私の余命と将来が「生命表」から見えてきた

「funasanのアンチエイジング日記」は、トラベルライターの舟橋栄二さんによる連載企画です。舟橋さんが取り組まれている健康にまつわる学習と実践について、同時進行でご報告いただきます。2022年の連載第一部(1~19回)に続いて、2023年の連載第二部(20回~)がスタートしました。この連載では、読者の皆さんとともに「旅と健康」について考えていきます。どうぞコメント欄にてご参加ください。(編集担当:resortboy)

日頃はあまり真剣に考えませんが、本当のところ、私の残された命はあと何年あるのでしょうか? 10年?20年?

仮に「人生100年時代」だとしても、私はすでにトラックの第4コーナー(コースが100mなら75m付近)に入りかけています。人生の最期に向かって走っているのでしょうね。それを思うと何となく気が重くなります。

生きるLIVING

ウイリアムさん、検査結果が出ました。
お伝えしにくいのですが…
余生は半年…

人生の最期を知り、人生が輝く!

不朽の名作、黒澤明監督の映画「生きる」が、今、イギリスを舞台によみがえりました。

私は余命宣告を受けたがん患者ではありません。でも、人間は必ず死にます。その時期が早いか?遅いか? これは今や私の最大の関心ごとになっています。

でも自分の死期など、まったくわかりません。わからないので、時々、ものすごく不安になります。明日、心筋梗塞になって死ぬかもしれない?と。

私は昔から、ものごとの真偽は統計や確率の裏付けを取らないと信用しない癖がありました。今でもそうです。ですから、自分は何歳くらいで死ぬのか?という大テーマについても、日本人全体の統計データから自分の死の道筋を明らかにしてみたかったのです。

今の私の気持ちを上の映画に思いを馳せれば…

私の人生はもう長くはありません。
でも、まだ残された時間はあります。
残された日々を大切に過ごしたい…
誰かのために、そして、自分のために…

そんな思いで、今回の日記を作りました。

お詫びと訂正

前回の私の日記(第22回・人生100年時代なんて真っ赤な嘘だった!)について、読者の方から、出生数の差異と先の大戦期の影響があり、「総務省の人口データからだと、どれだけ長生きできるかを推測するのは難しいかもしれません」というご指摘を頂きました。また、厚生労働省の令和3年簡易生命表を使った生存確率も提示していただきました。

人口データは出生数や大戦の影響を大きく受けています。我々の今後の生存率計算のベースとしては妥当性を欠く恐れがあります。そこで私も厚生労働省の令和3年簡易生命表を使って計算してみました。

すると、現在70代前半の男性の10年後の生存率は54%(人口統計)ではなく71%(簡易生命表)もありました。前回の日記で書いた「ゲゲゲ、私の世代の男性の半数は、これから10年間であの世に行く!」というほど厳しいものではありませんでした。

20年後でも生存率は13%(人口統計)ではなく25%(簡易生命表)に倍増し、4人に1人は生き残っています。少し明るさが戻ってきました。

しかし、さすがに30年後の100歳前半まで延ばすと、生存率は1%(簡易生命表)まで激減し、100人に1人しか生き残れません。しかも、この数は介護や病院に長期入院している人を含めた生存率なので、元気に100歳まで生き残るのは至難の業でしょう。

やはり、「人生100年時代」などという言葉は簡易生命表から計算しても真っ赤な嘘だと思います。

ともあれ、データを分析する時、社会的影響も考慮しないと真実に迫れない、ということを学びました。

ここで皆さまに前回のデータ分析の誤りを、お詫びして訂正させていただきました。また、私の分析の問題点を指摘し、貴重な投稿をしてくださいました読者の方に御礼申し上げます。

この連載は、「旅と健康」をテーマとする双方向の学びの場ですので、何なりとコメントしていただけるとありがたいです。今後ともよろしくお願いします。

3 comments

  1. 15-39歳の日本人の死亡要因1位は自死、すなわち自殺であり、それが平均寿命等の数値を引き下げてしまうので、最大死者数年齢こそが真の平均「寿命」であると余輩は考えております。
    それにしても、これほどに簡易生命表を読み解く方がいらっしゃるとは驚きです。

  2. 緻密な分析による貴重なレポートありがとうございました。
    まさに「目からウロコ」でした。
    平均寿命は現在生きている人の寿命かと思っていましたが、平均寿命は「生命表により毎年の年齢別死亡率から計算されたゼロ歳児の平均余命」である事を知り、自分の余命が延びたような気持ちになり気楽になりました。
    funasanと同じ歳で、人生の第4コーナーに入っているので、これからはもっともっと好きな事をしたり、行きたい所に行って、人生のラストスパートをかけたいと思いました。
    これからも明るく楽しく元気に過ごせますように。

  3. まさひろさん、今回の日記は全てまさひろさんのおかげです。私は「人口統計」も「生命表」も全くの素人で、これらを解読して理論構成するのは大変でした。でも、成果は大きく「見えないものが見えて」きました。病気や介護という見えない不安にいたずらにおびえることなく、自信を持って70代、80代につき進めそうです。まさひろさん、重ねてありがとうございました。

    Mr.Sさん、実は私もそうでした。単純に「平均寿命」は今の日本人の平均的な寿命かな?と。それは間違っていて、生命表によれば我々71歳の男性の寿命は86歳まで延びています。しかも、これは今の我々世代の平均余命なので、体を鍛え旅を楽しんでいるMr.Sさんや私にとって、もっと長生きできる可能性があります。何だか嬉しくなってきましたね。

    実は、今、クアラルンプール(KL)のホテル(マリオット系・ヒルトン系)に2週間ばかり滞在して執筆活動をしています。日本のフルサービスのホテル代金が高騰して私の許容範囲を超えてしまいました。日本を脱出してKLに逃げるしかないのです。(笑)

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