台北(正確には新北市板橋区)にヒルトンホテルができて、もう少しで1年になります。もちろん、今年の夏はヒルトンに泊まるぜ、と思っていたんですが、台北の他のホテルに比べて、かなり割高感を感じました。同じ金額を出すなら、別のちゃんとした5つ星に泊まりたいな、と言う感じで。
どのくらいかというと、Booking.comで1カ月ほど先の最低料金を調べたのがこちらです。
既にこちらの記事に書いたように、台北のヒルトンは同じ建物にシーザーパークホテル板橋がありますが、このように5割くらいヒルトンの方が高いのです。なにしろ同じ場所ですし、一番の特長である屋上のインフィニティプールは共用です。自分としては、台湾に行ってまでヒルトンのステータスを使ってラウンジでまったり、というのもおかしな感じがします。
というわけで、今日はシーザーパークホテル板橋のお部屋の紹介をしたいと思います。
(公式)板橋凱撒大飯店(CESAR PARK BANQIAO)
このホテルを運営しているのは宏国集団という会社ですが、もともと1972年から2003年まで、台北の駅前でヒルトンホテルを運営していた企業でした。台北駅前のかつてのヒルトンホテルは「シーザーパークホテル台北」として今も営業中です。そして新しいヒルトン台北新板も宏国集団が受託し、さらに自社ブランドのホテルも同じ建物に同居させるという、かなりわけのわからないことになっています。
しかしながら、ブランドオペレーター(ヒルトン)とホテルオペレーター(宏国集団)、そしてホテルオーナーが、それぞれ別々の立場で役割を分担している所に、ホテル産業としての成熟した姿を感じます。オフ会でも話していますが、リゾート会員権というものはこの辺がグダグダになってしまって、リニューアルに対してのモチベーションやチャンスといったものが破綻をする以外になかなかないので、世代を超えられない仕組みになりがちなのではないでしょうか。
では、お部屋について見ていきます。利用したのはエリートルームというカテゴリーの部屋で、お部屋の広さは40平米ほどでした。
このように細長い間取りのお部屋なんですが、とても面白い作りになっていて、同じ建物にあるヒルトンとはまるっきりお部屋の様子が違っているのが興味深いです(実はシーザーメトロ台北という、同じ会社が運営している別のホテルにも泊まったのですが、そちらもとてもユニークで興味をひかれました)。
まずはこちらの写真を見てください。
これは前室の様子なのですが、右側にガラスを通して、バスルームが丸見えになっているのが分かると思います。
バスタブに洗面台、シャワールーム、それにトイレが同じ場所に集まっていて、それぞれが仕切られているもののすべてがガラス張りになっていて、さらにその全体がガラスを通して廊下と空間的につながっているのです。
もちろん、このようにロールスクリーンをひいて隠すことはできますが、ここまで丸見えにしなくてもいいんじゃねえか、という気がします。
このように水回りが集まっていて同時に利用することは困難なので、かなり好みが分かれそうな作りです。現役のカップルならいいんですが、熟年夫婦などではどうかなぁという感じがします。
いきなり水周りから紹介してみましたが、奥に行ってみます。
こちらがベッドルームに入ったところです。窓際にデイベッドが2つ向き合って置いてあり、真ん中にミニバーがあるという、これまた見たことのないようなレイアウトです。
このホテルは屋上にインフィニティプールを作ったことから分かるように、シティホテルにリゾートホテルのテイストを持ち込むことを目標にしているといいます。そうした観点から、このレイアウトも生まれたのかもしれません。
ベッドの上をぐちゃぐちゃにしないで、ダラダラできる場所がそれぞれにあるというのは、考えようによってはいいようにも思います。
しかし、水周りに見られる親密感とは反対に、2人で話をするのにそれぞれがデイベッドにいては「おーい」という感じになってしまいますから、少しおかしいような気も。ともあれ、このような面白い部屋を見るのは大好きです。
このホテルは一応5つ星ということになっていますから、ミニバーもちゃんとしていました。コーヒーもカートリッジ式のもので、美味しくいただけます。
ただ、5つ星のホテルとしては、ベッドが110センチ幅のシングルサイズというのは弱点かもしれません。
また、電源関係は2つのベッドの間にまとめられていますから、スペースの制約が出てしまった格好です(それをカバーするためか、デイベッドの方にも電源が付いていました)。
ホテルの共用部分などについては、ヒルトンの開業プレビューということで記事にまとめてありますので、板橋の街の紹介ともども、併せてご覧ください。