リゾートトラスト発祥の地に「ホテルトラスティ名古屋 白川」

前回はヒルトン名古屋のリニューアルについて書いたが、同時に近隣のホテルでも大規模なフルリニューアル工事が行われていた。リゾートトラスト発祥の地「ヴィア白川」である。

本題に入る前に、少しの間、歴史をひもといてみよう。

リゾートトラストが「宝塚エンタープライズ」として創業した1973年、最初の事業として取り組んだのが翌1974年開業のヴィア白川であった。同社の歩みを振り返ると、太平洋戦争の敗戦にまで行き着くから、歴史というものは面白い。

名古屋市は終戦後進駐軍に占領され、現在の白川公園一帯には進駐軍下士官の家族住宅として、いわゆる「アメリカ村」(キャッスル・ハイツ)が建設されていた。当時の航空写真が施工を手がけた建設会社のホームページに掲載されている。

施工実績 [アメリカ村住宅] | 愛知を中心に信頼を築く、北川組

ヴィア白川のある街区は進駐軍から返還された土地であった。現在では高級マンションが林立する区域となっているが、一時は白川公園にホームレス小屋があふれていた時期もあった(平成13年には250棟を数えたという)。

(参考)白川公園 (名古屋市) – Wikipedia

そんな地域に最初の大規模物件として建てられたのが「都市型ホテルスタイルの分譲マンション及び高級テナントビル」の「ヴィア白川」(サンメンバーズ名古屋白川)だった。当時を知る「住吉の語り部」深田正雄氏によれば、この物件の販売はオイルショックの影響で大変な苦労があったのだという。

(参考)住んで楽しい栄ミナミ!本町通りはレジデンシャルストリート|料亭つたも主人の「住吉の語り部となりたい」

ヴィア白川は分譲されて現在もオーナーチェンジ物件が販売されていたり、事務所や店舗として賃貸に出されたりしているが、大部分をリゾートトラストがホテルとして運営してきた。それが「サンメンバーズ名古屋白川」で、サンメンバーズのシティホテルとして運営する一方、「サンホテル名古屋ヴィア白川」として一般向けにも営業してきた。

というわけで、相変わらず前置きが超長いのだが、ここからが本題。

このサンホテル名古屋ヴィア白川がリニューアルされ、「ホテルトラスティ名古屋 白川」としてこの6月20日にリブランドオープンすることとなった。

これでリゾートトラストのシティホテルブランド「トラスティ」のホテルは8施設となる。従来通り、サンメンバーズ会員向けの客室が用意されるほか、今年夏の開業予定の「ハイメディック名古屋」の検診者向け客室が設けられた。

客室はダークグレーとライトグレーの2色でシンプルにまとめた。一部の客室にはシャワーブース付きのユニットバスが採用されるという(スタンダードダブルルームのイメージ画像出典:リゾートトラスト報道発表資料)。

最後にホテルの諸元データです。

ホテルトラスティ名古屋 白川

所在地:愛知県名古屋市中区栄2-7-13ヴィア白川内
アクセス:地下鉄東山線「伏見駅」4番出口より徒歩5分
建物構造規模:鉄骨鉄筋コンクリート造(一部鉄筋コンクリート造)地上12階、塔屋2階建
フロア構成:2階(ロビー)、5~8階(客室)、11階(客室:ハイメディック名古屋検診者用含む)
総室数:105室
客室料金(税込):
シングルスタンダード 12,000円
シングルスーペリア 13,000円
ダブルスタンダード 18,000円
ダブルスーペリア 19,000円
ツインスタンダード 19,000円
ツインスーペリア 20,000円
ツインデラックス 24,000円

ついでに妄想を一発。築42年目のリニューアルということで、リゾートトラストの既存物件に対する取り組みについて、会員としては非常に安心感を与えるニュースと思います。この調子で、もうリゾーピア熱海もトラスティブランドにしちゃおうよ! リゾーピア熱海の中型・小型ルームの貧乏くささが解消されたら、もっと僕は通いますよ。

13 comments

  1. 「かつては公園を中心にホームレスが数多く居住する、治安の悪い地域だった」
    この近くで生まれ育った者として、これは少し違うのでコメントします。

    白川公園ができる前後からホームレスがずっと居住していたわけではなく、
    市の中心部にある貴重な子供の遊び場であり、緑豊かな市民の公園であり、
    名古屋市立科学館も作られました。
    いつからか(多分20年くらい前?)公園の一部にホームレスのテントが立ち並んだことがありましたが、
    それでもこの付近が治安が悪い地域という認識は名古屋市民にはなかったと思います。

