1つ前の記事で書きましたが、来月オフ会を企画しています(参加希望の方はそちらの記事をご覧ください)。(東京でやるのは)最初なので、僕が1時間くらいトークライブをしようと思っていて、そのためにリゾートトラスト社の歴史を紐解く作業をヒマを見つけてしています。ネタバレにならない程度に、そのライブの準備のメモを記事としていくつか紹介していこうかと思っています。
リゾートトラストの古い経営計画を見ると、当時の経営陣(今もそれほど変わっていませんが)の力強さを強烈に感じます。明確なビジョンがあり、何としてでもやり切るという迫力を感じるし、実際にそれを実行しているので感動すら覚えます。
それは2003年4月に発表された2003年度から2007年度までの5年間の中期経営計画、「パワー・ブランド計画」です。
(画像出典:リゾートトラスト 2003年5月29日)
16年前に発表されたこの事業展開の図は、そのまま今のリゾートトラストのビジネスを表していると言って過言ではありません。
実際、ここ数年はエクシブではなくベイコート倶楽部がビジネスのメイン商材となっていますし、メディカル分野の存在感がこの図では現在より薄いものの、同社の成長戦略はほとんどこの図のとおりに、実にきれいに実現されてきたと言っていいのではないかと思います。
この図を少し、文章で解説してみます。まず左下のブロック。ここが同社の基礎となったリゾート会員権ビジネスの部分です。サンメンバーズにはじまり、当時としては画期的な豪華さを追求したエクシブで大成功しました。
そしてその発展形としての「グランドエクシブ」の業態(左上)。ホテルを中心に、ゴルフやクルーザーといったレジャー会員権をバンドルして販売しました。これは、鳴門や初島クラブなど、バブル期に他社が開発して破綻した物件を取得したことで棚ぼた的に展開したというのが歴史的経緯ですが、同社の総合リゾート企業としての成長に寄与したことは間違いありません。
同時に右下、シティホテルのトラスティでは、エクシブ由来の洒落たテイストが差別化要因となって、ビジネスホテルとして成功を収めていきます。
そして2000年代に入り、東京都江東区有明の埋立地を取得して、東京ベイコート倶楽部の計画がスタートします。当時は「東京ベイサイド・リゾート」と呼ばれていたこの計画がパワー・ブランド計画におけるメインのコンセプトとなりました。
当時の投資家向け資料からは、同社の都市型リゾート参入に賭ける意気込みが伝わってきます。
(画像出典:リゾートトラスト 2003年7月)
ところがこの「集大成」として同社のすべてを注ぎ込んだ東京ベイコート倶楽部は、とんでもない難産でした。その結果、2008年からの中期経営計画ではあっさりこの都市型リゾートへの展開を引き下げてしまいます。続く2013年からの中期経営計画でも都市型リゾートが大きく取り上げられることはありませんでした。
しかし面白いもので、2019年の現在から振り返ってみれば、芦屋ベイコート倶楽部、ラグーナベイコート倶楽部(以上2つはすでに開業済み)、そして販売中の横浜ベイコート倶楽部と、現在の同社を支えているのはエクシブではなく、すっかりベイコート倶楽部に変わっています。
16年前の「パワー・ブランド計画」を振り返ると、そこに描かれていた未来があまりにも見事で驚くとともに、その後の経営計画は何だったのか、という思いも生まれてきます。
ところが不思議なことに、現在2年目に入った現中期経営計画では、ベイコート倶楽部ではなく、むしろエクシブを復活させるとしています。
(関連記事)中期経営計画「Connect 50」 | resortboy’s blog – ホテルの会員制度を楽しむサイト
これはいったい、どういうことなのでしょうか。
(続きはオフ会でね)
PS. 冒頭の写真は2019年4月7日(日)の夜に、お台場から有明に食事に出かけたときに東京ベイコート倶楽部の正門側からホテルを撮影したものです。このホテルが抱えている現在の問題点は、写真からもわかる低い稼働率です。
リゾートボーイさん初めまして。
現在、ベイコートの会員権を仲介で購入しようか考えている者ですが、完売と書いてあったのでフル稼働に近いのかと思ってましたので驚きました。
空の感じから6時頃でしょうか?
その頃は皆さん食事で部屋を空けているのかも?
翌日月曜だから少ないのでしょうか。
もし人気が無いとなりますと、購入は待った方がいいでしょうか。
理由がとても気になります・・・。
はたさん、いらっしゃいませ。写真の時間は18時34分です。
人気についてはデータがありますので、ご購入ということでしたら、ファクトベースでご自身で判断されるとよいと思います。
参考までに、1年以上前のデータですが、2018年3月末までの1年間の東京ベイコート倶楽部の室稼働率は55%です。この数字は投資家向けに公開されています。リゾートホテルとして見たら低いわけではありませんが、都市型のホテルとしては低いと思います。僕は本文に書いたように、もっと稼働率を高める運営が必要だと考えています。
有価証券報告書・四半期報告書|IR資料|投資家情報|リゾートトラスト株式会社
こちらにある有価証券報告書を見れば、すべてのホテルの詳細なデータが入手できます。ご参考に。
リゾートボーイさん、お忙しい所どうもありがとうございました。
なるほど、よく分かりました。
株主様でしょうか?稼働率を高める工夫は必要ですよね。(ごみごみしていては嫌ですけど)
頂いた資料見てみます。
それにしてもお台場、良い所に住んでおられますね。
自分も一時期考えた事があってその時は家族に反対されましたが、新しいからか街の造作が綺麗でとても好きです。
ご丁寧にご説明を頂きまして、大変ありがとうございました。
はたさん初めまして!
一般ホテルと比較して、リゾートトラストの会員システムの中の(特に)東京ベイコートは、施設やサービスの優劣と稼働率がリンクしない部分があると思います。それはベイコートからエクシブを利用するのに敷居が低く、その逆やゲスト利用が高くなっているからです。これは、東京ベイコートのメンバーでさえ低い方に流れる事を意味します。
更に東京は、高い方のブランドのフラッグシップ施設ですので、安売り(プランなどで)できない部分もあると思います。
東京ベイコートの施設やサービスは、決して悪くはないと思いますよ。
是非、東京を買ってエクシブを楽しんでください!(だめか!w)
カミーさん、ナイスなフォローをありがとうございます。そうですね、仕組み的な問題は大きいですね。
後は、一般利用できるOZIOを使ってみて、ホテルや周囲の雰囲気を味わってみるってことですかね。東京ベイコート倶楽部はエクシブと違って簡単には中には入れないので、OZIOに行くしかないですよね。