エクシブのローエンドコース価格の変遷

週末のオフ会の準備で資料を作っています。リゾート会員権の問題点について論点を総ざらいするのが今回のテーマなんですが、話題の1つに「運営会社が勝手にルールを変えちゃう」というものがあります。その最たるものが「値上げ」でして、特に顕著なのはエクシブにおけるレストラン価格の「爆上げ」です。

この記事、どのカテゴリに分類しようか迷ったんですが、ぜひこれからの方が会員権を購入される前に知っておいてほしいことなので(既に持っている方はもうよくご存知なので)、「エクシブの購入ガイド」カテゴリに入れておきます。

まずはグラフを見てください。過去20年間のエクシブのレストランにおける、最も安いコース料理(いわゆる「ローエンドコース」)の価格を年単位でプロットしたものです。補足のために、年代順に変化部分について説明します。

by resortboy

まず、2005年の春まで、エクシブのコース料理はローエンドが2,500円++でした(グラフではサービス料込み、税抜きで表現しています)。それが2005年4月に3,500円++となりました。なお、++というのは「サービス料がプラス」「消費税がプラス」という意味です。

この頃の昔話を、僕とトラベルライターの舟橋栄二さんの対談で語っていますので、古い話がお好きな方はご覧ください。

(参考記事)エクシブの魅力は「安さ」だった – スペシャル対談 舟橋栄二さん(2)|番外編 – resortboy’s blog

2021年のいま見ると、「ホントかよ」と思うような価格帯なんですが、本当です。以下は、エクシブ蓼科開業当時の契約書の別表です。今ではオールドエクシブと呼ばれるホテル群の利用料金が列記されています。

さすがの僕も、エクシブ軽井沢で1,500円++のディナーがあった時代は知りません。ともあれ、当時は全エクシブで一律2,500円++から夕食があり、それは契約書にも明記されていたことでした。

2005年の値上げ後、ローエンドが3,500円++の時代が長く続き、これが2015年10月に4,000円++に値上げされました。これはいわば「マイナーチェンジ」と言えるものでした。

(関連記事)エクシブ、サンメンバーズの全レストランで料金改訂|エクシブの活用術 – resortboy’s blog

2005年に続く大きな変更は2017年で、エクシブ伊豆を除いて4,000円++のコースが廃止になりました。なぜ伊豆だけ残ったかというと、程なくしてレストラン自体がなくなってブッフェだけになるという「淡路島方式」の運営変化が発生したからでした。

(関連記事)2017年10月から夕食メニュー変更|エクシブの活用術 – resortboy’s blog
(関連記事)Goodbye ラペール|エクシブ伊豆 – resortboy’s blog

そして今年の秋からはさらに値上げになります。以下の記事で報じました。タイトルにある通りです。

(関連記事)エクシブのローエンドコース、10月から7,260円に|エクシブの活用術 – resortboy’s blog

エクシブというホテルチェーンの位置付けはこの20年間で変わったと思いますし(ホテル自体は同じだとしても)、食事の内容は同じというわけではないので、単純に比べることはできませんが、この20年間でエクシブでの食事は、ローエンドコースだけ見れば2,500円++から6,000円++にまで駆け上がりました。

税を無視しても、2.4倍です。先に示したように、ホテル利用において食事の価格は「契約書に書かれるほど」に大切な購入時の前提条件です。それがこんなに変わってしまうことがある、という事実を知ってほしいと思います。

「じゃぁおれはコンビニ弁当で済ませるよ」というのはだめなんです。以下はリゾートトラストの宿泊規定(ご利用規則)です。1条5項には禁止事項として「当ホテル外からの飲食物等の注文及び持ち込み」が示されています。この規則のこの項についての有効性は実際のところ疑問ですが、ホテル側としてそのようにお願いしている、ということです。

これらについての議論は、週末のオフ会ですることにいたしましょう。今日のところはデータを提示するに留めますが、当日いらっしゃらない方の方がずっと多いので、思うところのある方は是非ともコメントをお寄せください。

5 comments

  1. 先月、リロバケーションズ社のポイントバケーションリロを購入したばかりです。宿泊キャンセルは1週間前まで無料(ポイント消化なし)という契約だったのですが、まだ一度も利用しないうちに、「3週間前から20%、2週間前から50%、1週間前から100%のキャンセル料(ポイント消化)に、来春から変更する」と知らせがありました。それだったら購入しなかったのになあ・・・。

  2. まさひろさん、コメントありがとうございます。リロの件、僕のブログでは意識的に紹介してこなかったのですが、お求めになったすぐ後にそのような変更があったとは、とても残念なことですし、運営会社は責めを負う必要があるように思いますね…。

