脳内ガラ権の時代、会員権を買わずに使うハーヴェスト

東急ハーヴェストクラブの多くのホテルは、ホテルハーヴェストとして一般利用が可能です。実際のところ、どの程度の価格で利用できるのか、おひとりさまの自分を想定してレポートします。

1名利用はツイン前提の一般ホテルでは普通は割高ですし、またハーヴェストクラブはパーソンチャージなので比べたらさらに不利になります。また、一般利用ではダイナミックプライシングですし、会員権を使えば料金は一律です。

このように、単純には比べられないのですが、この記事では単純に、Yahoo!トラベルでの最安値を1名朝食付きでピックアップして(調査日は2024年12月13日で、宿泊日は特定していない)、それを会員権保有の場合の料金と比較してみます。

設定条件

先に、会員権利用、つまり東急ハーヴェストクラブの会員料金を試算します。東急ハーヴェストクラブの大人のパーソンチャージは5,500円です。また、朝食は2,695円で計算します。

取得価格(会員権価格)や営繕積立金、固定資産税などの不動産保有に伴うコストは考慮しません。年会費については以下のように考えて料金に加味します。

ここでは、箱根甲子園を例に取ります。年会費123,420円を宿泊券発行枚数の30で割ると、1枚4,144円。施設によって違いもあるでしょうが、100円未満を切り上げて4,200円として計算します。

この場合、1人1泊朝食付きの料金は、会員権を持っている場合、5,500+2,695+4,200=12,395円となります。やはり数字を丸めて、12,400円と考えます。

以下の調査はすべて禁煙ルーム限定で検索した結果です。なお、Yahoo!トラベルは僕が好んで利用しているだけで、これが最安値だと言いたいわけではありません。リンクも張りません。興味のある方は、ご自身なりのスキルを磨いていただければと思っています。

ホテルハーヴェスト南紀田辺

もっとも安価だったのは南紀田辺でした。オーシャンビューのツイン禁煙で、1泊朝食付きで8,480円が底値でした。

ホテルハーヴェスト伊東

続いては伊東です。洋室ツイン禁煙で、1泊朝食付きで9,202円が底値です。

ホテルハーヴェスト旧軽井沢

3位に入ったのは旧軽井沢で、洋室ツイン禁煙で、1泊朝食付きで10,010円が底値です。中庭向きの指定をした場合も同価格でした。

ホテルハーヴェスト鬼怒川

4位は鬼怒川。禁煙のスタンダードツインとスタンダード洋室がいずれも1泊朝食付きで10,500円が底値です。

なお、今回の記事の冒頭の写真は鬼怒川ですが、これは宿泊券利用で東急ハーヴェストクラブ鬼怒川として泊まった時に撮影したものなので、ホテルハーヴェストの仕様とは異なる可能性があります。特別室でない通常の客室について、両者の客室仕様は同じではないかと思いますが、詳しくご存じの方はコメントください。

ホテルハーヴェスト天城高原

5位に入ったのが、天城高原。禁煙のツインルームAが1泊朝食付きで11,010円が底値です。このホテルの場合、富士山向きを指定すると数百円高くなります。

ホテルハーヴェスト浜名湖

会員価格よりも安く宿泊できるチャンスがあるホテルのラストは、浜名湖です。レイクビューのカジュアルツイン禁煙が、1泊朝食付きで11,880円が底値です。

ホテルハーヴェスト那須

これは残念ながら選外ですが、惜しい価格帯だったので紹介します。那須の禁煙ツイン洋室は、1泊朝食付きで12,525円が底値です。

まとめ「脳内ガラ権の時代」

これらからわかるように、これらのホテルの場合、宿泊する日取りにこだわらなければ、このように一般利用が可能である以上、会員権を買う必要がありません。

リゾート会員権は「どうしても買いたくなる」夢に満ちている部分があります。ですが、東急ハーヴェストクラブやエクシブ、ベイコート倶楽部、サンクチュアリコートはすべて、不動産の分譲と会員権の入会金収入が主たるビジネスです。

ホテルのハードウェアは分譲時に夢を見せるので素晴らしいものですから、こうした一般利用にも精通して、賢くご利用いただければと、リゾート会員権の研究家としては願っているところです。

日本のリゾート会員権(ガラ権)は時代の変化で、この先、順次行き詰まっていくことを、このサイトではお伝えしています。時代や社会が変わりゆく現代において、その変化を前提とせず、ずっと同じ状況が続くことを念頭にして開発されたガラ権は、特に不動産分譲を伴う共有制の場合、手放すことが難しく、よほどの事情がない限り、お勧めしかねるシステムとなりました。

今日、ご紹介したホテルだけで、全国各地に7個所あります。これらを「脳内会員権」として皆さんの頭の中だけで構築し、「入会」していただく。加入費用は完全無料。手続きは即時。年会費無料・退会自由。登記なし・相続なし。それでいいじゃぁありませんか。

この脳内ガラ権は、首都圏を中心に、北関東の那須と鬼怒川、ロイヤルリゾート軽井沢、伊豆に伊東と天城、餃子とうなぎの浜名湖、そして南紀田辺と、どれ1つとして変なところがない堂々たるラインナップです。

僕は南紀田辺を除く6ホテルに行ったことがありますが、これらホテルは一流ですよ。

9 comments

  1. いつも愛読させていただいております。
    東急ハーベストの場合、一般利用可能ですし、株主優待を用いれば、メンバー並料金で利用できるので、敢えて数百ないし数千万出して会員権を購入する必要性はないように思われますが、皆さんどの点に魅力を感じて会員になられているのか興味があります。

