コレステロールの真実 -2

TGとHDLの逆相関

しかも、しかも、しかもです。ちょっと興奮していますが(笑)、何とTGとHDLは逆相関することが分かっているのです。美食(特に糖質過多)や運動不足等でTGが増えればHDLが減り、生活改善してTGを減らせばHDLが増えます

このことは私の人体実験の結果からも明らかでした。次のグラフをご覧ください。私の「がんの2度目の手術」をした最悪の日々だった2008年(56歳)から、今年2023年(71歳)までの15年間のTGとHDLのグラフです。

私の血液革命は2013年(61歳)からはじまりました。TGは2013年をピーク(164)にして急減し、直近2023年2月(71歳)ではボトム(55)になりました。3分の1に減りました。一方でHDLは2014年(62歳)のボトム(46)から、直近のピーク(102)まで2.2倍になりました。見事に逆相関しています。

これにより私のLDLは超悪玉の小型LDLは消え、今や悪さをしない大型LDLが大半を占めています。動脈硬化性疾患の発症リスクが劇的に少なくなりました。

この劇的変化を実現したのが「糖質制限」と「朝食抜き半日断食」だったのです。

私のコレステロール物語

動脈硬化を制する者は老化を制します。このためには食事の改善が第1です。現代人はあまりにも糖質過多の食生活(参考)に偏っています。これを見直すことから出発です

このようにLDLのサブクラスまで踏み込めば、今までのように単純にLDLを下げるだけではダメなことが分かります。真犯人は小型LDLだったのです。

結論:TGを下げHDLを増やせば確実にLDLは大型化し動脈硬化のリスクは遠ざかる

そこで、TGをHDLで割ったTG/HDL-C比が冠動脈疾患発症の最も強力な独立した予測因子であるという研究(下記参照)も出てきました。

中性脂肪/HDLコレステロール比は安定狭心症の冠動脈疾患のリスクを予測する

上記のブログの執筆者・清水泰行氏によれば、理想のTG/HDL-C比は2未満で、彼はTG/HDL-C比1.3以下を推奨しています。

私の最新のデータは、TG:55、HDL-C:102よりTG/HDL-C比は0.54となります。また、resortboyさんが決死の覚悟で主治医との面談に臨んだ時のデータは、TG:33、HDL-C:63だったと伺いましたので、TG/HDL-C比は0.52です。我々2人とも、ドクターシミズが仰天するくらい良好なLDLです。

(参考書籍)「糖質過剰」症候群 あらゆる病に共通する原因 (清水泰行, 光文社新書)

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15 comments

  1. 私の兄は家族が皆外出している時に血栓が脳動脈に詰まり、具合が悪いのが発見された時は既に手遅れで治療もできず脳梗塞で亡くなりました。兄の享年を上回った自分としては日頃の健康管理の重要性が身に染みている今日この頃です。

    そんな状況下で「小型LDLを少なくし、大型LDLが多い脂質に体質改善すれば、たとえLDLが多くてもアテローム性動脈硬化は防げ、さらに、糖尿病やメタボ対策にもなる」という事を知った事はまさに福音でした。
    funasan日記の連載を読んできて、検査結果が少々悪くてもお医者さんの言われるがままに薬を飲むのはやめようと思いました。
    そして「自分の体は自分で守る」「薬に頼らず自分自身で立て直す」という事を心がけようと思いました。

    これからも筋肉トレーニングや有酸素運動を励行し、体を鍛えて気力、体力、健康と三拍子揃えて楽しく生きていければと思います。

  2. Mr.Sさん、知りませんでしたね。お兄さんが脳梗塞で亡くなったとは。家族に脳梗塞・心筋梗塞等で倒れた人がいると、高コレステロールが心配になりますよね。何しろ我々の頭には「高LDL血症→動脈硬化→脳梗塞・心筋梗塞」という恐怖のシナリオが刷り込まれているのですから。

    funasan日記第2部の後半は、コレステロール治療の闇に踏み込み、「真実を求めて」resortboyさんと私で何度も協議して原稿を仕上げてきました。読者無視の難解な日記になったところもありますが、現在行われているコレステロール治療の問題点を暴き、解決策も提示できたと自負しています。

    Mr.Sさん、70歳を超えてきた我々にとって余生は短いですから、残りの人生をめいっぱい楽しく過ごしましょう。そのためには健康第一ですね。funasan流「健康長寿の道」目指して今後も学習と実践(人体実験)をしていくつもりです。長い間、コメントありがとうございました。

