
私の余命はあと何年? – 1
本連載は「旅を通して転移がんを克服した全記録」です。(編集担当:resortboy)
20代の前半だったと思います。私はある映画を見て、涙が止まりませんでした。黒澤明監督の「生きる」です。奇しくも、私が生まれた1952年に公開されたモノクロ映画です。
映画「生きる」
無為に日々を過ごしていた市役所の課長が胃がんになり、余命わずかになってしまいました。彼は残りわずかな人生の「生きる」意味を市民公園の整備に見出し、心血を注ぎます。
志村喬さん演ずる主人公は、死を目前にして公園のブランコに乗って、寂しそうにある歌を口ずさんでいました。「ゴンドラの歌」です。
作詩:吉井勇、作曲:中山晋平、1915年(大正4年)
ゴンドラの唄
いのち短し 恋せよ乙女
紅き(あかき)唇 あせぬ間に
熱き血潮の 冷(ひ)えぬ間に
明日の月日は ないものを
私は涙が止まりませんでした。
寂しく1人でブランコに乗っている志村さんは、見るからに老人でした。一方の私は、まだ20歳そこそこの夢多き青年でした。「死」など無縁で考えたこともなく、彼と私はまったく違う世界に生きていたのです。
あれから、あっという間に50年も経過してしまい、今、私は71歳の「老人」になってしまいました。この時の流れの速さが信じられません。
本当に「いのち短し 恋せよ乙女」です。志村さんの寂しさが、少し、わかりかけてきました。
参考:黒澤明監督の映画「生きる」が、イギリスを舞台にリメイクされました。
私の余命は本当のところ、どれくらいなのでしょうか? そんなこと、神か仏にしか分かるはずがありません。でも、今の日本の人口と介護状況を見れば大雑把な予想がつきます。
そこで、ちょっと面倒でしたが、日本の年代別人口に占める総人口と要支援・要介護認定者の割合を調べてみることにしました。
(続く)
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(本連載記事一覧)がん患者よ、旅に出よう!
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