に異常なしでした。でも、いまだに心臓がちょっと変で、心臓に不安を抱えています。70代に突入した私にとって狭心症と心筋梗塞は他人事ではありません。そして一番怖いです。
狭心症とは、「心筋(心臓を構成する筋肉)に血液を行き渡らせる“冠動脈”が狭くなることにより、一時的に心筋が酸素不足に陥って胸の痛みや圧迫感を引き起こす病気のことです。」(狭心症について | メディカルノート)
狭心症の症状が出た時、速やかにニトログリセリン(商品名:ニトロペン舌下錠)を服用します。ニトログリセリンは体内で代謝され一酸化窒素(NO)が生成されます。
このNOは血管を広げる作用があるので、直ちに心臓の冠動脈が拡張します。血流量が増え、心臓に酸素を補給して狭心症による胸痛などの症状が改善されます。狭心症患者の中には、このニトロペンをこのような小さなカプセルに入れていつも持ち歩いている人が少なくないと言います。
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この薬は舌の下に入れて自然に溶かして服用します。舌の粘膜からすばやく吸収され、数分で効果を発揮します。ただし、効果は一時的で狭心症の原因そのものを治す薬ではありません。
ここで、興味深いこぼれ話です。爆薬が命を救う薬になったのです。
スウェーデンのアルフレッド・ノーベル(1833~1896年)はダイナマイトの開発で巨万の富を得ました。ダイナマイトの原料はニトログリセリンです。
不思議なことに、ダイナマイトの生産現場で作業員に胸の痛み(狭心症)が発生した時、爆薬の原料であるニトログリセリンを処方すると胸の痛みが治まった、という事例が続出しました。ここから心臓疾患に効果のある薬としてニトログリセリンが注目されたのです。
奇遇にもノーベル自身も時々狭心症による胸の激しい痛みに襲われ、経口薬「ニトログリセリン」で治したそうです。もう100年以上前のことです。
では、なぜ、この薬が狭心症の特効薬になるのか?
「ニトログリセリンは体内で代謝されて一酸化窒素(NO)になり、このNOは血管を拡張させ、狭心症の症状が治まる」これは世紀の大発見です。
(続く)
【前回】第2-19回・健康長寿に向け、筋肉と血管を鍛えよ! – 1
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