失われた円柱タワーを求めて – 札幌プリンスホテル(1)

世代的にプリンスホテルには憧憬のようなものを感じてしまいます。僕が子どものころ、プリンスホテルはスキーブームの主役であり、苗場はユーミンファンの聖地であり、赤プリはバブル文化の象徴でした。

家庭を持って、横浜プリンスを今でいう都市型リゾート的に使いはじめて、そこからエクシブ方面に展開していったわけですが、思えば同時進行で、プリンスホテルは堤家の追放と資産売却を進め、地盤沈下を続けていたのでした。

昔話をすると、バブル期以降、1990年代にインターコンチネンタルはセゾングループだったので(西友の子会社だった)、当時はプリンスホテルに泊まるとIHG(正確に言うとIHGという名前はまだなくて、シックス・コンチネンツと呼ばれていました)のポイントが貯まった、というのも、今思えば信じられないような、なんだか前世の話のような感じがします。

さて、札幌に行くことになって、ホテルリストを見ていて強烈に僕にアピールしてきたのが、札幌プリンスホテルの円柱形のフォルムでした。

ああ、これぞプリンスホテル、西武グループだな、と。

他にそんなことを言っている人がいるのかどうかわかりませんが、1960年開業の西熱海ホテルをその嚆矢として、西武グループというかプリンスホテルと言えば、円形または大きな弧を描いたフォルムが僕の中での強烈なイメージです。

1978年開業の箱根プリンスホテル本館の東棟、西棟が円柱だったのに続き、1986年の京都宝ヶ池プリンスホテルでは大型ホテルの全体が円柱でした。1990年の横浜プリンスホテルは四分円でした。

(関連)横浜プリンス思い出アルバム | resortboy's blog – ホテルの会員制度を楽しむサイト

その後、タワー建築時代になってからは1992年の新横浜プリンスホテル、2002年の品川プリンスホテルエグゼクティブタワー(これは完全な円柱ではないけど)、そして2004年の札幌プリンスホテルタワーと、「ザ・円柱」のホテルが誕生していきます。

そして札幌プリンスホテルタワー開業と時を同じくして総会屋スキャンダルが発覚。同年(2004年)10月に、有価証券報告書への虚偽記載の責任を取って堤義明がグループを退き、西武王国の崩壊がはじまったのでした。あれから15年。

そんなわけで開業15周年を迎える札幌プリンスホテルに宿泊しました.

ザ・円柱。なんてカッコいいんでしょうね。わずか築15年なのに、懐かしいような、何か失われたもののような感覚を覚えます。

円柱の内部はこんな感じです。素晴らしい。

ロイヤルフロア(22~27階)の最上階に泊まったので、景色も上々でした。

ロイヤルフロアの客室は最低でも42平米あるので、いわゆるプリンスホテルのせませまイメージとは一線を画するもので、きわめて快適でした。

というわけで、今日は前振りだけですみませんが、次回、お部屋について紹介したいと思います。

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