台北ガーデンホテルはホテルから徒歩圏にメジャーな観光スポットがあって便利です。以前の記事で紹介した「龍山寺」の他にも、台北のランドマークとも言える「中正紀念堂」にも歩いて行けちゃいます。
中正紀念堂は中華民国の初代総統、蒋介石を讃えるための施設です。言うまでもなく、「中正」とは蒋介石の本名で、桃園国際空港もかつては中正国際空港と呼ばれていました。
蒋介石は1975年に死にましたが、翌年には建設がはじまり、1980年に完成しました。後述しますが敷地がめちゃくちゃ広く、夏場の炎天下に行くにはしんどいので、朝イチの涼しい時間を選んで訪れました。
台北ガーデンホテルからは歩いてもいいのですが、MRTに1駅乗るのもいいと思います(小南門駅から乗車)。
駅は中正紀念堂「直結」なのですが、以下の図でわかるように、紀念堂は敷地の反対側にあるので、屋外をかなりの距離、移動しなければなりません。夏場は日傘必須かと。
本堂から振り返ると、このスケール感ですからね。この場所は日本統治時代の軍用地跡地だったそうです。
さて、駅を降りてすぐの正門には「自由広場」の文字があります。
戒厳令を敷いて「白色テロ」と呼ばれる暴力的な支配を行った蒋介石を讃える場所で「自由」とはこれいかに、思ったのですが、これは2007年になって掛け替えられた看板でした。
2007年まではこの門には蒋介石の座右の銘「大中至正」の文字が掲げられていました。蒋介石に対する評価は複雑なのでしょう。当時のニュース記事が「台北駐日経済文化代表処」のサイトに残っているので紹介します。
陳水扁総統が「さようなら、蒋介石」と題する文章を発表 – 台北駐日経済文化代表処
さて、敷地を本堂に向かうわけですが、左右対称に「国家戯劇院」と「国家音楽庁」が建っています。これらを合わせて「国家両庁院」(二つのホール)と呼びます。シアターとコンサートホールで、英文表記は「National Theater & Concert Hall」です。
中正紀念堂から見て左側が国家戲劇院、
右側が国家音楽庁です。
設計はいずれも楊卓成で、圓山大飯店も手がけた建築家です。
さて、ようやく本堂まで来ました。本堂につながる階段は84段あり、本堂の正面にあと5段あるので、合計89段。これによって蒋介石の享年「89」が表現されています。
朝早いので、本堂のドアはクローズしていましたが、9時前の段階で、この後のイベントでいい場所をゲットしようと、けっこうな数の観光客が待機していました。
9時になるとドアがオープンし、有名な衛兵が登場です。
毎日9時から17時まで、1時間ずつ交代で蒋介石の石像を護衛しています。
この日9時に登場した軍人の制服は青。これは空軍だそうです(陸軍は深緑、空軍は青、海軍のみ夏は白、冬は黒)。5人登場しますが、2人が2組、警備の交代で、1人は先導役です。朝イチなのでどうなるかと思いましたが、5人での登場でした。
2人が左右に分かれて台に乗って警備し、3人は退場していきました。
蒋介石の石像はホント、リンカーン記念堂を思わせる作りです。見上げれば中華民国の国章「青天白日」が描かれていました。
というわけで、ミーハーに美味しいところを見学しただけですが、プチ社会科見学、といった感じでした。これがきっかけで台湾に国民党と民進党があるのも知ったし(レベルが低くてすみません)。やはり、海外でこうした政治的な施設に行くのはいいですね。ニュースにも目が行くようになりますから、特にファミリーにはおススメです。