ウィズコロナ時代の要請から、レストランの座席は大幅に間引かれ、稼働率を下げざるをえなくなりました。飲食業は収益減をなんとか食い止めようと、テイクアウトやデリバリーに活路を見出そうとしています。エクシブにおいても同様の試みがはじまりました。お部屋にお食事をレストランからデリバリーする「インルームダイニング」です。
冒頭の写真はエクシブ浜名湖のお部屋での1カットです。こんなふうにダイニングテーブルがあるエクシブのお部屋は珍しくありませんから、従来的な感覚で言う「ルームサービス」を超えた、レストランサービスの延長としてのお部屋食=インルームダイニングが発展的に始まるのは、自然なことだし、エクシブらしいと言えるかもしれません。
インルームダイニングとして用意されるメニューは、ホテルによって随分違いがあるようです。まだはじまったばかりなので逐一紹介するのは避けますが、価格にしても内容にしても、レストランのそれがそのまま適用されているようなイメージです。例えば、写真に挙げたエクシブ浜名湖の場合、現在のところは以下のような感じです。
(夕食)
浜名湖うなぎ御膳 2人で10,000円++
(税金とサービス料がそれぞれ10%かかるという意味。すなわちこの場合は12,100円)
浜名湖豪海丼御膳 同上
料理長 たくみ御膳 2人で24,000円++
お子様膳 1人 3,000円++
(朝食)
和朝食膳 2人で4,500円++
写真などの詳細は、以下の公式ページをご覧ください。
(公式)グランドエクシブ浜名湖 ゴルフ&スパリゾート インルームダイニングのご案内
このサービスをどう見るかは、人それぞれだと思います。ホテルのルームサービスとして考えれば妥当な金額です。しかし、そのホテルのヘビーユーザーである「リゾート会員権の会員」が繰り返し利用する「デリバリー」として見たらどうでしょうか。
数日前、このような記事を読みました。
林伸次 居酒屋やバーは消えてゆく|特別寄稿「 #コロナと日本人 」|文藝春秋digital
この記事から引用します。
売っていたのは“空気”
レストランで出していた料理を、お店と同じ値段でテイクアウトにしたところ「高い」と批判されたことで、飲食店側の人間が「今まで自分たちは、料理や飲み物を売ってたのではなかったんだ」と気づいたことでしょうか。
僕は渋谷で「ワインバー」をやっているのですが、実際、「テイクアウト」といっても売るものはありません。「そうか、今まで僕が売っていたのは、この夜の渋谷のバーの雰囲気と、ここで出会える人たちとの会話や偶然といった“形がないもの”だったんだ」と気づきました。
エクシブのようなリゾート会員権は長い間、「別荘」に対するカウンター的価値観でその意義付けがなされてきました。まぁ今のリゾートトラストはそこからさらに別の発展をしているわけですが、従来的なエクシブや東急ハーヴェストクラブなどはそうだと言えます。繰り返し通って、第2の自宅として落ち着く場所です。高級ホテルは一般的にはハレ(非日常)の場であり、ケ(日常)の空間ではありませんが、エクシブにおいてはそうではありません。
しかし、ひとたびエクシブのお部屋を出れば、ラインナップのそろったレストランから今宵のお店を選ぶことができます。身だしなみを整えて、時には着飾って食事をする。そんな文化がエクシブにはあると思います。エクシブというメガホテルの中にハレとケがあり、ホテルそのものがデスティネーションになっている。そんなスタイルを今から30年も前に確立したリゾートトラストという会社は、本当にすごい会社だと思います。
ですから僕の考えでは、「インルームダイニング」なるものがレストランの延長として位置づけられている現状には、あまり成功の匂いが感じられないのです。レストランで何を売っているのか、顧客は何を買っているのか、という当たり前の問いを、深く考えていないように思われるのです。部屋着でお化粧もそこそこに、テレビを見ながらご飯を食べるのでは、ハレの場としての「レストランの空気」が販売されませんから。
だからきっと、利用する人はごくわずかでしょう。
しかし、こうしたインルームダイニングは時代のニーズに合ったものですから、ホテル業としてはぜひやるべきです。実例を挙げて1つのヒントを提示しましょう。上記のように、提供側がレストランの延長だと思ってサービスを考えるので、このようなミスマッチが起こるのです。エクシブのお部屋は日常の延長です。ですから、思い切って価格を下げる必要があります。
こちらの写真は、最近、とあるホテルのお部屋で「インルームダイニング」した洋食の朝食です。
さらにこちらは、和食の朝食の一例です。
このホテルでは、これらの朝食は、いずれも600円でした。
これが600円で部屋で食べられるなら、みんな頼むのではないでしょうか。しかも、上の画像に「無料」とありますが、ホテルを繰り返し使ってロイヤルティプログラムで上級会員になると、これらはタダになります。
現実問題として、メガホテルであるエクシブでこの価格帯でお部屋に朝食をデリバリーするのは困難だと思います。しかし、ウィズコロナ時代の会員制ホテルとしては、レストランで食べるよりもお部屋食がトク、くらいに発想を切り替えないとダメなのではないかと思うのです。
某エクシブで朝夕共、インルームダイニングを利用しました。
朝食はリラックスした格好で(特に女性にとっては楽)いわゆるルームサービスの贅沢さを、リゾート感覚で楽しめました。
でも、夕食はと言いますとちょっと違いました。
なんだか、最近よく言われる「おうちごはん」の延長のような感覚なのです。
resortboyさんが言われる通り、「身だしなみを整えて、時には着飾って食事をする。そんな文化がエクシブにはあると思います。」というのは、時には面倒ですが(特に夕方にスパで寛いだあとなど)改めてそれが正しいし、魅力なんだなと感じました。
blueroseさん、さっそくインルームダイニングをご利用されたんですね。しかも朝も夕も!
