小出氏:これはとても私も伝え難い事ですけれども、
現在福島県は大変な汚染をもう既に受けてしまった訳です。
被曝というのは、もちろんあらゆる意味で危険ですので、
何とか汚染を受けた地域から人々が逃げて欲しい、と私は思うのですが、
チェルノブイリの原子力発電所の事故の時に、
強制避難をさせられたという汚染の基準があるのですね。
その基準を適用すると、今現在800㎢だというのが、
日本政府の発表です。
それは琵琶湖の面積の1.2倍に相当するという位を、
無人地帯にしなければいけない、という事になっている訳ですが、
でも日本の現在ある法律、例えば1年間に普通の方は1mSv以上の
被曝をしてはならない、という基準を適用しようとすると、
たぶん福島県全域に匹敵する程度の地域を
無人地帯にしなければならなくなると思います。一体そんな事が出来るのだろうかと考えると、
私は途方に暮れてしまいまして、
これからどうしたら良いのかな、という事を考えなければいけないと思います。