私の余命と将来が「生命表」から見えてきた

グラフで見る生命表による死亡率

さて、生命表は人口統計学における特定の年齢層や性別に対して、死亡率や平均余命を示した表で、理解するのに少し難しいところがあります。せっかくの機会ですから、ここでは生命表の解説をしながら、私なりに各世代の生存確率を示してみたいと思います。

また、生命表とは別に「死亡者数ピーク年齢」というデータから、今の日本人高齢者のリアルな死期もご紹介します。これによって私の余命が具体的に見えてきました。

まず、生命表の定義は…
「ある期間における死亡状況(年齢別死亡率)が今後変化しないと仮定したときに、各年齢の者が1年以内に死亡する確率や平均してあと何年生きられるかという期待値などを死亡率や平均余命などの指標(生命関数)によって表したものです」(出典:生命表 | e-Stat:政府統計の総合窓口

(参考)厚生労働省の令和3年簡易生命表(男性)life21-06.pdf

上記の簡易生命表は1年ごとにデータが表記されていますが、私は5歳刻みの年代別生命表を作成してみました。死亡率、生存数、平均余命の数字は、該当する年齢の平均値です。表作成の目的は年代区分ごとに生命関数(死亡率・生存数・平均余命)がどのように変化するか?という傾向をつかむためです。

生命表の死亡率は「年齢X歳に到達した人間がX+1歳に到達しない率を年齢X歳の死亡率」と定義されています。例えば、今年71歳になった私が72歳になる前に死ぬ、つまり「今年、私が死ぬ確率は2.1%である」となります。

この数字を見てちょっとびっくりしました。「え~、何、そんなに低いの?」です。もう私は71歳まで生き延びてきていますので、今年、死ぬ確率はたったの2.1%です。

考えてみれば自然なことで、今年2.1%に入る人は、事故や自殺を除けば、すでに重篤な病に倒れて病院のお世話になっているのでしょう。健康で旅を楽しんでいる私が突然死ぬはずがありません。このデータを見て、ちょっと安心しました。今年は大丈夫だ😆。

80代前半になっても、その年に死亡する確率は5.7%なのですね。80代後半でやっと死亡率は10%に上昇してきて、本格的に「今年、死ぬかも?」と気になる世代は、90代(18.1%)に入ってからでしょうか?

年代別死亡率を棒グラフにして見ると、状況がよくわかります。このグラフは介護が必要になるグラフと上昇傾向が一致しています。

これは現実の世界を反映している感じですね。介護は80代前半(18.5%)から増加し、死亡率が90代前半(18.1%)から増加しています。この10年近いタイムラグは、介護や長期入院の末に死が訪れる、ということでしょう。

上のグラフから明るい未来が見えてきます。あくまでも統計的な話ですが、70代前半で元気な人(男)は少なくとも80代前半(死亡率5.7%)まで死ぬことは稀です。頑張って介護も不要の80代を継続すれば90代前半(死亡率18.1%)まで死ぬことなく元気なシニア生活を楽しめそうです。そして、その後、本格的に介護と死が迫ってきます。

3 comments

  1. 15-39歳の日本人の死亡要因1位は自死、すなわち自殺であり、それが平均寿命等の数値を引き下げてしまうので、最大死者数年齢こそが真の平均「寿命」であると余輩は考えております。
    それにしても、これほどに簡易生命表を読み解く方がいらっしゃるとは驚きです。

  2. 緻密な分析による貴重なレポートありがとうございました。
    まさに「目からウロコ」でした。
    平均寿命は現在生きている人の寿命かと思っていましたが、平均寿命は「生命表により毎年の年齢別死亡率から計算されたゼロ歳児の平均余命」である事を知り、自分の余命が延びたような気持ちになり気楽になりました。
    funasanと同じ歳で、人生の第4コーナーに入っているので、これからはもっともっと好きな事をしたり、行きたい所に行って、人生のラストスパートをかけたいと思いました。
    これからも明るく楽しく元気に過ごせますように。

  3. まさひろさん、今回の日記は全てまさひろさんのおかげです。私は「人口統計」も「生命表」も全くの素人で、これらを解読して理論構成するのは大変でした。でも、成果は大きく「見えないものが見えて」きました。病気や介護という見えない不安にいたずらにおびえることなく、自信を持って70代、80代につき進めそうです。まさひろさん、重ねてありがとうございました。

    Mr.Sさん、実は私もそうでした。単純に「平均寿命」は今の日本人の平均的な寿命かな?と。それは間違っていて、生命表によれば我々71歳の男性の寿命は86歳まで延びています。しかも、これは今の我々世代の平均余命なので、体を鍛え旅を楽しんでいるMr.Sさんや私にとって、もっと長生きできる可能性があります。何だか嬉しくなってきましたね。

    実は、今、クアラルンプール(KL)のホテル(マリオット系・ヒルトン系)に2週間ばかり滞在して執筆活動をしています。日本のフルサービスのホテル代金が高騰して私の許容範囲を超えてしまいました。日本を脱出してKLに逃げるしかないのです。(笑)

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