コメントをいただいて、とても同感だと思いました。また、僕が記事で書いたことには、少し書き足りなかったことがあるな、とも感じました。
ホテルでお部屋で朝食をいただくのは、とてもぜいたくで「非日常的」な体験ですよね。セリフで言うなら、「朝からこんなにラクさせてもらっていいのかしら」みたいな。
それと対象的に、夕食のインルームダイニングは、デリバリー以上の価値があまり感じられないのかもしれないですね。
これはどうしてなのか。朝食はワンプレートでも盛り付けに工夫すればレストランでの食事に負けないリッチな感じを出せますが、夕食だとどうしても「なんとか御膳」のような感じになってしまって、コース仕立てには遠く及ばない。そういった、朝食と夕食での「求められるフォーマットの違い」というのもあるように感じました。
朝食は期待値に近いものをインルームで提供できるが、夕食ではそれは難しいのかもしれません。
ところで、エクシブとベイコート倶楽部のインルームダイニングに関して、公式な特設ページができていたのでご紹介します。
インルームダイニング特集|リゾートトラスト株式会社
インルームダイニングに関して言えばベイコートクラブがコスパ的には納得がいきます
https://bit.ly/37PhUOB
ウナギもエクシブより安いし
https://rion.mobi/upload/hotelnews/3194/pdf.pdf
グルマンプラッター寿司なし18,000円はしっかり4人前で過不足ありませんでした
我が家は箱根で中華のインルームダイニングを利用しました。
とても満足な内容でしたよ。
お値段的にはローエンドに近いのに(お子様食が大人用の取り分けで対応できる分、総額はローエンドコースを下回ります)、豪華な食材も多く、量もたっぷり。華やかな気分になれます。
何より、食事に飽きて立ち歩き、あわよくば個室外に逃げようとする子どもたちを留める苦労をせず、食事に集中できる…!!今の私には、これが最高の贅沢かもしれません。
東京ベイコートのグラマンプラッター寿司なしも、満足度が高く、我が家の定番になりつつあります。
これまでSSの方にしか許されなかったお部屋食が、スタンダードでも楽しめるようになったのは快挙だと思います。これからも続けてほしいです。
レストランが食事だけで、料金を取っているのではないと言うのは
同感です。
さぁ、食事に行くぞと服装を整えて出るのも儀式のようなもので。
女性陣は食事終わるまで、お風呂に行けないと苦労もあるようですね。
昔珈琲専門店を開業しましたが、空間をも併せてお代金を頂くのだと
関西の老舗上島珈琲貿易の社長に教わりました。
子供が結婚した今、孫を連れて行く場合はインダイニングありですね。
ルームチャージ半額券が、同封されていましたが、有り難い。
早速夏の旅行の部屋をランクアップしました。
下手にプランを使用するより、ルームチャージを使用した方が
お得ですね。
2つの契約施設のうちの1つの夕食半額の権利を使い果たしました。
結構お一人で来られてる方が多い印象を受けます。
Balthasarさん、きのこさんおすすめの「グルマンプラッター寿司なし」(¥18,000++)はこちらです。
え(!)、エクシブも頑張らないと…。
また、きのこさんのお話を聞いて、「非日常感」は人それぞれだなぁと、またしても感慨深い思いを抱きました。自分も以前は小学生以下の3人の子連れでエクシブに行っていましたから、食事は毎回、それなりのストレスでもありました。写真も撮ったりしていたし、かなり疲れていたと思います。
今までできなかったことがインルームダイニングによってできるようになった、というのは、まさしく「最高の贅沢」ですね。楽しんでおられる様子を伺えて、僕の記事の足りない部分が広がったように思います。
makunoutibentouさんのおっしゃるように、3世代で楽しんで、シニアのお財布パワーが発揮されれば、このソリューションはさらに力を発揮しますね。いい話を聞かせていただきました。ありがとうございました。
3週間先の蓼科でインルームダイニングの朝食を予約しようと電話しましたが、すでにいっぱいと断られました。
