コレステロールの嘘

高コレステロール血症への疑問

日本動脈硬化学会が言っているように、もし、本当に高コレステロール血症が動脈硬化性疾患の危険因子であり、心臓病、脳卒中、末梢血管疾患などを引き起こすとすれば、30年間も放置し、71歳になった私は、既に重篤な病に倒れているはずです。

それとも、今年か来年、突然、脳梗塞、心筋梗塞が襲ってきて急死する? 「第23回・私の余命と将来が「生命表」から見えてきた」で記したように、生命表によれば、今年、私が死ぬ確率は2.1%です。現在、私はとっても元気なので、まず大丈夫でしょう。

ここで、大きな疑問がわいてきます。ひょっとすると、高コレステロールは、動脈硬化のリスク要因ではない?

がん関係でも疑問がわきます。私の転移がん克服の苦しい時期(2011年~2014年)の血液は最悪でした。悪玉コレステロール、中性脂肪が高く、善玉コレステロールが低く、L/H比が3.0を超え、動脈硬化がかなり進んだ危険な状態にあったはずです。それでも私は自分の「再度のがん転移」を防ぎました。

ここから次の疑問が出てきます。

ひょっとすると、高コレステロールは、がんの発生や転移の予防に寄与するのでは?

もともとコレステロールは体にとって非常に大事なものです。全身の細胞膜の原料になり、脳や神経細胞も6割はコレステロールからできています。さらに、コレステロールは女性ホルモン、男性ホルモン、副腎皮質ホルモン、ビタミンD、消化液の胆汁などの原料にもなっています。

これらの原料が不足するとむしろ体調不良になるのでは? ひょっとすると、コレステロールは悪いという説は嘘だった?

そこで、この原稿を書くために「コレステロールは悪い」という常識を疑って、反対意見の書籍を調べてみました。

驚きましたね。そこには全く違った世界が書かれていました。

7 comments

  1. コメントを失礼します。

    私は2020年まで中国で勤務していました。そこは広東料理の本場の広州で、脂っこいが美味しい食生活でした。更に、door to door の専属ドライバー付きで、あまり動かない毎日でした。その挙句、体重が70kgから80kgまで見事に成長しました。そして現地での健康診断の結果、血圧も高く、動脈硬化が進んだ模様でした。
    健康診断結果を基に医師との面談に臨みましたが、なんと、「大変良い状態、問題無し」とのコメントにビックリでした。
    日本の健康診断基準値は少々おかしいのでは?と思っていたので、動脈硬化学会と脂質栄養学会のバトル、長年の疑問があぶりだされた印象です。

    この体重が適切な訳が有りません。健康障害を引き起こす懸念が有る中、帰国して市の健診を受けたらボロボロ、即座に市から「ちょい痩せ道場」に通うように指示が有りました。その成果として、たった1年弱で79.9kgから68.5kgまで減量に成功し、現在に至ります。
    体が軽くなり、膝の痛みも解消、血圧や脂質も大幅に低減しました。体調も良くなり、好きな登山やスキーが楽になりました。痩せすぎも良くないのでしょうが、体調が良い状態で活動的に過ごすことができる状態が健康体と思えるこの頃です。現在の体重が増えないようにするつもりです。

  2. 池田さん、詳しい報告ありがとうございました。
    海外勤務ゼロの私は池田さんのように中国に招聘されて、高級レジデンスに住んで王侯貴族並みの生活をしてみたい、と思っていましたが、体重増と血液悪化?というおまけもしっかりもらってきたのですね。

    それにしても中国のお医者さんの「太っ腹の診断」には驚きです。日本と基準が違うのでしょうか?逆に日本のお医者さんは厳しすぎますよね。コレステロールにしても血圧にしても判定基準を下げて病人を無理に作っている気がします。

    でも、池田さんの「この体重が適切な訳が有りません」という直感は正しいですね。帰国して10㎏強の減量をして、今や「体調も良くなり、好きな登山やスキーが楽になりました。痩せすぎも良くないのでしょうが、体調が良い状態で活動的に過ごすことができる状態が健康体と思えるこの頃です。」

    まさに正解ですね。私は昔からデータ主義の傾向があり、血液検査等の結果にびくびくします。これは良くないので、あまりデータに振り回されず、自分の体調に耳を傾け元気に過ごせればそれでいいと思います。でも、データの基準範囲に医学的根拠がなかったら?もし、間違っていたら?大問題です。次回もコレステロールの闇に迫っていきます。