    ヴィア白川ができた頃は、名古屋市中心部に近い場所にしては、
    おそらくこの辺りは地価も比較的安価だったのかもしれません。

  2. 久しぶりの書き込みさせて頂きます。
    以前はご迷惑を掛けたかもしれません。申し訳ありませんでした。

    今回久々に書き込みさせて頂きますが、此処にコメントするのは不適切かもしれませんが、かと言って何処に書き込んで良いのか分からなかったので、ご勘弁ください。

    先日約九か月振りにベイコートに行って来ました。九か月振りとなったのは、機会がなっかったのもあるのですが、ちょっと嫌な思いをした事があったので遠ざかっていたのですが、今回その話は置いといて、今回行った時の感想を述べさせて頂き、出来たら皆様のご意見も頂けたら幸いです。

    久々に行って一番驚いたのは、中国か韓国系のお客さんが沢山いた事です。その事が良いか悪いかは別にして、私的にはベイコートにはそのようなお客さんがいないと言うのが安心して泊まれる要件の一つだったのですが、少し残念に思いました。ただ契約書にそのような文面(中国、韓国のお客様は受け入れません云々)があった訳でもないし、人種的な差別をするつもりも、迷惑を掛けられた訳でもありません。
    只、マナーなど生活習慣等の違いから世間では色々迷惑行為があるのも事実です。そしてドレスコードなどを無視したジャージ等を着ている方もかなりいました。時代の流れ、会社の営業方針等も絡んでくるとは思いますが、もろ手を挙げて受け入れるのにはちょっと抵抗があるのも事実です。

    皆様のご意見、私への批判でも結構ですのでお聞かせいただければ幸いです。

  3. さすがresortboyさんですね。よくお調べになられたものです。

    どんな高級ホテルでも、中国などからの観光客で溢れかえっているのは、皆さんご承知の通りです。

    過去には、こんな辺鄙な観光ホテルにまで、と驚くことも多々ありました。

    しかしベイコートまでそうとは驚きです。

    エクシブ伊豆などが、JTBなど代理店経由で予約を受け付け、騒ぎになったことがありましたね。

    海外ならメンバーが確認しにくいですから、何らかの集客をしているのかもしれないですね。

  4. blueroseさん、コメントいただけるんではないかと思っておりました。僕の文章が悪くて、ホームレス小屋のあった時代が長期に渡っていたような印象を与えてしまって申し訳なかったです。というわけで、多少文章を手直ししました。

    中国系ゲストについてですが、リゾートトラストは2011年4月28日に以下のような報道発表をしています。

    このたび、当社は、今後の市場拡大が見込まれる中国への事業展開の重要な足がかりとするため、香港企業との合弁契約を締結いたしました。合弁会社UOMMは、同社が中国本土に設立する子会社を通じ
    て、
    ・中国国内での日本の医療・健康情報の発信
    ・当社グループが日本で経営支援、提携する医療機関 の中国からの受診希望者受入支援
    ・当社グループ会員権の販売促進
    などを行って参ります。

    リゾートトラスト株式会社|ニュースリリース

    発表によれば、この合弁会社は「当社グループが日本国内で経営又は運営する会員権の販売、斡旋、送客」を主な事業内容の1つに掲げていますので、中国系ゲスト(オーナー)を積極的に受け入れる方針だということなのではないでしょうか。

  5. ↑よく見たらセミダブル1室2名一人分の料金で一部屋7,000円でした。
    破格!と思いましたが、さすがに3,500円はないですよね(^^;

  6. ポンパレにはホテルがよく出ているですが、激安のやつはたいてい、「通常はシングルルームとして出しているセミダブルベッドのお部屋に2人」という設定で、見かけ上の安さを強調しているパターンが多いんですよね。

    これも「セミダブルルーム」ってポンパレには書いてあるけど、公式サイトにはそんなお部屋タイプはないんですよ(笑)

    (公式)ホテルトラスティ 名古屋 白川

    でもこのホテルは一度泊まってみたいな。ここを泊まれば名古屋のトラスティは制覇(あまり意味なしww)。

  7. ふふふ・・・ポンパレで「激安ですね」などと言っているようじゃ

    まだ青いぞ!!!