ミシマさん、ご無沙汰しています。お話を伺って、また見えていないかった一面に気付かされました。マンパワーの問題があるから、会場としてのお部屋はあっても、そこにお料理を運んでくるスタッフの数がボトルネックになるというわけですね。
その昔、お正月のエクシブのお部屋で朝食を食べられる、今でいうインルームダイニングの企画があって、申し込んだものの、待てど暮らせどお料理が運ばれてこなくてかえっていらいらしてしまったことがありました。オペレーションはこれからの課題ですね。
ウイズコロナの時代にはこうしたお部屋食のサービスは必須となってくるわけですから、ホテル側としてはシステム面に投資して、注文する方もスマホでピピッと注文できるような感じでストレスがないように、予約や運営を改善していくことが望まれますね。
インルームダイニングも二人でゆっくりしたい方(ラブラブカップル)や小さなお子さんがみえる家庭には人気が出ると思います。SSタイプでのインルームダイニングはセレブ感ありますよね(残念ながらうちはラージなんです…)
お盆の軽井沢パセオに予約が入れてあるので、ゴルフ後のばんごはんにとインルームダイニングの利用ができるかと問い合わせてみました。主人と二人の利用(ラブラブカップルではありませんが…)なので1ベッドルームのお部屋です。
結果…部屋タイプで利用不可と言われてしまいました…
和洋折衷会席重(12000円)おいしそうなのでお持ち帰りできないかしら?帰ってからのお土産ごはんにしたくなってます(笑)
リゾトラおせちは以前1度だけ購入しましたが、まるごと冷凍配送でしたが、こちら買って帰れたらよいのにな…
12月の勉強会ではお世話になりました。
先日箱根でインルームダイニングを利用しました。夕食が洋、朝食は和を選択しましたがどちらも質、量とも満足でした。
夕食は多すぎて食べきれず途中で小休止しながら完食しました。コスパも良いと思います。
時折、大浴場やレストランへの移動が大変な体の不自由な人を連れて行くので、東急ヴィアラのルームサービスを利用したことがあります。
エクシブのおいしい食事が部屋でいただけるのは楽でのんびりできるので是非何らかの形ずっと続けて欲しいです。軽井沢パセオは食事のための移動が面倒で泊まったことがありませんでしたが、インルームダイニングがあれば利用できそうです。
箱根はソファで戴きましたがダイニングテーブルがある方が食事しやすいかもしれませんね。あまり気になりませんでしたが。
ジューシーママさん、asanohaさん、コメントありがとうございます。
このスレッドはいろいろな気付きがあって、とても学びがあります。「お部屋タイプによりインルームダイニング不可」ということがあるんですね。例えば、エクシブはいつの頃からか和室の机をとても小さくしてしまったので、そういった小さなテーブルしかないお部屋だと、インルームダイニングは物理的にNG、ということなんでしょうかね。ホテル側にはインルームダイニング受け入れOKのリストを出してほしいところです。
ダイニングテーブルのあるお部屋ばかりではなく、むしろソファーで食べることが多くなるのかもしれないですね。そうなると、必然的にダラダラして、飲み会的になってしまうかも。
それでまた余計なことを考えましたが、自宅からワインを持っていったら、さすがに持ち込み料なんて取られないですよね。でも、ワイングラスを貸してくれ、という要望を出したらどうなるでしょうね。ベイコート倶楽部にはシャンパングラスとかありますけれど、エクシブにはコップしかないですよね。
以下は、今月某日に都内で利用した某まぁまぁなホテルなんですが、時代の要請に合わせて、ワイングラス、食器、カトラリーをお部屋から電話一本で貸し出してくれるという素晴らしい取り組みをしていました。
コンビニでおつまみを買って、ホテルの食器に並べれば、それはもはやインルームダイニングですし、提供側もさしたる人的投資が要りません。ローエンドのホテルでは難しいと思いますが、一定以上のホテルでは当たり前になるのではないでしょうか。だって、その方が双方のためだもの。