私のコレステロール物語 – 2
本連載は「旅を通して転移がんを克服した全記録」です。(編集担当:resortboy)
私は2005年3月に早期退職し、念願の自由の身になりました。しかし退職の翌年、「甲状腺がん」が見つかり、1回目の手術(2006年:54歳)をしました。さらに2年後、がんが首のリンパ節に転移していることが判明し、2回目の手術(2008年:56歳)を受けました。天国から地獄への転落です。
ゲルソン療法の問題点
ここから私のコレステロール物語、第2ステージがはじまります。
本連載シーズン1で詳しく記したように、私はがんのリンパ節転移に衝撃を受け、2回目のがん手術の後、がんセンターと縁を切り、「がん難民」になりました。
その後、「福田-安保理論」を知り、私のがんの原因が「交感神経優位の長年の生活によるリンパ球激減にある」と確信し、地元の心療内科に通院して無血刺絡治療(針治療)と血液検査をしました。
心療内科には月1回以上通院しましたが、同時に、血液検査も年間5回から11回も行っています。今回はその時の膨大な検査結果を引っ張り出してきて、1年ごとに各項目の平均値を算出しました。上記の表の左端の回数は、年間の血液検査回数です。
血液検査の結果は受診時の食事や体調によって変動します。しかし、上記の数字は1年間の平均値なので、かなりの信頼性があると思います。ただし、糖質制限を開始した1カ月後の2014年11月の検査結果だけは、単独で示してあります。糖質制限によって劇的な効果が現れたからです。
動脈硬化リスク(L/H比)
ところで、コレステロールや脂質異常症についてはさまざまな議論がありますが、最近は「LH比(L/H)」が重視されるようになりました。LH比とは、「LDLコレステロール÷HDLコレステロールの比率」のことです。
LDLは、肝臓で作られたコレステロールを全身へ運ぶ役割をしており、増え過ぎると動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞の発症につながるとされています。そのため「悪玉コレステロール」と呼ばれています。
一方のHDLは、全身の余分なコレステロールを回収して動脈硬化を抑える役割があり、「善玉コレステロール」と言われています。
全身に運搬するLDLが多くても、ゴミ回収車のHDLが多ければ、血液はきれい。つまり、LDL÷HDL(LH比)が小さければいい、というイメージです。
医療機器メーカーのオムロンのサイトでは、血液のきれいさを以下のように、LH比基準で記しています。この基準値をビジュアル的に分かりやすくするために以下のように色分けしました(表は上記の再掲)。
・1.5以下(白)…きれいで健康な状態
・2.0以上(黄色)…コレステロールの蓄積が増えて動脈硬化が疑われる
・2.5以上(赤)…血栓ができている可能性あり、心筋梗塞のリスクあり
・3.0以上(★灰色)…動脈硬化が進んだ「かなり危険」な領域
(参考)「LH比」を目安にコレステロールを見直す|オムロン ヘルスケア
LH比で見れば、ゲルソン療法を継続していた後半(2011年~2014年)が最悪になりました。LH比が3を超え、オムロンの基準では、動脈硬化が進んだ、「かなり危険」な領域に突入しました。
この理由は明らかで、LDLは高値安定(140~150)でしたが、HDLが70前後から40台後半に低下してしまったからです。
ゲルソン療法は、ニンジン・リンゴジュースを基本として玄米菜食を推奨する「糖質過多」の食生活でした。結果的にこの食事で、私の善玉コレステロールHDLが激減してしまったのです。
(続く)
【前回】第2-36回・私のコレステロール物語 – 1
本連載が単行本(紙の書籍)として刊行されました
(本連載記事一覧)がん患者よ、旅に出よう!
(スペシャル対談)私のリゾートライフの全体マップ
(筆者ホームページ)舟橋栄二「第二の人生を豊かに」