民間療法に魅せられた私の本音

「funasanのアンチエイジング日記」は、トラベルライターの舟橋栄二さんによる連載企画です。舟橋さんが取り組まれている健康にまつわる学習と実践について、同時進行でご報告いただきます。舟橋さんは2022年に70歳を迎えられ、いかに健康寿命を延ばすかが、目下、最大のテーマだと言います。この連載では、皆さんとともに「旅と健康」について考えていきます。(編集担当:resortboy)

大型書店にはさまざまながん治療の本が並んでいます。専門医による医学書からはじまって、がん治療の一般書や非伝統的ながん治療の本、さらに民間療法の本も多数あります。その中で私が特に興味をひかれたのは、実際に末期がんから奇跡の生還をした患者たちの物語です。

民間療法の書籍に影響を受ける

私は次々とそれらの本を購入してじっくり読んでいきました。特に中山武氏の著作に、大きなインパクトを受けました。

論より証拠のガン克服術

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驚きました。末期がんで医者から余命わずかと宣告され、病院から見放された患者たちが、自分なりの方法で命をつなぎ、奇跡の生還をしてきているのです。生還者が1万人に1人くらいであれば、それは奇跡でしょう。しかし本書には、末期がん患者が続々と生還する様子が描かれていました。

中山氏は書いています。心の改善、食事の改善、運動、身体を冷やさないことが、血流を良くし、がんを克服する道筋だと。現代がん治療以外にも完治への道があるのではないか。私はそう感じました。

今村光一氏の以下の本もインパクトが強かったです。

ガン勝利者25人の証言―自然・栄養療法でガンを治した

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本書では、アメリカのがんサバイバーが詳しく紹介されています。「ゲルソン療法」という食事療法を実践して、死の淵から生還してきているというのです。「何~?食事でがんが治るのか?」と驚きました。しかし本をじっくり読んでみると、この食事療法には説得力を感じました。

これらの「末期がんからの奇跡の生還物語」が、私に勇気を与えてくれました。転移がんに立ち向かう具体的な方法や実践例を知り、希望が出てきたのです。

「病院に行くたびに期待が裏切られ、希望がなくなっていく」 これはがんで死んだ私の兄の言葉です。私は未来への希望がないと生きていけません。

「でもな~、食事療法や身体を温めたり、運動や心の改善で本当にがんが治るのか?」

数学教師だった私が民間療法を選択した理由

どうも私は疑り深い人間で、そう簡単に、ちまたで言われている民間療法を信じる気になれません。大学院で理論物理を学んだ私は、すぐに「科学的根拠は?医学的エビデンスは?」と疑念を持ちます。

そんな私が民間療法を選択した理由について述べてみます。

民間療法の多くは、現代がん治療を否定し、食事やその他の生活改善にフォーカスしています。いろいろな民間療法があると思いますが、私が興味を持ったのは「お金を使わず、副作用はなく、QOL(生活の質)が向上する」タイプの療法です。いわば、身体とふところに優しいがん治療です。

これらの民間療法が勢力を伸ばしたとしたらどうでしょう。医者や病院、そして製薬会社が困ります。もしも民間療法が標準になれば、病院や製薬会社はつぶれ、医者は失業します。現代社会はそれを許さないでしょう。

医学的エビデンスを獲得するには、莫大な資金と組織、そして長期に渡る承認プロセスが必要です。民間療法が検証される機会はほとんどないでしょう。

私の考えでは、医学的エビデンスと、それぞれの患者にとっての「真実」、つまり病気が治るのかどうかは、別のものです。民間療法に対して医学的エビデンスがないからといって、直ちににせものだとは断言できません。民間療法の中に患者にとっての真実があるかもしれませんし、民間療法による末期がんからの生還者がいることも事実として存在します。

医者や学者にとっては、治療の理論と医学的エビデンスが必須です。しかし、それぞれの患者にしてみれば、そんなこと「どうでもいい」のです。自分の病気が治れば大成功だし、エビデンスのある標準治療で死んだら大失敗です。

ここに患者と医者の基本的認識の違いがある。私はそんな風に思います。

患者は転移がんを防ぎながら、10年、20年と末永く幸せに生きたいのです。私は自分のがんが「転移再発しない、完治するがん治療法」を求めて、書店をさまよい歩きました。そしてこうした考えのもと、「何でも」挑戦してきました。

その私の実践を、次回以降紹介していきます。もちろん、それらは個人的な「体験」に過ぎませんから、医学的なエビデンスはなく、決して読者の皆さんに推奨するものではありません。

参考文献

最後に、今回の記事に関する参考文献を紹介します。

(続き)第11回・大量の生野菜ジュースに救いを求める
(前回)第9回・心身を癒やした手術後のエクシブステイ

【コラム】がん標準治療に対する理解も深めよう(編集担当resortboy)

本記事ではがんの「民間療法」を取り上げて、著者の実践を通じた体験談を紹介しています。情報をお役立ていただく際には、本記事が個人の体験に基づく感想であり、医学的な裏付けがあるものではないことに留意してください。

著者のがん治療の時期から現在までに医療技術は進歩し、「標準治療」も変わっています。一方で、ネット上には本記事も含めて多くの民間療法に関する情報があり、それらを俯瞰的に把握することは困難です。

ここでは、本記事において一般的でない医療情報を提供していることへの責任として、逆の立場、つまり、民間療法に批判的な立場でがん治療の現状を俯瞰した以下の論説を紹介します。また、同様の趣旨で編さんされた書籍も併せて紹介します。

これらの動画や書籍をご覧いただき、標準治療に対する理解を深め、民間療法の問題点もご認識の上で、本連載をお楽しみください。

参考動画

高学歴の人ほど罠に陥りやすい?エビデンスの少ない「がん治療」に騙されないために(前編) – YouTube(ホリエモンチャンネル:アラバマ大学バーミンガム校大須賀覚助教授、2021/1/22収録)

参考書籍

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世界中の医学研究を徹底的に比較してわかった最高のがん治療

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