フルーツをどう食べよう(果糖は悪か?)

学院長です。今日はフルーツ、というか果糖の話をします。

「糖質制限から糖質選択へ」と書くとカッコいいですが、これは何も中身を表していませんね。自分は糖質制限で健康な生活へのドアを開いたと思っていますが、「糖質は毒」みたいな、ちょっと考えればそんなわけないだろと思うような言説が堂々とまかり通る「素晴らしき糖質制限の世界」には大いなる疑問を持っています。

で、寝る間も惜しんでいろいろ調査したり、自分で血糖値を測ったりしているんですが、その「選択」としてまず取り上げたいのはフルーツです。

糖質制限の世界では、フルーツ(果糖)は悪、と断じられるケースが多いように思います。典型例は以下。出典は「医者が教える食事術 最強の教科書」です。昨年の大ベストセラーですね。

これによれば、

・果物に含まれるのはブドウ糖ではなく果糖
・果糖はエネルギー源ではなくすぐに脂肪になる
・フルーツが好きならちょっとだけにしとけ

本当でしょうか?

確かにブドウ糖と果糖では、代謝経路が異なります。

・ブドウ糖は小腸で吸収されて血液中に入り、全身の細胞でエネルギーとして利用
・ブドウ糖が余ると中性脂肪となって脂肪細胞の中へ取り込まれる

・果糖はほとんど肝臓で代謝(だから血糖をあまり上げない。GI値が低い)
・肝臓で中性脂肪などに変換され、脂肪として貯蓄されるので太る

よくある説明はこんな感じかと思いますが、もう少し突っ込んで書くと、

・果糖は肝臓で、ブドウ糖よりも速やかに解糖系に入って代謝される
・肝臓で取り込まれた果糖は、解糖系、TCAサイクルを経てATP産生で消費される
・余分なものは、グリコーゲンや中性脂肪に変換される

肝臓のグリコーゲン蓄積量はそれほど多くないので、果糖の代謝によって中性脂肪合成が促進されて肥満につながりますよ、と。

しかし、少なくとも「果糖はエネルギー源ではない」というのはウソですよね? また「果糖が脂肪になる」という点ですが、これには相当大量の果糖を摂取しないとそうはならない(一説には500g以上)ようです。

どうして極端な果糖悪玉論が強調されているのかというと、その源流は以下の書籍を著したロバート・ラスティグ教授がイケメンでプレゼンがうまかったからではないですかね。

果糖中毒 19億人が太り過ぎの世界はどのように生まれたのか?

えーっと、時間がなくなったので前振りだけで終わってしまいましたが、また書きます。

結論を先に読みたい方は以下をどうぞ。ネタ元をばらしておきます。

The bitter truth about fructose alarmism. | Alan Aragon’s Blog

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