  3. 先日の血液検査でLDL188、HDL54、TG89となり、もうスタチンでの治療をしないとダメですと言われました。57歳の私の場合、母も狭心症を患い、母方の兄弟いずれも心筋梗塞になっており、痩せているにも関わらず高脂質症なのは遺伝によるものだと言われました。過去10年以上140を下回ったことは一度もなく、特に今年は週1のジム通いと脂質制限をしてきてこの結果なので、もはや薬物治療もやむなしと思ったのですが、糖質制限が最後の頼みの綱なんですかね。ただご飯もパンも好きだからやりきれるかどうか。

  4. のぶぱんさん、非常に難しい問題ですね。素人の私がコメントしていいか分かりませんが、気が付いたことを率直に書きます。

    ・日本人間ドック学会のLDLの新しい基準範囲の上限は178です。のぶぱんさんのLDL188は超健康人の2.5%未満しかいない非常にまれなケースなので、無視するにはリスクが大きい気がします。(funasan日記34回参照)
    ・悪玉LDLと善玉HDLの比(L/H)が3.48となり、動脈硬化が進んだ「かなり危険」な領域にいる可能性があります。(funasan日記第17回参照)
    ・家族性高コレステロール血症(FH)の可能性?(以下参照)
    高LDL180以上+早発性冠動脈疾患の家族歴(第一度近親者:両親と子供、兄弟姉妹まで)
    「家族性高コレステロール血症(FH)について」【日本動脈硬化学会】
    https://www.j-athero.org/jp/specialist/fh_for_ms/

    以上より、担当医がスタチンによるコレステロール低下治療を勧めたのは妥当だと思います。ただし、スタチン治療をはじめると、多くの場合は飲み続けることになり、副作用のリスクがあります。

    ここで、別の見方(私やresortboyさんの考え)が出てきます。薬物治療に頼らず生活改善で動脈硬化を予防しよう、という方法です。以下、のぶぱんさんが家族性高コレステロール血症ではない、という前提で書きます。

    まず、中性脂肪について。
    最終回のfunasan日記のTGとLDLの中身のグラフを見ると、のぶぱんさんのTG89は小型LDLと大型LDLが拮抗している感じです。これをTG60以下に下げればLDLの中身から超悪玉の小型LDLを一掃できます。これ以上の動脈硬化の進行を阻止(発症予防)できます。

    次に、脂質制限について
    中性脂肪TGを食事で下げようと思って「脂質制限」をしてもTGは下がりません。善玉のコレステロールHDLは上がりません。脂質改善の切り札は「糖質カット」または「糖質制限」です。短期決戦で行くなら、主食の「ご飯、麺類、パン」をやめて「野菜、肉、魚」を増やせば効果大です。funasan日記第30回を参照して下さい。

    以上、勝手に書きましたが、少しでも参考になれば嬉しいです。

  5. funasan

    アドバイスありがとうございます。ここ3年でみてもLDL 176、186、188、HDL 59、61、54、TG 83、69、89と過去最悪でした。去年膵炎に罹ってしまい、体重が減り太りたくて、脂質制限する代わりにご飯食べる量増やしてしまったのがまずかったですね。
    タンパク質は摂取するようにしているのですが。
    ただ一生薬と付き合っていくのも抵抗があり、明日から炭水化物を極力抜く生活に変えてみます。よくよく考えたら体重減らすのが嫌でジムにいってもマシントレーニングばかりで有酸素運動はしていませんでした。

  6. のぶぱんさん、昨年、膵炎になって体重減少したとのこと、大変でしたね。もう膵炎は完治されましたか?
    ちょっと気になることですが、糖質制限を厳しくすれば「脂質」と「タンパク質」の摂取が増えますね。ご存じのように脂質とタンパク質は膵臓に負担をかけますので、どの程度のさじ加減で糖質制限をやればいいのか私には分かりません。慎重におすすめ下さい。

  7. Funasan

    慢性膵炎なので完治はないです。バランス難しいですね。とはいえ体力も必要で何も食べないわけにはいかないので脂質と糖質を抑えつつ、タンパク質中心の生活にしてみようと思います。

  8. 了解です。のぶぱんさんはまだお若いので十分回復力があると思います。糖質制限の学習と実践でTGを下げ、HDLを上げれば動脈硬化予防になります。動脈硬化を防げば心血管系の病気予防だけではなく、慢性膵炎や糖尿病、その他の様々な生活習慣病の予防になると思います。人生100年時代を健康に生き抜くためのスタートにして下さい。

  9. Funasan

    早速今日から実施してみたのですが、
    パンとかご飯食べないと結構お腹すきますね。
    ダイエットしたい人にとっては良いかも
    しれませんが、太りたい人にとっては
    さらに体重減ってしまうことが心配です。

  10. のぶぱんさん、私の今までの「糖質制限」についての認識は「太ったメタボ体質の人がしっかり実践すると、体重減と脂質改善がされる」というものです。

    のぶぱんさんのご心配のように、主食(ご飯・パン)をやめるとカロリー減になり、ますます体重減になります。体重増が希望で慢性膵炎もお持ちののぶぱんさんに「糖質制限」が有効かどうか私には分かりません。逆に健康を害する可能性もあるかもしれません。

    resortboyさんのドキュメンタリーにあるように、医師の処方に反して「スタチンを飲まない」という決断は相当な根拠と決意がいります。ここはしっかり研究され、担当医と相談して食生活の見直しをしてはいかがですか?