  2. HVCを買う人がいるのは私たちの働き方や学校の問題です。平日に休みを取って家族で旅行することがなかなかできない家庭が多いからです。特に会員制リゾートを買うような世帯では職場の責任も大きくて自由に休めない人が多いでしょう。HVCならエクシブでゴールドになる期間も確実に予約できますしレッド期間に使える枚数ははるかに多い。子供が学校に通っているうちはHVCの方が優位性があります。平日休みで自由に旅行できるのであればホテル利用も安上がり、HVCの不人気施設を買って人気のビアラに泊まることもできますしご指摘のようにホテルハーベストを株主優待で使えば会員権を購入する必要なありません。サンメンバーズの平日会員でもいいでしょう。東急に数百万円を払っているのは中古市場を東急が完全にグリップしておりエクシブのように売却時半額や1/10になる恐れがないという安心感があるのでしょう。resortboyさんの今回のご指摘はまったくその通りでコロナ以降エクシブに先行して会員もビックリの値上げが複数回行われてHVCの宿泊価格は優位性が無くなりました。私も軽井沢の宿泊でHVCより安上がりなエクシブに泊まる頻度が増えています。

  3. ヒサさん、いらっしゃいませ。ノラさん、ナイスなフォローをありがとうございました。

    東急ハーヴェストクラブは東急不動産のビジネスのほんの一部に過ぎませんので、会社の本業であるリゾートトラストと比べると、投資家向けに公開されている情報がほんの少しで、実態がよくわからないところがあります。

    その中でも、2016年までのデータですが、以下に、「なぜHVCなのか」という問いにずばり答える公式コンテンツがあります。

    数字で分かる東急ハーヴェストクラブ|東急ハーヴェストクラブ|東急不動産の会員制リゾートホテル

    理由の第一は「事業主の信頼性」でした。

    > ・自宅も東急なので、安心感があります。
    > ・会員制ホテルなので、事業主の信頼性で決めました。

    ここには会員の年齢に関するデータもありますが、リゾートトラストよりも会員の年齢が高いのが特徴です。現役層は少なく(50代以下は27%しかいない)、子育て終了世代やリタイア組が中心となっているようです。

    記事の話題に戻りますが、こうした信頼感のあるホテルチェーンが一般利用できるのであれば、それに勝るものはないように思います。特に、上記のように利用者の多くはリタイア層であって時間の都合が付くのだから、繁忙期の予約が必須でなければ会員権は不要です。

    というわけで、話が元に戻りました😅

    皆さんどの点に魅力を感じて会員になられているのか興味があります。

  4. ごくわずかですが株主優待で泊まれないホテルがありますので、そこに泊まりたい方は会員になってもいいのかもしれませんが費用対効果のバランスは確かによくないですね。
    繁忙期でなければ、東急が持っている部屋が少ないこともあまりネガティブ要因ではないでしょうし。
    しかし旧軽そんなに安いかな。会員向けの空き室がなくて、OTAで空きを見つけたけど一人1万円くらい高かったのでやーめた、って言うことならありました(朝夕食込み)。定額は魅力ではありますね。

  5. 小生はまだまだ現役で働き続ける運命にあります(泣)
    なかなか時間が取れない中、ワンコと共に泊まり歩くことが最大の楽しみです。
    鳥羽別邸に始まり、セラヴィリゾート、サンクチュアリヴィラムセオ、東急ハーヴェストVIALAannex京都、そしてドギールームが来月より開設されるひるがのサンメンバーズと次々と会員権を購入してしまいました(-_-;)
    中でもハーヴェスト京都はわずか1部屋しかないペットルームが休前日でも面白いように取れます。これは会員権を所有していなければ絶対に不可能です。おかげ様で大好きな京都観光をワンコ連れながら楽しめております。まさに京都に別荘を所有しているのと同じだと思います。でも流石に
    会員権が多くなりすぎて持て余してしまうのでそろそろ整理していこうと思ってます

  6. 通常のペット宿泊可能なエクシブ、ハーヴェストと同じレベルのホテルはとても割高でなかなか泊まる気になりません

  7. 外の人さん、RCさん、コメントをありがとうございます。

    旧軽のことは僕も意外でした。今、再度確認しましたらば、今日19日の宿泊が直前割で1人朝食付きで10,400円でした。大晦日も空いていますが6万円超でした。

    土曜日にしか行けない現役世代にこそ、リゾート会員権は必要な感じですよね。僕もかつてはそうでしたので。でも結局、若い人にお金がないのと、生き残った会員権メーカーが高級志向になってしまったので、ユーザーの入れ替えも生じず、裾野も広がらず、特殊な宿泊施設だけが残って、後は衰退していくのが残念です。

  8. 静波海岸も一般ホテルの「静波リゾートホテル・スウィングビーチ」で利用可能※です。今見たらツイン朝食付きで8,360円でした(じゃらん価格)。
    このホテル、実はかなり前にふるさと納税の返礼品として使われており、牧之原市に1万円の納税をしたら朝食付きで1泊泊まれる宿泊券がもらえました。
    残念ながら政府の施策変更により、2020年をもって返礼品そのものがなくなってしまいましたが、ふるさと納税をフル活用して静波海岸には何度か楽しませてもらっていましたよ。

    (※厳密にはスウィングビーチはハーヴェストと泊まる棟が違うため、和洋室でも間取りが違ったり、スウィングビーチ用にメゾネットの部屋が設定されているなど、泊まれる部屋に少し違いがあります)

  9. HIDEさん、コメントありがとうございます。

    ホテルハーヴェストだけでなく、もともと一般ホテルと合体している静波海岸や山中湖マウント富士、居候タイプの蓼科リゾート、その他のRESERVE軍についても併せて考えると、この脳内ガラ権はさらに有力なホテルラインナップ、ということになりますね。ナイスなフォローをありがとうございました。

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