ニューイヤーコンサートのススメ

唐突にすみませんが、リゾート会員権の最大の価値ってなんでしょうね? 人によっては「お正月に一定のコストで家族で滞在できること」とお答えになる方がいらっしゃるかもしれませんね。僕が提唱している「ホテル利用学」でも、そんなシーンを意識して「学び」を定義していたりします。

実際のところ、そんなシーンはご家庭ごとにそれぞれなので、それを彩る場所は必ずしも「ホテル」というものばかりに限らないと思います。そんなことを改めて考えさせられる体験を新春にしたので、今日はそれについてご紹介します。

読者の皆さんの中には、元日にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートをテレビ中継でご覧になるという方が少なくないと思います。僕の育った家はクラシック音楽を好む家庭だったせいで、元日の新年会には親戚そろってこの中継を見ながら宴会をするというのが恒例でした。

1月1日の正午に行われるこのコンサートは、時差の関係で日本の元日の夜、ゴールデンタイムに放映されるのですが、父が亡くなって実家も賃貸に出し、もうかつてのような新年会は行われなくなりました。

ところが縁あって、今年3年ぶりに開催されたウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団のニューイヤーコンサートを鑑賞する機会に恵まれました。

興味のない方にはわけのわからない話で恐縮ですが、元日に行われる本家(ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)とは別に、「ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団」という、悪い言い方をすれば「出稼ぎ楽団」がありまして、それが日本のお正月に全国ツアーをするのです。

コロナで昨年、一昨年は開催されませんでしたが、今年は1月3日横浜、1月4日福岡、1月7日大阪、1月8日東京(2回講演)、1月10日八王子、といったツアーが開催されました(これで全部かどうかは知りません)。

元日の本家プログラムは、今年は相当マニアックな選曲でした。本家は毎年元日にもう80年以上もやっているので、プログラムもマンネリ化しがちということで、シュトラウス一族以外の作曲家の埋もれた作品まで、幅広く選曲される傾向があります。

一方、この出稼ぎ楽団の方は、ウィンナ・ワルツ&ポルカの有名曲が大半で、非常に親しみやすい構成となっています。

さて、僕が鑑賞したのは京王新線初台駅直結の、新国立劇場などの劇場群の一角にある「東京オペラシティコンサートホール」での公演でした。一切の撮影は禁止でしたので、冒頭の写真は入口付近から回廊を撮影したものです。

前振りが異常に長くで恐縮ですが、僕がこの記事で言いたいことは「このコンサートはホテル会員権を買うような人たちにとって繰り返し利用に堪える大変お薦めのコンテンツである」ということです。

1)誰もが楽しめる選曲
なにしろ出稼ぎ楽団ですから、ベストヒット・シュトラウス一族の選曲で、誰もが楽しめます。「春の声」「美しく青きドナウ」「ラデツキー行進曲」などは、曲名とメロディーが一致しなくても、日本人なら誰でも知っているような、クラシック界のメガヒットチューンです。

New Year’s Classic
B015JT527M

2)一流の空間
地方公演のことはわかりませんが、東京会場の「東京オペラシティ コンサートホール:タケミツ メモリアル」は、バブル期に設計された一流のコンサートホールです。座席数は1500席程度とそれほど巨大ではなく、ホワイトオークの内装は「高級感(笑)」があります。「高級会員制リゾートホテル」もいいですけれど、こうしたホンモノの空間の豊かさは格別なものがあります。

3)新年の幕開け
当たり前ですが、このニューイヤーコンサートは新年の最初の週に行われます。普段、ばらばらに暮らしているご家族が集まる機会として、ホテルでのんびりするのもいいですけれど、こうした機会を狙って参集するというのもアリだな、と思うわけです。

それに、この反響に優れたコンサートホールの客席で、ラデツキー行進曲に合わせて手拍子してごらんなさいよ。これ以上に「新年感」のある体験はなかなかないのではないかな、と思います。

4)リーズナブルな料金
僕は東京公演のA席で鑑賞しました(上から2番目の普通の席)。チケットは8,500円で、3階のバルコニー席でよければ4,500円です。これは非常なるバリュープライスだと思います。だって、エクシブでのディナーよりも安くて、45分の前後半+アンコールで2時間たっぷり楽しめるんですから。

気持ちがよくなって寝てしまったとしても、脳みそのマッサージと思えば、120分のマッサージなら1万円くらいしますから、どんな聞き方をしたとしても割に合います。

5)ホテル滞在や食事会との組み合わせ
このコンサートをダシにして、ホテルステイをしたり、食事会をしたりするのもいいと思います。オペラシティは初台ですから、東京、いや日本を代表する近代ホテルであるパークハイアット東京がすぐ近くにあります。また、IHG系のラグジュアリーブランド、キンプトンの初上陸、キンプトン新宿東京も近いです。もちろんヒルトン東京でもいいですけれど。