    何かご質問があれば、今後は直接私にお問い合わせ下さい。Eメール先は下記の私のホームページの下段に載っています。よろしくお願いします。
    http://www.e-funahashi.jp/

  11. Funasan

    ありがとうございます。
    本掲示板の主旨から外れてしまっているので
    今後は頂いたアドレスに連絡させて
    いただきます。

  12. FUNASAN

    素晴らしいレポートに感嘆しております。
    凄い説得力ですね!
    とても参考になり、小生の今後の健康増進に大いに寄与する内容に感謝致します。

    要するに血液中の中性脂肪を下げてHDLコレステロールを上げれば良いと言うことですよね!
    パルモディアと言う中性脂肪を下げてHDLコレステロールを上げると言う薬がありますがこれについてはどう思われますか?

  13. ヘビーユーザーさん、特大級のおほめの言葉に驚いています。何はともあれ、お役に立てて嬉しいです。さて、薬で中性脂肪TGを下げるというお話ですが…

    以下、これも私の独断ですので悪しからず!

    人間の体は正直にできていて、食事でも、サプリメントでも、薬でも、毒物でも、口に入ってきたものは、必ず「消化→吸収→代謝→排出」しなければなりません。体は食物と薬の違いが分かりませんので、毎日毎日、我々の知らない所で涙ぐましい?労働をしています。

    この入口から出口までの過程で、体は何百?もの「酵素」を使っているそうです。ある本によれば「この酵素の総量は人間の一生で決まっていて、早く使った人は早死にする」とありました。正しいかどうかは分かりませんが、私は妙に腑に落ちました。食べ過ぎ、飲み過ぎは酵素の過大消費になります。

    私は若い時から働くのが好きでなく、できれば遊んで暮らしたかったです。そのため仕事は最小限に抑え自由な遊びの時間を増やしました。体も同じで過重労働は病につながります。

    私は薬・サプリ等を一切飲んでいません。薬のメリットとデメリットのバランスが難しいですが、基本は酵素を無駄使いさせたくないからです。できるだけ体に負担のかからない「省エネ」生活をしています。

    ヘビーユーザーさん、TGの減少はとりあえず「食事の見直しと運動」でも可能ですから、まずはそれでトライしてみて、うまくいかなかったら2番手として薬を考えられたらどうでしょうか?

  14. funasan様
    丁寧な御返事感謝致します。
    私は若い頃からHDLコレステロールが低く、喫煙している時は20ぐらいでした!!
    36才のときに禁煙し、運動や食事を気をつけていますがやはりHDLコレステロールは35前後までしか上がらず、最近は中性脂肪が500以上あります。多いときは1500を越えます。
    とてもヤバいですね。
    仕事がとても忙しく、ストレス溜まりまくりが元凶だと思っており、出来る限り仕事を減らして、ジョギングや筋トレに励み、エクシブでノンビリ骨休みをしたいと思っています。出来る限り薬に頼らず、せめて70才ぐらいまでは元気でエクシブ通いをしたいと思います。
    炭水化物を出来る限り減らして見ようと思います。

  15. ヘビーユーザーさん、TGの多さにちょっと驚いています。HDLも非常に低くて、この脂質内容で大丈夫かな?と心配になります。内科の先生に診てもらっていますか?

    もう素人の私の認識レベルを超えた数値ですので何もコメントできません。とりあえず、
    一般的な中性脂肪を下げる食事術をアップしておきます。参考にして下さい。

    ポイントは次の2点です。
    ・中性脂肪の値の上昇に与える影響が大きいのは「糖質」と「お酒」です。
    ・中性脂肪の値を下げる効果があるのは「青魚」「海藻・きのこ類」「野菜」です。
    →「糖質」と「お酒」を控えて「青魚」「海藻・きのこ類」「野菜」を多くすれば、少しは改善するのでは?

    血管が危ない③「~血管を変える食事術 中性脂肪編~」
    NHKラジオ:健康ライフ(放送日 2023/10/04)
    https://www.nhk.or.jp/radio/magazine/article/my-asa/ken20231004.html

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