
半日断食とオートファジーの見事な融合 – 3
本連載は「旅を通して転移がんを克服した全記録」です。(編集担当:resortboy)
ステータスの利用で無料でいただける豪華な食事を「朝食抜き半日断食」のために食べないのは、いかにももったいないです。では、半日断食をやめて朝食ビュッフェをいただく? 1泊や2泊の旅行ならそれでいいですが、1カ月近くホテルに滞在するとなると、健康管理が崩れてしまいます。
ここに突然、救世主のように登場したのがシーガイアのブランチです。ガーデンビュッフェ「パインテラス」では、2022年の春から朝食時間が延びて「ブランチ」になりました。
救世主、シーガイアの「ブランチ営業」
営業時間は早朝の6時からお昼過ぎの午後1時30分まで(ラストオーダー午後1時)、切れ目なく続いています。この時間帯であれば、いつ入店してもいいのです。
つまり、「朝食でも昼食でもいいですよ、お好きな時間においでください」という粋なはからいです。
この朝食時間のブランチ変更によって、私の「朝食抜き半日断食」がシーガイアで完璧に継続できるようになりました。これは私にとって非常に大きなメリットで、ホテル暮らし(シーガイア30連泊)の最大の決め手になりました。
一方で、マリオットの上級会員がこれまで利用できたクラブラウンジでの朝食は不可になり、ラウンジ入室は午前10時からになりました。朝のラウンジでコーヒーを飲むのが好きだったので、これは残念ですが仕方ありません。
食事を美味しくいただくコツは食べないこと
シーガイアでも、自宅と同じように過ごします。
私はいつも夜10時過ぎにはベッドに入り、朝5時には起床します。午前中は何も食べずコーヒーだけで過ごし、お昼の12時近くになってやっと食事です。前日の夜8時頃に夕食をとっているので、16時間くらい絶食したことになります。
イスラム教徒はラマダンの時期に日の出から日の入りまで絶食しますが、私は半日断食を実行してみて、少しだけムスリムの気持ちが分かってきました。
空腹もある程度の時間が経つと、「心地よい空腹感」に満たされ、予想したほど苦しくないのです。ただし、慣れるまで大変ですが…、そして、断食明けの食事は涙が出るくらい美味しいのです。
私は、パインテラスのお気に入りの席に1人で座って、まずは、青菜ジュースを一口飲みます。しかも、噛みしめるように。
次に甘いフルーツを少しだけいただきます。これもゆっくり味わい、口の中に甘さが広がっていきます。
そしてドレッシングなしの野菜サラダをハムやチーズと一緒に食べます。野菜の素材の美味しさがわかります。
ふと気が付くと新聞やスマホを見ずに、食べることに集中している自分がいました。
16時間の絶食で一時的に飢餓状態になった私の体は、動物にとっての本源的な喜びである「食べること」に集中しているのでしょう。もったいなくて新聞やスマホなど見ておれません。
食事を美味しくいただくコツは「食べない」ことでした。
断食のことを英語でファスティング(fasting)と言いますが、ingをとったfastの意味を調べると面白いですね。
普通にfastと言えば、「早い、早く」という意味ですが、fastには動詞としての使い方もあり、「断食する、絶食する」という意味があります。
人間は、夜の就寝中は何も食べていませんから一時的に断食しています。そして、朝になって朝食を食べます。この朝食を英語でbreakfastと言いますが、breakは「破る」、fastは「断食する」です。
breakfastの語源は「断食状態を破る」ことだったのですね。
このようにして、私はお昼に、breakfastをいただくようになりました。
(続く)
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