    ヤフオクでじゃらんポイントが格安で売っています。
    http://auctions.search.yahoo.co.jp/search?p=%E3%81%98%E3%82%83%E3%82%89%E3%82%93&ei=UTF-8&oq=&tab_ex=commerce&auccat=2084043920
    これに海外ホテルで使える割引クーポンを重ねて使うと
    http://www.jalan.net/kaigai/doc/theme/coupon/
    なんと1500円引きになります。

    東南アジアなどの海外ホテルでは
    1泊1500円ぐらいで泊まれるところはざらにあります。

    ということは、年末年始をエアアジアで格安に東南アジアに行って
    ほとんどロハで泊まることも可能だということです。

    エアアジアに限らず、東南アジア方面へはたくさんLCCがあるので、
    寒い日本を飛び出してGO!

  8. カミーさん、この話題は裏ブログの方でご紹介しておりました。裏ブログから引用して、僕の感想の部分をご紹介しておきます。

    というわけで、エクシブからベイコートへという「リゾート地から都市近郊へ」という流れに加えて、カハラの日本・海外への展開に続き、トラスティの上級ラインへの展開と、「会員制から一般ホテルへ」という流れが色濃くなってきました。

    現在、ひとつも計画のない一般エクシブは、このまま終息、ということのように見えますね。これだけ活発に新規開発のニュースがありながら、ふつうのエクシブが一つもないのはさみしい限りです。一部の手が入っていないオールドエクシブは、このまま朽ちていくだけなのかと思うと、心配になります。

  9. resortboy様

    >オールドエクシブは、このまま朽ちて

    リゾートトラスト社の公式サイトを眺めていたら、こんなのがありました。
    〇中期経営計画「Next40」
    https://www.resorttrust.co.jp/ir/investors/plan/pdf/keikaku_130401.pdf
    この中のパワポのP12にこんな項目があります。
    「永続モデルの確立
    会員権のサイクルモデル、物件ライフサイクルモデル(営繕・リニューアル・建替え等)の確立」

    2013年に策定された計画ですが、なんらビジョンを示してくれていないですよね・・・汗;

  10. resortboyさん GW中家に篭ってまして本当に久しぶりにこちらを覗いたら学院?とか驚きました。お元気そうですね。
    そして拾い読みしてまして、こちらの記事を見つけました。

    >名古屋市は終戦後進駐軍に占領され、現在の白川公園一帯には進駐軍下士官の家族住宅として、いわゆる「アメリカ村」(キャッスル・ハイツ)が建設されていた。

    知りませんでした。
    私の祖父は戦前丸の内や栄の土地家屋を貸していたようです。今の白川公園辺りに屋敷があり凄かったんだからと亡くなった伯母から子供の頃によく聞きました。名古屋の片田舎で生まれたので、ふーんと聞いていました。
    空襲で焼け祖父もその前後に病死し環境が一変したのは理解できますが土地を失くした原因について従兄弟が調べても分からなかったそうです。一部は市に没収されたと聞いていますが、全て無くなるなんて騙されてめくら判押したのだろうと従兄弟が結論付けていました。祖父が急に亡くなったので家計を支える為に伯父は一高から新聞社で勤めた後に起業し、いつも精一杯で過去を調べる余裕が無かったのかもしれません。皆亡くなっているので分からないのです。
    名古屋の真ん中から片田舎に引越しているのですが、名古屋市内では海が近い当時は別荘地だったから選んだようです。駅前だったし私の感覚では別荘地のイメージはゼロの土地です。
    祖父母は親戚ですが高学歴な祖父に対し祖母は文盲だったことや金銭感覚が私とは2桁位違う豪快なお買い物について聞いてましたから、祖母が馬鹿だから騙されたのだとずっと思っていました。おばあさんのせいでって。
    進駐軍だったら何も言えるわけありませんね。小さい頃とても可愛がってもらったおばあさんに謝りたいです。
    resortboyさん ありがとう。

  11. bsukeさんによくコメントをいただいていたのはもう10年も前のことになりますが、覚えていていただいてありがとうございました。ファミリーヒストリーを振り返り、新たな発見のきっかけになったようで、うれしく思います。

    のんきにリゾート遊びの話をつづっている場合ではない世の中になってしまいましたが、またいらしてください。

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