東京ベイコート倶楽部から自転車の旅を楽しむ方法

エクシブに泊まっていて、現地で自転車を借りたいと思うことはないでしょうか? 僕はあります。典型的なのはエクシブ山中湖に泊まって湖畔を自転車で周回したい、というものですが、そうした観光目的だけではなく、近くのコンビニまで行きたいなんていうことは普通にあるでしょう。でも残念ながら、エクシブで自転車を借りれるという話を聞いたことはありません。

しかし、これが東京ベイコート倶楽部なら、ホテルを拠点に自在に自転車を駆使した旅が楽しめます。

「そんなやつはいねぇよ」

そんな声が聞こえそうな気もしますが、気にせず続けます。

ベイコート倶楽部の周囲には広い範囲に渡って公園が整備されています。クルマで来ている方は見向きもしないかもしれませんが、地元民に言わせれば、なかなか四季折々の移ろいを楽しめる、味わい深いものです。

それに、国際的観光都市であるお台場はもちろん、以前と違って有明にもいろいろ楽しめるスポットができました(東京五輪とタワマン群の影響)。これらをちょこちょこクルマで移動するのはいまや相当に面倒(特に混雑時のお台場の駐車待ち)です。

自転車があれば機動的な旅が楽しめます。特に魅力的なのは、3月のサクラと4月のチューリップです。花が咲き乱れる季節に、ベイコート倶楽部を拠点に周辺を自転車で走り回ってみてはいかがでしょう。

もちろん、ベイコート倶楽部で自転車を貸し出したりはしていません。ですが、すぐ近くに「赤チャリ」のサイクルポートがあるのです。以下の地図をご覧ください。赤と青のマルが自転車を借りたり返却できるポートです(赤が港区で青が江東区ですが現在は統一されていて色に意味はありません)。

今回はベイコートを舞台にしていますが、ヒルトン東京お台場であればホテルそのものにポートがありますし、グランドニッコー東京台場にもホテルに隣接したポートがあります。

だいたいの旅のガイドは、こうした提案だけで終わってしまいますが、当サイトではここから深い世界に入っていきます。覚悟のある方だけ、続きをお読みください(長いよ)。

「月額会員」で登録しよう

赤チャリとは俗称で、正式名称を「ドコモ・バイクシェア」と言います。もっと正確には「バイクシェアサービス(東京広域)」と呼ばれたりもします。以下ではバイクシェアと呼称します。

(公式)ドコモ・バイクシェア

このバイクシェアを使うには、3つの会員種別のどれかに登録して利用します。

観光なんだから「1回会員」か「1日パス」だろうと思ってはいけません。あなたがベイコート倶楽部やエクシブの会員で、東京ベイコート倶楽部だけでなく、東京をしばしば訪れるのであれば、迷わず「月額会員」で登録してください。

理由は、月に数日しか使わないのだとしても、月額会員が一番得だからです。以下に詳しく説明します。

まず、月額会員の料金は月額3,300円ですが、これは日割りで計算されます。すなわち、例えば月に1日しか使わないのであれば、100円程度にしかなりません。これでその1日に関しては、30分以内のライドが使い放題となります。

30分だと、僕の実績ではベイコート倶楽部から銀座まで安定的に行けます。築地市場に寿司を食べにも行けます。本当はだめですが軽くビールくらいOKでしょう。写真は勝鬨橋です。この辺り、水辺の夜景はけっこうすごいです。

月額会員は登録中に何度乗っても30分以内ならライドごとの料金なし。これが1回会員との違いです。1回会員だと月額料金がかからない代わりに、ライドのたびに30分ごとに165円が課金されます。

料金プランの変更ができる

次に、月額会員が得なのはわかったけど、入退会を何度もするのはいやだなぁ、と思った方へ。実は、月額会員として登録しても、1回会員に変更することが、その月のうちにできます。これを「料金プランの変更」と呼びます。これによって、会員登録をキープしながら、課金状態と無課金状態を行ったり来たりできます。

詳しくは公式ヘルプをご覧いただくとして、要点を述べると、1)会員プランは月内に2回まで行える。2)プラン変更には「翌日反映」と「翌月反映」があり、当日中の反映はできない。この2点になります。

(公式)料金プランの変更方法について - よくある質問 | バイクシェアサービス

つまり、もしあなたが東京ベイコート倶楽部に毎月1泊2日で行く方だったとしましょう。その場合、普段は「1回会員」として定額会費ゼロの会員として登録しておき、ベイコート滞在時だけ「月額会員」にすればよいのです。

この場合、「1回会員」(変更1)「月額会員」(変更2)「1回会員」という流れとなりますから、2回の変更がルール内でできるというわけです。ただし、変更はその日にはできませんので、例えば土日だけ使いたいのであれば、おうちを出る前の金曜日と、おうちに帰る日曜日に、変更手続きをする必要があります。これで2日だけ使えば、何度バイクシェアを利用しても、200円ちょっとで済みます。