まぁこれらのホテルはコロナ禍が去った今は高いので、食事会だけなら、オペラシティ53階の叙々苑なんてどうですかね。

叙々苑 | 店舗情報 | 叙々苑 東京オペラシティ53

以上、わざわざ交通費と時間をかけてリゾート地に出かけなくても、便利な都会で家族の恒例行事をすることもできるよ、という提案でした。皆さんはどう思われたか、コメントいただけましたら幸いです。

6 comments

  1. すごく素敵な提案です!
    我が家も、クラシックバレエに長年親しんできたこともあり、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートは、なんかわからないけど、結局毎年のお正月にテレビで観ています。
    出稼ぎ楽団であったとしても、ラデツキー行進曲の手拍子をできるなんて、なんだか素敵ぢゃないですか!!
    今年も例に漏れず、テレビで視聴していましたが、本場のコンサートの観客の方たちもラデツキー行進曲のあのキャッチーな音楽が流れ出すと、みんな待ってましたとばかりに、お顔がニヤけていました。笑
    ホテル+手頃な音楽観賞、いいですね!

  2. ウィーンフィルのニューイヤーコンサートの話が出ましたので、私から補足です。
    ちょっと古いですが、2016年の10月にウィーンに10日間くらい滞在して連日オペラ・コンサート・ミュージカル等を楽しみました。

    ウィーンフィルのニューイヤーコンサートが開催される「楽友協会:黄金ホール」のコンサートにも参加しました。元旦のコンサートではありませんが黄金ホールのきらびやかさを実感しました。興味のある方は以下の私の旅行記をご覧ください。
    ◎ウィーン音楽紀行4(楽友協会:黄金ホール編)
    https://4travel.jp/travelogue/11183454

    私の一番のお勧めは本場「ウィーン国立オペラ座」でのオペラ鑑賞です。
    ◎ウィーン音楽紀行1(ウィーン国立オペラ座編)
    https://4travel.jp/travelogue/11180369

    その他、「ウィーン・コンツェルトハウス」や「ウィーン・フォルクス・オーパー劇場」「ローナッハー劇場」でも鑑賞しました。クラシック音楽ファンにとってウィーンは素晴らしい街ですね。是非、また滞在して本場の音楽を聴きたいと思います。

  3. resortboyさん、こんにちは。
    私も元日のウィーンフィルのテレビ中継は欠かさず見ます。
    そしてその前に東急ジルベスターコンサートの中継を見ながら年越しです。
    関西在住なのでなかなか難しいのですが、もしジルベスターのチケットが取れたら
    どこのホテルに泊まろうか妄想してしまいます。

  4. サントリーホールとANAホテルの組み合わせもいいですよ。ただお部屋が32㎡と多少小さいので、できればスイートで(2泊で1泊無料になるアンバサダー特典を使うとお得)、でなければ有償で買えるラウンジ権利を付けて。
    サントリーホールでは、毎年ウィーンフォルクスオーパー交響楽団がニューイヤーコンサートを演っています。コロナの影響で、こちらも今年は3年ぶりの開催でした。
    小ホールの方でプレコンサートをやってくれたり、サービス精神満点で楽しいです。

  5. 家族の新年行事、我が家は毎年北海道で過ごします。子供達がスキーを好きになってくれるとうれしいのですが、それはまだこれから、です。

    リゾートホテルの人手不足は深刻で、ルスツリゾート・ウェスティンルスツは予約受付をストップした様です。
    大変な時代ですね。どうなる、我が家の年末年始。

  6. mさん、funasan、たのんさん、外の人さん、belairさん、コメントありがとうございます。

    ホテル利用というこのサイトの本題から少し離れた話題ではありましたが、カルチャー的に近いものがあるのではと思い、記事としてまとめてみました。多くのコメントがいただけてうれしく思います。

    サントリーホールとインターコンチとの組み合わせもいいですね。オペラシティは本家の形をまねた長方形のホールなので、ニューイヤーコンサート感はオペラシティの方がありそうですが、ホールとしての迫力は、オルガンがすごいのでレベチでサントリーホールですね。

    ルスツのウェスティンの口コミを読んでみましたが、どこも大変そうですね。

    2022年 年末 マリオットチタン 12月27日~30日宿泊 家族3名 大人2名小学生1名 – ウェスティン ルスツリゾートの口コミ – トリップアドバイザー

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