RTCC不加入はRCI廃止への同意と引き換え

この話題は今回で終わりにしようと思うが、先週来話題となっているエクシブ(リゾートトラスト)のRCI提携終了とRTCCへの不加入に関する問題についてである。

速報として先週掲載した記事では、対応策として3つの可能性を挙げた。1つはこのほどの制度改変に同意して、何もしないというもの。これについてはRTCCの新しい海外交換プログラムがどんな性格のものなのかを分析して、判断材料を提供したつもりだ。

(参考)resortboy’s blog – リゾート会員権ブログ — ワイキキのRTCCホテルを検討してみる

2番目は、支払った運営管理費に含まれているRCIの年会費を返還してもらうというもの。これについては公式に対応がされていて、以下の記事で既報の通り、「RTCC不加入の届出書」を取り寄せて手続きすることができる。本記事ではこれについて補足したい。

(参考)resortboy’s blog – リゾート会員権ブログ — RTCC不加入で年会費を安く。TBCC交換も従来通り

3番目としては、リゾートトラストの契約違反を事由として、エクシブやサンメンバーズを退会するという可能性を示唆した。だが、実はこの2番目と3番目は密接にからみあっていた。

今日、僕のところにも2番目に言う「届出書」が届いたのだが、これがなかなか狡猾な内容であったのだ。というのも、RTCCへの不加入は、RCI廃止への同意と引き換えとなっているのである。

書類の正式名称は「RTCCサービスに関する同意特約書」となっていて、今回のRCI脱会にともなうRTCCの発足への同意がベースとなっている。同意内容を引用すると以下の通りだ。

特約(筆者注 RCIに関する規程が効力を失い、RCI年会費がRTCCサービス運営費用に充当されるという内容)を原契約に適用すること。ただし私/当社は、RTCCサービスを利用することができないこととし(Cグレード以上のエクシブ会員権については、TBCC・エクシブ交換プログラムは利用可能)(筆者注 左記のカッコ書きは原文ママ)、これと引き換えに、運営管理費の年額は…(筆者注 以下は省略。以降、10,500円または8,400円の減額となる旨が記載)

わかりやすく言えば、以下のような内容だ。1)RCIに関する契約内容は白紙になったので、まずそれに同意してね。RCI年会費はRTCCサービス運営費用にそのまま使うね。2)キミは異議の申し出をしたから、RTCCの会費は受け取らない。よってRTCCサービスは使えないことになるよ。3)RTCC加入なしでも、ラージグレード以上ならTBCCは交換利用できるよ。

この「特約同意書」にサインをして返送してしまうと、RCIが白紙になったことに同意したことになるので、3番目の可能性、つまり、リゾートトラストの契約違反を事由として、エクシブやサンメンバーズを退会することができなくなってしまうという点に注意したい。

同封されていた書類によれば、この同意書は「2013年12月18日まで」に返送することが必要だと、下線付きで示されていた。これが手続きの締め切りなのだとするならば、リゾートトラストとの脱会に関する個別交渉をそれまでに終えなければならないことになる。

僕は「時間もないから、ひとまずRTCCに不加入表明してRCI年会費を返してもらって、買い取りについては並行して交渉しよう」と考えていたが、この届出書はそういった考えを封じてしまうものとなっていた。うーん、これは「さすが」と言っていいんでしょうかね…。

既報記事のコメント欄では、あっさりと退会について話が進んだという声もあったので、今回の事件を契機とした退会は不可能なことではないと思う。実際に僕も、リゾートトラストにRCI脱退を不服として買い取りについて問い合わせたところ、実際に買い取れるかはこれから検討としながらも、契約に基づいた返金額を具体的に計算してもらえた(これは意外だった)。

退会交渉は個別のことで、このブログでフォローする範囲を超えているのでこれ以上話すことはないけれど、これを機会にエクシブを辞めたい人はトライする価値があるんじゃないかな。特に保証金がたっぷりある人なんかは…。