まるであなたのためにあるようなルールですね。そう感じたあなたはこの先を読んでください。先はまだ長いので(汗)。

最寄りのポートは「武蔵野大学」

バイクシェアへの登録とか、アプリの使い方などは、公式サイトをご覧ください。

(公式)ドコモ・バイクシェア

無事に登録できましたか? さて、やってきました東京ベイコート倶楽部。さっそくバイクシェアのポートに行ってみましょう。すぐ近くにあります。

門を出たら左手に100メートル進みます。こちらは公式アプリの画面です。OZIOの入口からだと、横断歩道の先に見えるくらいの距離感です。

ここにある「武蔵野大学」というポートが最寄りです(なお、公式アプリに登録されている写真は間違っています)。

なお、記事トップの写真は2番目に近い「つどい橋下」というポートです(公式アプリではこのポートの写真が「武蔵野大学」ポートにも掲載されていて混乱します)。橋の下なので、ベイコートからは階段で降りないといけません(武蔵野大学とは高低のレベルが違う)。

新型の操作パネルは動作が遅い

次に、自転車の予約をする場合のコツを紹介します。

ポートに行って空いている自転車を探して乗るのは困難です。なぜなら、アプリで予約して(20分キープされる)から乗る人の方が圧倒的に多いので、そこに自転車があってバッテリーもあって乗れそうでも、「予約済み」であれば乗れないからです。

したがって、通常はアプリで予約をしてから乗ることになります。ですから、実際の自転車を見ずして、ある程度「予測」をつけるための知識が必要です。

ポイントは、1)ちゃんと充電されているものを選ぶ、2)旧式でなるべく新しいものを選ぶ。この2点です。

1)は当たり前で、予約アプリで電池がギリギリのものを選択してはいけません。バイクシェアは電源が切れると「返却」ができなくなります。月額会員は30分以内なら使い放題(追加料金ゼロ円)ですが、返却ができなかったときにどうなるかはわかりません。

ですから、予約アプリで電池表示が赤くなっているものは予約しない方がよいです。僕も電池切れで返却できなくて困ったことが実際にあります。

次に2番目。現在、バイクシェアの自転車には、大きく分けて2つの種類があります。

操作パネル部分が「赤くて四角いもの」と「黒くて丸いもの」の2種類です。ここでは、「四角いもの」を旧式、丸いものを新式と呼ぶことにします。以前は四角いタイプしかありませんでしたが、最近は丸いタイプが増えています。

なんとなく新式の方がよいような気がしますが、そうではありません。

旧式は簡素なディスプレイで動作が機敏ですが、新式は音声ガイドなど格好はいいのですが動作が緩慢で、特にGPSの位置判定が非常に遅いです。そのため、返却したいポートにいるにも関わらず、位置情報がアップデートできずに返却に失敗するということが頻繁に起こります。

では旧式ではどんなものを選ぶべきか。これは単純に、予約アプリで表示される車体番号が「なるべく大きい」ものがよいです。その方が新しいからですね。

上記画面ではTYO(東京広域の意味)しか表示されていませんが、CYD(千代田区の意味)とかMNT(港区の意味)などのコードの場合もあります(これらはバイクシェアのシステムが東京広域に統一される前のものです)。古いから悪いというわけではありませんが、傾向としてはそういうことです。選べるなら大きな番号を選んでおくと良いと思います。

さて、まだまだ話題は尽きないのですが、ここまでの内容でも相当マニアックになっていますので、そろそろまとめます。

実際にはものすごく人海戦術

最後にお断りです。東京ベイコート倶楽部近くの上記2つのポートは、現状では人気がない場所にあるために、普通に借りれることがまだ多いと思います。しかし、バイクシェアはいま、メインテナンスの労働力に大きな問題を抱えていて、「借りれない」ことが増えています。

このシステム、なんとなくハイテクな感じがしますが、実際には支える仕組みは人海戦術で恐ろしくローテクです。

このビジネスを維持するには、人々が利用していない時間帯に、バッテリーを交換したり、トラックで自転車を輸送してポートごとの需給バランスを調整したりする必要があるのです。以前は夜中に行われていましたが、最近はそれも減っているような気がします。

以下の写真は東京ベイコート倶楽部近くのポート地図ですが、この記事で取り上げた2ポートを除いては、まったく借りれない(1台も自転車がない)ポートばかりであることがわかるでしょう。

実際に行ってみると、貸し出し可能ゼロのポートにも自転車が数台あったりはするのです。ですが、バッテリーの充電(交換する労働力)が追いついていません。人手不足でハードを活かしきれていないのです。

こうした理由からか、6月からバイクシェアの月額会員の料金は、2,200円から3,300円へと1.5倍に値上げされました(他の料金プランは据え置き)。これでこの需給調整の問題が解決するといいのですが、現実にはまったくそうなっていません。

期待を持たせていたらすみませんが、東京ベイコート倶楽部近くの不人気ポートも自転車が枯渇するトレンドが今後来るかもしれません。

もし、東京ベイコート倶楽部やヒルトン東京お台場、グランドニッコー東京台場に滞在して、バイクシェアを実際に試した方がいらっしゃいましたらば、ぜひコメントをお寄せください。

マニアックで長い記事を最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

10 comments

  1. 会員権検討中☆さん、マニアックな記事にコメントいただきまして、ありがとうございます。

    京都にPiPPAというシェア自転車のシステムがあるとは知りませんでした。ちゃんと運営できているのかな?

