ドルコスト平均法は本当に有利か

金融機関が行う説明が、ドルコスト平均法に好意的な理由は、ある程度想像が付く。積立投資は一度顧客に納得させれば、顧客は自動的に一定間隔で金融商品を購入し続けてくれるので、営業上の効率がいい。また、ドルコスト平均法でリスクが低下すると投資家が考えてくれるなら、リスクのある投資対象を購入してくれるかも知れない。金額当たりの実質的な手数料率は、リスクが大きな商品の方が大きい傾向があるので、ここでも、「ドルコスト平均法はいい」ということになっていると、ビジネス上は都合がいい。

一方、ファイナンシャル・プランナーなどが書いた入門書でも、ドルコスト平均法が良いと書かれていることが多いし、バートン・マルキール「ウォール街のランダムウォーカー」(井出正介訳、日本経済新聞社)のような有名な書籍でも、「ドルコスト平均法はリスクを効果的に軽減する」題する一項目を設けて、約5ページにわたって、ドルコスト平均法のメリットを語っている(前掲書p403~408)。

だが、ドルコスト平均法は、本当に有利で優れた投資方法なのだろうか。筆者は、大いに疑問だと考えている。

第180回 ドルコスト平均法について整理する | 山崎元「ホンネの投資教室」 | 楽天証券

ドルコスト平均法が、積み立て投資と相性がいい方法であることを認めなくはないのですが、積み立て投資が貯蓄習慣として優れているというだけであって、ドルコスト平均法には、勘違いしていると気休めになるという以上の素晴らしい点があるわけではありません。これが「有利だ」とか「リスクが縮小するので安心だ」とか「長期で見ると、必ず上手くいく」といったことが言われると、「おいおい、待ってくれ。少しは頭を使ってよ」といいたくなります。

【楽天証券”ホンネの投資教室”】ドルコスト平均法について整理する – 評論家・山崎元の「王様の耳はロバの耳!」

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