11 comments

  1. 最近のRTCCの話題について、「一方的で酷いな。」と腹を立てながらも、結局2番目の選択肢かなと思ってました。
    そんな所に日経で
    「ゴルフ・リゾート会員権売却損、所得控除の対象外に 14年度から、政府・与党検討」
    http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS28042_Y3A121C1PP8000/
    のニュースを聞いてもう一度手持ちの会員権の売却を考えだしました。
    何度も検討されているし、今回も検討のニュースですが、12月18日までもう少し悩みそうです。

  2. RCIからRTCCに名前が変わったのかと思う程度で、開けて読むことすらしませんでした。
    さすが、resortboyさん、素晴らしい観察力ですね!
    以前、resortboyさんは、エクシブの料理を「みてくれ(の料理)」と評されていましたが、
    施設によっては、この言葉に本当に頷かされます。
    現在私は多忙で、海外に長期で行くことは叶わないので、金額の多寡の問題というより無駄なので
    RTCCには加入しないことにしました。

  3. こんばんは。
    先に届いたRT社の来年の手帳にも、これまでとおりRCIの利用手引きが掲載されているくらい、今回のRTCCへの移行は唐突感が否めませんし、これまでRCIへ加入し年会費を納めていたオーナーに対して一方的な話と思います。
    また、国内リゾートの利用は権利消化は不要で、約款には「受注型企画旅行」となっていますので、海外施設含めRTCCの交換プログラムはこれまでとはまったく異なるものと感じています。
    手配しもうじき届く同意書の内容を確認し、返送したいと考えていますが、日経の記事はタイムリーですね。
    またTBCCが交換利用が可能とのことですが、稼働率を上げるためにトライアルチケットがあるくらいですから、想定内です。

  4. HGVCからRCIのサイトを見てみました。先日は、JAPANという見出しがなくなっていましたが、今日は、エクシブも含めて、オンラインで交換が出来る状態になっています。今でているのは、リゾーピアが箱根、別府、久美浜、熱海、リステル浜名湖、サンメンバーが鹿児島、神戸、京都嵯峨、名古屋錦、名古屋白川、エクシブが淡路島、伊豆、白浜、鳥羽の14カ所です。
    エクシブ伊豆の取れるところは、1月26日、2月2日16日23日、3月2日9日、4月13日、5月18日、6月1日15日22日からの総て6泊です。
    リゾーピア箱根の取れるところは、2月9日16日23日、3月16日、6月1日8日15日23日からの総て6泊です。
    リゾーピア熱海の取れるところは、1月19日、2月2日9日16日、3月16日、5月18日、6月1日8日からの総て6泊です。
    結構空きがありますね。今までより空いていると思います。RCIとの提携解消前に駆け込みで交換の申込をした方が多いのかもしれません。

  5. こんばんは。
    移行で海外交換プログラムが私には不利になりそうなので、また預かり保証金が売却よりもたくさんあるので、エクシブの退会と保証金の返還を申し出ました。
    すると、業務担当者から電話があり、「RCIは単なるエクシブに付随したサービスなので、RTCCへの移行に同意できないとの理由で、エクシブの退会を認めない。また、今まで退会を認めた会員は一人もいない。」と言われました。
    「RCIも無料のサービスではなく、年会費を支払っている契約サービスです。同意がない場合一方的な契約違反の事由でもあります。退会した人は本当にたった一人もいないのですか。」と聞きましたが、「一人もいない。エクシブ退会も認めない。認めた人は一人もいない。」と断言されました。
    そういうことらしいです。
    「売却したければ中古市場で売れ。今回のRTCCの移行でエクシブの退会を認めないし、預かり保証金の返還も一切認めない。」と最初に言われ、口調で今まで知らなかったエクシブの違った一面を知ることができました。

  6. この事例の場合、預かり保証金が中古会員権価格より高い場合も多数あることから、、リゾートトラスト側からすれば認めるわけにはいかないでしょうが、仮に裁判をして、同意がない場合一方的な契約違反の事由が認められればRT側が敗訴する可能性は多分にあります。