  3. resortboyです。「健診」「検診」に関連した記事を紹介します。とても驚いてしまって。今日(2023/08/17)公開されたばかりの記事です。

    人間ドック、医師が教える「ほぼ無意味な検査」2つ 多くの人は「通常の健康診断」で十分な場合も|健康|東洋経済オンライン

    記事から引用しますと、

    「高額な検査の中にはほぼ無意味な検査もあることを頭に入れておいてください。代表的なものは腫瘍マーカー検査とPET検査です。(中略)がんの早期発見に役立つというエビデンスはなく、現場ではがんがより疑わしい人に使われたり、治療の経過を確認するために使われる検査です。(中略)早期発見に役立つのであればよいのですが、確かなエビデンスはなく、がん以外の理由でも上昇する腫瘍マーカーや、本来の使用用途とは異なるPET検査については、最終的には個人の価値観によるものの、医療者としては大きくすすめられるような根拠はありません」

    マジですか(呆然)。何を信じればいいのかわからなくなりますよね。

    僕もこの連載を通じて、深く学ばさせていただいています。皆さんもともに学びましょう。

  4. コレステロールが高い方が心臓病、脳卒中、がんになりにくく長寿につながるとは意外でした。
    funasan日記を読んで、またまた目から鱗が落ちました。
    私は2年前の健康診断で腹囲85cm、血圧収縮期130mmHg、糖代謝HbA1c5.7%、γ-GT5.7%が基準値を超えていたので、呼び出されて若い小太りのお姉さまから健康指導を受けました。基準値を少し超えた位で呼び出されるとは不本意に思い、「自分なりに生活習慣のバランスは確立しているので、今後の健康指導は結構です」と言って帰って来ました。
    『空腹は最強の薬』を念頭にして、最低週1回以上はジョギングと水泳を貫徹し、間食を控えました。その結果、基準値を超えたのはLDLコレステロール122mg/dl(HDLコレステロールは57mg/dl)だけでした。お酒大好きで毎晩ビールかワインを飲んでいるのにγ-GTは基準値以内の46U/L、腹囲81cmでしてやったりでした。毎晩ビールかワインを飲む以外はfunasanの真似をした甲斐があったと思っています。

  5. Mr.Sさん、いつもコメントありがとうございます。
    それにしてもMr.Sさんのお医者さんへの対応は痛快ですね。別にお医者さんを敵にまわす必要はありませんが、現在、体調不調はなく普通に日常生活を送っている人にとって「職場健診」や「自治体健診」の結果は参考程度でいいでしょう。その結果をもとに生活改善すればいい訳ですから。

    ただ、体に何か不調があって血液検査をする場合は別ですね。基準オーバーから重大な病気が見つかる場合がありますので決して無視できません。医者や病院は敵ではありませんから、私も困った時(体調不良)には病院にかけつけ、色々検査してもらいます。

    でも、最近のfunasan日記で「コレストロールの闇」を調べていて、検査基準そのものの“いい加減さ”が見えてきました。基準値は本当に正しいのか?医学的エビデンスはあるのか?です。最近、私の心の中で基準値への信頼性が大きく崩れてきました。

    もし、しっかりしたエビデンスがなかったり、基準範囲が間違っていていたら?それにも関わらず、医者の処方に素直に従っていたら?どうもコレストロール治療には医者・病院・製薬会社・学会を巻き込んだ巨大な利権が渦巻いているようです。次回のfunasan日記はそこに切り込みます。

  6. 確かにコレステロールが高いからと言って治療する必要がない方もいますが、LDLコレステロールが絶えず
    200mg/dlを越え、体質的に明らかに
    リスクが高い方も多数おられます。
    また、心筋梗塞を発症された方には
    再発予防のためLDLコレステロールを
    厳格にコントロールする必要があります。
    何でもかんでも高コレステロールを放置して良いということではないと
    考えます。
    やはり重要なのは各自各々が良く勉強してできる限り真実を追及する姿勢が大事ですよね。

  7. 医療関係者さん、的確なコメントありがとうございました。
    実際のところ、私はまだよく分からないのですね。
    次回の日記で、別の視点からコレステロールの基準値に切り込みますが、コレステロールの闇が深まるばかりです。専門家のご意見を是非、うかがいたいと思っています。

    私は政治家でも活動家でもなく単なるリタイアシニアです。今、とても健康で旅から旅へ楽しい第二の人生を送っていますので、ただただ、この「健康寿命」をできるだけ長く伸ばしたい。そのための「アンチエイジング日記」です。

    医療関係者さんの最後の文章に全く同感です。
    「重要なのは各自各々が良く勉強してできる限り真実を追及する姿勢が大事です」

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