権利不要の宿泊、年度末まで全日OKに

「サンクスフェスティバル」とは、リゾートトラストがホテル会員権に対する「契約外のサービス」として導入した施策で、数年前から継続的に行われているものです。内容は、条件を満たすと会員権の権利(占有日や宿泊券)を使わずに客室を利用できるというもので、具体的には、対象日の3週間前以降に予約して朝夕の2食を付けて利用すると、権利を超えて泊まり放題になるという制度です。

価格に弾力性がなく利用者を会員(および紹介者)に絞っているため稼働率を高めにくいという、会員制ホテル運営の弱点をカバーするための制度と位置づけられており(まぁ位置づけているのはワタシですが)、ヘビーユーザーに会員権の利用枠を超えた利用を認めることで、稼働率を高めようとする目的があります。一方で、会員権の権利行使のルールを運営会社が「拡張」したことについては、問題視する意見も見られます。

今回取り上げているのは、そのサンクスフェスティバルがさらに拡張され、名称が「会員様優待サンクスフェスティバル」と変わったものについてです。現在はコロナ禍で稼働率がさらに下がっているため、当面の間、対象日が「全日」となっています。

(公式)エクシブオーナー様 会員様優待サンクスフェスティバル|SERVICE INFORMATION 会員の皆様へ|リゾートトラスト株式会社

現在のところ2022年3月31日までの全日でサンクスフェスティバルが利用できることとなっていて、夏休みのお盆休みや年末年始といった、タイムシェアカレンダーでゴールドの日においても、権利を使わずに宿泊ができます。

この拡大されたサンクスフェスティバル制度は、名称こそ「会員様優待」とされていますが、対象は会員だけでなく紹介者も含まれますので、事実上、サンクスフェスティバル制度そのものの拡張です。エクシブ、ベイコート倶楽部、サンメンバーズの会員と、それらの紹介者が利用でき、離宮シリーズを含む全エクシブが対象です。

同社のホテルブランドで稼働率の低さが目立つのはベイコート倶楽部なのですが、エクシブ会員がサンクスフェスティバル制度を使ってベイコート倶楽部を利用することは、今のところできません。

ところで、リゾートトラストは従来の「タイムシェアカレンダー」という言い方を段階的に撤廃したいようで、「シーズン区分カレンダー」という言い方を導入するようになりました。会員権の「権利」というものの概念が、こうしたところでもだんだん、希薄になっていくのがわかります。

(公式)エクシブ2021-2022年シーズン区分カレンダー|リゾートトラスト株式会社

4 comments

  1. mickeyさん、情報ありがとうございます。そうか、まだ6月だから、リゾートトラストは古いページを更新するのではなくて、別のページを立ち上げたんですね。

    というわけで、本文の公式ページへのリンク部分を更新しておきました。

  2. パンドラの箱(サンクスフェスティバル)を開ける前提の今の収益構造に浸かったRT社はもはや箱を閉じることはできなくなっていると思います。

    結局のところ、良く利用し良くレストランを使う客が会社にとっての良客なんだと思います。

  3. ベアーさん、コメントありがとうございます。サンクスフェスティバルは登場したときは僕も非常に抵抗感があったのですが、すでに同社のホテル運営に欠くべからざる存在となったような気がします。

    「もはや箱を閉じることはできない」というのはおっしゃるとおりだと思います。

    会員制リゾートホテルは一般ホテルのようには施設の新陳代謝が行えないビジネスモデルになっていますので、古いホテルは次第に魅力がなくなってどんどん稼働率が落ちていきます。それをホテルに投資せずにテコ入れするには一般的には値引きしかないわけですが(会員制ホテルは建てた後に投資する仕組みがないため)、会員制ホテルには値引き文化がなじまないので、本丸である「権利」を不要とすることで仮想的な値引きを実現しているのがこの制度の本質と言えると思います。

    日本のホテル産業のトップの一角でこのような現象が起きていることは非常に興味深く、会員の皆さんとの対話を通じてリアルタイムに研究ができることはとても楽しいですね。

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