    ただし、裁判に勝ったからといって得をするわけではありませんしねー

  7. 皆さんこんにちは。コメントありがとうございます。特にkiramekiさんには、貴重なレポートをいただきありがとうございました。

    僕も経験しましたが、RT社は非常に態度を硬化させているように感じています。「エクシブの違った一面」というのは、とてもよくわかります。常識の通じない世界がそこにはあります。

    Q:「RCIの利用を前提に契約し、契約書にRCIについて記載があるのですから、一方的に破棄するというのは、契約違反なのではないでしょうか?」
    A:「いいえ、契約違反ではありません」
    Q:「どうして違反ではないのか、理由を説明していただけますか?」
    A:「当社の法務がそう言っているからです」

    という問答を、僕もやりました。間に立った方は、僕の話をよく聞いてくださり、記事にも書いたように買い取り見積り額の通知までしていただけ、大変親身な対応だったと思いますが、何か社内で通達でもあったのでしょう、最終的には上記のようなやりとりとなったところです。

    というわけで、第三者を入れるほかはなさそうですね。ここでは、マイルドな手段として、ADR(裁判外紛争解決)を前提として、以下をご紹介しておきます。

    四谷総合相談センター | 東京司法書士会 総合相談センター

  8. 契約違反というか、現時点では約款変更手続中ですので直ちに債務不履行になるわけではないですね。ただ約款変更に同意が出来ない場合の最終オプションは解約ですので、同意しない場合にも解約は出来ないと断定することについては疑問の余地があります。もちろん契約全体の解約ができるかどうかに関してはRCIが契約に付随したサービスに過ぎないものか、それとも契約内容の重要な一部分であるのかという点に関係してきますが、費用負担等の現状を考えると、単に付随的サービスに過ぎないという主張は苦しいでしょう。
    ただ、私も申立書類を取り寄せたのですが、本題にある同意特約は、RTCC不加入が「1代限り」であることを実現させるための技術的な条項で、退会という主張を封じるためのものだとも少し考えにくいところがあります。第三者への譲渡の際に当然にRTCCに加入させるためには、RTCCへの加入状態を形成しておき、特約により費用負担をなくすとともにRTCCの利用権はないものとするという方法は確かに意味があります。もっとも、もちろんこれをそのまま提出すれば移行に同意したことになり、解約オプションは放棄した扱いになるでしょうが…。
    いずれにせよ、今回の異議はイメージ的にはRTCC不加入ですが、実際の仕組みとしては、RTCCへの移行という原契約の変更は異議を提出してもかわらず、ただ費用・利用権について特約が付加されるだけであるということは確認しておく必要がありそうです。

  9. オーナーが半身不随になろうが、海外に移住しようが、絶対に退会は認めないということですね。なるほど。

  10. 有益な情報をありがとうございます。
    退会→返金には名義人が使えない事情(海外移住・不治の病で死ぬまで床に)しかできないと聞いていました。
    これを機にトラストに買い取ってもらうことが出来るなら幸いです。
    何せ伊豆・東海・東南海地震で地震や津波が来れば伊豆・白浜・鳥羽・淡路島の被害は甚大ですし、建物が消滅すれば
    会員権利も自動的に消滅すると規約に書いてあると理解してます。
    さっさと解約返金を受けてその時その時に好きなホテルや旅館の大きめの部屋に泊まるのが良いのではと思うようになりました。
    わたくしにはホテル内での客側のマナー(服装も含めて)が酷いのが目立ちますので良い潮時です。

  11. 皆さん、こんにちは。年末のバタバタで、ロクに更新&コメ返しできずに申し訳ありません。

    ところで、今日、リゾートトラスト社からRCI年会費相当が、指定口座に返金されていました。期日どおりに手続きされた方には、着金しているかと思いますので、確認してみてください。

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