私のプチメタボ物語
ところで、世の中には奇妙で過激なスポーツがあります。水泳・自転車ロードレース・マラソンの3種目を、この順番で連続して行う耐久競技「トライアスロン」です。私は40歳の頃、このトライアスロンに夢中になっていました。
仕事と子育ての合間にスポーツクラブに通い、水泳、自転車、ジョギング、そして筋トレをして体を鍛えていました。時々、トライアスロンのレースにも出ていました。さらに、夏は北アルプスの登山、冬は志賀高原や白馬のスキー、春・秋はテニス、そしてトライアスロン…。
あの頃の私のボディは、胸(大胸筋)が厚く、腹筋は引き締まり、足腰が頑強で、「よし、限界まで挑戦だ~」ってな感じでスポーツに励んでいました。もう30年も前の、私の絶頂期のことです。
当然のように人間ドッグの結果は全く問題なく、メタボとは無縁な中年男性でした。参考までに当時の血液検査結果を記しておきます。
人間ドック検査結果:1991年39歳
体重 61.4㎏、身長 171.8㎝、BMI 20.8
血圧 120/84
総コレステロール 179
LDLコレステロール 101
HDLコレステロール 60
中性脂肪 90
血糖値 96
ヘモグロビンA1c 4.7%
体力・気力絶好調の私は、40歳を目前にスキー場の一室で日記に書きました。「これから黄金の40代がはじまる」と。
しかし40歳の誕生日の翌日、私はスキー場の急斜面を滑降中、ひどく転倒して膝のじん帯を切ってしまったのです。一歩も歩けなくなった私は1か月の緊急入院、1年間のリハビリ生活を余儀なくされました。
天国から地獄に落ちた1年間でした。歩けなくなった私は車椅子に乗り、手術を受け、松葉づえ生活を長くしました。その後は普通の日常生活にもどれたのですが、以前のようなスポーツはできなくなりました。
当然ながら体重はじわじわと増加していきます。それでも私の体重はその後3㎏くらい増えただけで、65㎏前後をキープしていました。BMIは22.0で標準体重です。決して肥満ではありません。
しかし、お腹周りは加齢とともに自然に立派になり、ウエストは90㎝まで増えました。また、血圧も150~160が普通で、170~180になることもありました。血液の中身も悪化し、総コレストロールは260を超え、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLも170近くまで上昇しました。
危険信号です。病院に行けば「高コレステロール血症」と診断され、コレステロール低下薬「スタチン」を処方されるレベルでしょう。
美食三昧をしていた訳ではありません。funasan日記第1部で紹介したように私は必死で「自己流がん闘病」を実践していました。そこでは食事療法がメインでした。スポーツクラブにも通い、規律ある生活を送っていました。それなのに~。
納得いきませんが、これが加齢というものなのでしょう。アンチエイジングのためには、このメタボ状態をストップさせねばなりません。では、何をするのか?
男やもめ暮らしの私は日常生活では大したご馳走もなくスイーツ類は皆無です。
心掛けているのは規則正しい生活をして、三食を決まった時間に食べて、有酸素運動を最低週1回は励行することです。
しかし、旅に出掛けた時は美味しそうな物や食べたい物があれば気が向くままに食べます。特にクルーズなら食事代を気にする必要がないので最高です。
体重を増やして旅から帰ってくると現実に戻り、食事を1日2食にしたり、いつもよりハードな運動をしていると自然に元の体重に戻ります。
『断食療法は万病に効く』という学説はなるほどと思えてきます。
薬は特に飲んでいませんが、❝ Hunger is the best medicine.❞と口ずさんで毎日を過ごしています。
Mr.S さん、いつもコメントありがとうございます。
Hunger is the best medicine.
これまた名言ですね。食べ過ぎるから病気になる。食べなきゃ病気は治る。
でも、美味しそうな料理を前にして食べずにおれません。特に朝食、昼食、夕食、食べ放題の豪華客船に乗ると「欲望と理性の戦い」は終わり、欲望の完全勝利になります。そして、大満足で下船。クルーズは楽しい、人生万歳、です。
食欲に限らず人間の欲望は無限に湧き出し、それを限りなく追及していくと「心身」が疲れ果て、恐らく「短命」になるでしょう。逆に、欲望を適度にコントロールして「心身」を大事に扱えば、恐らく「長寿」になるでしょう。人間の人生は意外と平等のような気がします。
これを元数学教師らしい言葉で記すと…
「人間の欲望を時間で積分すると、人間はみな等しくなる」
余生が短くなってきたので、出来るだけ長く生きたいとマジに思うようになりました。
次回から私の未体験ゾーン、断食に入ります。