    1週間前からキャンセル料100%というのは、他の事例で言いますと、古くからあるサンメンバーズ(リゾート)において、予約を宿泊予定日の7日前以降にキャンセルすると、キャンセル料として利用実費またはお部屋代(ルームチャージ)がまるまるかかるという制度になっています。でもこれは、1970年代にできたクラブの規定です。

    これと比較すると、業界の慣習としてギリギリ許されるという見方もできますが(なにしろサンメンはまだまだ現役の会員権なので)、2020年代の現代においてはかなり「ひどい」規定のように感じました。実は僕も今日、予約していたホテル(高級と言っていいシティホテル)をキャンセルしましたが、2日前まではキャンセルフリーでした(前日からキャンセル料を徴収)。エクシブがそうであるように、3日前(しかも繁忙日のみ)くらいからのキャンセル料徴収がメンバーシップ制のクラブでは望ましいと思います。

    今のところ、僕のブログのカバー範囲は「消費者保護」という観点での議論までたどり着いていないのですが、僕の活動の最終的な目的のひとつはそこにあります。消費者団体などを通じてクレームを発するのも一つの考え方なのではないかと思いました。

  3. resortboyさん、連日の詳細なレポート、ご苦労様です。
    サンメンバーズの話が出ましたので、私から話題を1つ。

    「サンメンバーズひるがの」は標高900mのひるがの高原にあり夏の避暑地にいいです。またホテル内がプチエクシブの雰囲気が漂い私のお気に入りのホテルになっています。毎年8月に友人夫妻と宿泊して旧交を温めています。(来週宿泊予定)ところが、今や夕食(注:下記サイト参照)の最低価格が8000円になっています。これに税・サービス料がかかってきますので夕食だけで1万円近くなります。これでは気楽に泊まれないなあ~、てな感じです。
    https://sunmembers.jp/hiru/restaurant/newstyle/menu.php?category_cd=20210618ctc0003&category=%E5%A4%95%E9%A3%9F

    resortboyさんの「エクシブのローエンドコース価格の変遷」は歴史の証言者として残す価値がありますね。かってのエクシブの夕食は本当に豪華で安くて美味しかった!よって、長年、エクシブを愛してきた私としてはエクシブのディナー料金の改悪が一番痛かったですね。これで私の足がエクシブから遠ざかりました。

    会員制リゾートクラブというのは「(高額な)会員権を買って年会費を収めるかわりに、豪華なリゾートホテルにお安く泊まり、しかも食事もしっかりしていて(美味くて)リーズナブルに頂ける」というコンセプトだと思っていました。それが崩れましたね。

    参考までに8月上旬に泊まったセラヴィリゾート泉郷の「ホテルアンビエント蓼科」の宿泊代金は(会員料金)1泊2食税サ込みで8500円でした。朝食・夕食共にビュッフェです。しかも夕食はアルコールを含んだフリードリンク付きでした。特設のバーカウンターがあり、アルコールメニューから好きなお酒を何杯でも注文できます。十分満足しておつりがくる気分でした。

    夕食のコース料理だけで8000円(++)のサンメンバーズと1泊2食税サ込みで8500円のセラヴィとの違いは何なんでしょうね?

  4. こちらは夕食に関するデータですが、朝食値上げのスレッドにたくさんのご意見をいただいているので、関連する話題として、こちらにもご注目いただければということで、コメントを入れて「上げて」おきます。

    こちらの記事に書いているように、会員制ホテルにおけるレストラン料金は、契約に準ずる事項です。夕食と比べて朝食は長く大幅な値上げがなく、よく初期の水準が守られたきたと言うことができると思います。

    なお、2000ゼロ年代後半からは、エクシブの契約書にこのようなレストランの金額表示がなくなったことを確認しています(記事にある契約書はエクシブ蓼科開業当時のもの)。

    それと、いわゆる部屋食は一応NGということになっていますので、その点についてもこの記事でご確認ください。

  5. 時は流れて2023年夏です。4,000円++の夕食と1,200円++の朝食が付いて7,700円という格安プランが登場し、現実的には期間限定でローエンドコースが復活した格好になっています。

    振り返ると、料理の価格を上げる一方で格安プランを作ることで、リゾート会員権の特徴であった「年間一律料金」を壊して、繁忙期と閑散期の2重料金制度になったと見ることができます。

    今や1人1万円統一価格になった(8,000円++)ディナーブッフェも、同じ文脈で理解することができます。値上げは依然として行われていて、2023年は子ども料金にメスが入りました。

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