長寿遺伝子を起動する私の「野猿メソッド」 – 4

「がん患者よ、旅に出よう!」は、トラベルライターの舟橋栄二さんによる連載です。早期退職でリゾートライフを満喫する日々の裏には、2度の手術を含めた「がん」との闘いがありました。「旅は生きる喜び。その喜びをがんに奪われたくない」
本連載は「旅を通して転移がんを克服した全記録」です。(編集担当:resortboy)

ピンピンコロリを現実のものとするための理論として、「カロリー制限、絶食、運動」の組み合わせにたどり着きました。これらの理論を学んでから私は、空腹で運動することに、がぜんやる気が出てきました。そしてついに、野生の猿のごとく、森を駆け巡るようになりました。題して「野猿メソッド」です。

腹ペコ野猿、森を駆けまわる!

私の通っているスポーツクラブは毎週金曜日が休みです。そこで金曜日は、自分の空腹を忘れさせるために、「朝食抜き」で登山をすることにしました。

でも、空腹での本格的な登山は未体験ゾーンで危険なので、2~3時間程度のハイキングにしました。幸い、自宅から車で30分も走ると「東海自然歩道」があり、ハイキングに最適です。

5月、山々は一斉に若葉が萌え出し、小鳥が盛んに鳴きます。私は若い時は山男だったので、山に入ると嬉しくなります。誰もいない森の中を空腹のまま歩いていると、今まで味わったことのない不思議な感覚になりました。

五感が研ぎ澄まされ、どんどん意欲が沸いてくるのです。知らないうちに小走りになっています。まるで、腹を空かせた野猿が、獲物を求めて森を駆け回る感じなのです。頭は冴え、体は鋭敏に動きます

ここでも新しい発見がありました。

「登山中に腹が減って動けなくなってはいけないので、パン・あめなどの炭水化物・糖分をしっかり摂る」

今まで私の中にあった常識が崩れていきました。腹が減って動けない、などという心配は無用でした。

このことは、野生動物の生態を想像すると理解できますね。野生動物が朝起きて冷蔵庫から何か食べ物を持ってきて朝食にありつく、などということは考えられません。

野生動物は腹ペコのまま森を駆け巡り、何とかして獲物を捕ろうとします。この時、動きや判断力が鈍くなって獲物が捕れなかったら終わりです。飢え死にしてしまいます。

野生動物の生態として、糖質が枯渇しても、非常時には蓄えた脂肪を使ってケトン体が産生され、活動が継続するのでしょう。この時、脂肪からNAMPTが分泌され、NADが増えミトコンドリアから効率よくエネルギー(ATP)が産生されます。

さらに長寿遺伝子が目覚め、オートファジーも活性化し、全細胞が生き残りの戦いに加わります。こうやって新しい獲物が見つかるまで命をつないでいくのでしょう。

私は生命科学の最前線を学び、「命の巧妙さ」に感動しまくりです

(続く)
【前回】第2-35回・長寿遺伝子を起動する私の「野猿メソッド」 – 5

【前回】第2-33回・長寿遺伝子を起動する私の「野猿メソッド」 – 3

本連載は、本サイトに掲載した舟橋栄二さんの記事から、がん闘病に関する回を再配信したものです。時期に関する記載は2023年現在のものです。

(本連載記事一覧)がん患者よ、旅に出よう!
(スペシャル対談)私のリゾートライフの全体マップ
(筆者ホームページ)舟橋栄二「第二の人生を豊かに」

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