    京都エリア | PiPPA ピッパ

    記事にも書きましたが、東京のドコモのバイクシェアは、うまくいっている地域とそうでない地域があります。都心などでは利用者の移動の方向性がうまくばらばらになるので需給バランスが取れているように見えますが、TBCのある有明近辺では、利用者の動きがおおかた似通っているため、「利用したいときに自転車がない」ことが多いです。

    つまり、みんなが乗りたいところとみんなが降りたいところが、時間によって決まるような場所では、バイクシェアはうまく機能しません。

    京都は観光客の移動が分散して、うまくいくような気がしますが、実際にはどうでしょうか。

  2. resortboyさま

    京都嵯峨というRT傍流施設のコメントにお返事いただきありがとうございます。
    確かに京都嵯峨は嵐山嵯峨野界隈と京都中心部の間にあるので、比較的需給バランスは取れるかもしれません。
    ですが、京都嵯峨専用ポートと言える設置場所なので、宿泊者がどれほど利用するかですね。上手く行けば非常に使い勝手は良さそうです。

    バイクシェアは初挑戦になりますが、次回訪問時に市バスの代わりに活用してみて、ご報告したいと思います。

  3. こんにちは。
    都内在住の友人がバイクシェア活用していて、と言ってもここ数ヶ月で2回ですが
    東京駅近くと天王洲アイルで待ち合わせ、飲みに行くのがセットなので
    自転車できて電車で帰宅、かなり使い勝手良さそうでした。
    友人は私と同じ年とは思えないくらい行動力があり、大抵のところは自転車で行くそうで
    私も車に頼らず見習わなくてはと思っていたのに
    resortboyさんの記事を読ませてもらい、思い出しました汗

  4. サンメンバーズひるがのは、確か自転車貸し出しが無料だったかと思います。
    私は借りたことないですが。
    小規模な施設ならではって事ですかね。

  5. haryoshさま

    ひるがの情報をありがとうございます。
    高原サイクリングは気持ちがよさそうですね。

    他のサンメンバーズやリゾーピアにもあるのでしょうか?
    雰囲気的には合っているような気がいたします。

  6. hiroeさん、僕もバイクシェアを使うようになって、「大抵のところは自転車で行く」ようになりました。大した運動にはならないのですが(電動アシストなので)、それでも毎日のように身体を動かす機会が得られたのは、けっこう大きな変化です。

    haryoshさん、ひるがのの自転車情報をありがとうございました。リゾートトラストが若い人向けにやっている(と思われる)「わたしのホテル時間」というサイトに、公式情報に近い感じで掲載されていましたので、併せてご紹介します。

    自然豊かな高原リゾート「サンメンバーズひるがの」で心身共にリフレッシュする、パートナーとのご褒美ステイ/

    制作業者さんへ。タイトルタグくらい入れようよ…。

  7. すごい良い記事です!

    東京ベイコート倶楽部からのサイクリング、次回、楽しみます❣️

    ありがとうございます😊💖

  8. 先日、東京ベイコートに行きましたが地下駐車場に「TOKYO RIDE TOUR」と書かれた写真付き看板がありました。
    写真をアップできないので内容を書きます。
    「アメリカ屈指の自転車メーカー TREK(トレック)のクロスバイクで爽やかな海風を感じながら有明・お台場エリアでのサイクリングをお楽しみになれます。」
    「時間/9:00~20:00(最終受付)
    ※3時間制、お時間はご相談ください。
    ※要予約
    料金/1台3時間制(限定4台)
    大人/3,000円(税込)
    小人(小学生)/2,000円(税込)
    <延長>
    30分毎に +500円(税込)
    場所/ベルデスク
    ※大人2名、小人2名分のヘルメット貸出がございます。
    ※空きがあれば当日でもご予約になれます。」

  9. MASAさん、情報ありがとうございます。

    Facebookに公式情報がありましたのでリンクしておきます。内容はMASAさんのご投稿のとおりです。

    東京ベイコート倶楽部 – 🚲TOKYO RIDE TOUR🚲 | Facebook

    保険についてはどうなっているのでしょうね。ちなみにドコモのバイクシェアだと、以下のように保険が付帯しています。

    もしもの時は | バイクシェアサービス

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