
コレステロールの嘘 – 1
本連載は「旅を通して転移がんを克服した全記録」です。(編集担当:resortboy)
先入観を捨て、何が本当に真実なのかを追求してみると、従来の常識とは全く違った世界が見えてきます。これから数回にわたって、読者の皆さまにも大きく影響する可能性のある問題を提起します。
日本動脈硬化学会の脂質異常症診断基準
私たちの全身に張り巡らされた血管は、加齢とともに老化していきます。特に、心臓から送り出される動脈が老化し、動脈硬化が進むと、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まります。
「動脈硬化を制するものは老化を制する」(私が勝手につけた標語)と言えるかもしれません。まずは動脈硬化研究の総本山である日本動脈硬化学会のホームページ(注1)やガイドライン(注2)を参考に基本を確認します。
上記の注1から動脈硬化と脂質異常症の部分を一部引用します(太線筆者)。
動脈硬化とは、動脈の壁にコレステロールがたまり、硬くなったり狭くなったりして血液の流れが悪くなる状態です。高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病は、喫煙やメタボリックシンドロームとともに、動脈硬化を進めてしまうことが分かっています。
脂質異常症とは「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールが増えたり、「善玉」のHDLコレステロールが減ったり、トリグリセライド(中性脂肪)が増えたりした状態のことをいいます。この状態を放置していると動脈硬化が起こり、静かに進行して、心筋梗塞や脳梗塞といった怖い疾患が起こるおそれがあります。LDLコレステロールやトリグリセライドが高ければ高いほど、HDLコレステロールが低ければ低いほど動脈硬化が進みやすくなります。
そして、以下のように脂質異常症診断基準が設けられています。基準をオーバーする場合は生活改善からはじめて、それなりの医療の対象になります。
さて、前回(第2-37回・私のコレステロール物語 – 2)で記したように、私のLDLコレステロールは常に140以上で、高LDLコレステロール血症です。私のNon-HDLコレステロールも常に170以上で、高non-HDLコレステロール血症です。しかも、スキーで怪我をした40歳頃から現在まで、何と30年間くらい一貫して高コレステロール血症なのです。
恐らく、普通の内科で受診すれば、生活改善レベルを超え、動脈硬化予防としてコレステロール低下薬「スタチン」を処方されたことでしょう。しかし、私は一度もコレステロール関連では病院のお世話にならず、スタチンは飲んでいません。何と30年間くらい放置です。でも、今の私は元気モリモリで何も問題ありません。
ここで率直な疑問がわいてきます。
日本動脈硬化学会が言っているように、もし、本当に高コレステロール血症が動脈硬化性疾患の危険因子であり、心臓病、脳卒中、末梢血管疾患などを引き起こすとすれば、30年間も放置し、71歳になった私は、既に重篤な病に倒れているはずです。
それとも、今年か来年、突然、脳梗塞、心筋梗塞が襲ってきて急死する?
(続く)
【次回】第2-41回・コレステロールの嘘 – 2
【前回】第2-39回・私のコレステロール物語 – 4
本連載が単行本(紙の書籍)として刊行されました
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