funasanことトラベルライターの舟橋栄二さんをお迎えしてのスペシャル対談の第7回目をお届けします。今回は、funasanからエクシブオーナーとしてのこだわりが消えていったきっかけとなった出来事について伺います。入れ替わるように台頭してきたのが…。
(初回の記事はこちら)インパクトがあったエクシブとの出会い
(第2回の記事はこちら)エクシブの魅力は「安さ」だった
(第3回の記事はこちら)「世代交代」でエクシブを活かす
(第4回の記事はこちら)リゾート会員権の破綻がもたらしたユーザー志向
(第5回の記事はこちら)高級化とサービスカットのはざまで
(第6回の記事はこちら)リゾート会員権のいちばん得する使い方
resortboy(以下R):どういうことが、リゾートトラストが心から離れたきっかけなんでしょう。
funasan(以下F):そこはね、非常にいい質問なんですけれども。
2016年にエクシブ鳥羽別邸ができましたよね、本館の隣に。その時に、その鳥羽別邸に関連して、鳥羽本館の大規模リフォームが行われました。フィットネスクラブが完璧にリニューアルされて、レストランも変わって、本館の客室も半分が全面リニューアルされて、ものすごくグレードアップされたんですね。
しかも「オールドデイズ」という私の一番好きな本館にあるカフェがあるんですけど、そこがずっと平日クローズだったんです。利用者がなくって土日だけだったんですけれども、それが全日オープンになったんですよね。これはやっぱり、リゾートトラストっていいことをやってくれた、素晴らしいと。
これは、オールドエクシブをそうやって再生させるんだなと。
R:追加投資をして、古いエクシブも新しいエクシブと同じような魅力にキャッチアップするようなことを継続的にやるという、そういう期待を持たせるリニューアルでした。
F:当然リニューアルですから、客室の単価を上げるっていうのは、これは受け入れるんですよ。まあそれはやむを得ないと。それで安心して、次は伊豆かな、と。
R:まあ思いますよね。
F:思ったんですよね。ところが、どうやらあれは、単なる別邸のためのリニューアルでしかなかった、というのがはっきりしましたね。
R:あれは別邸を作る時に、隣の本館のレストランも、別邸に必要な機能だということで、そこを一体として開発した結果、ということだと思いますね。
例えば、フレンチレストランと中国料理レストランが本館にあってリニューアルをして、最新のエクシブのようなきらびやかな空間に生まれ変わりましたけれども、あれは新しい別邸を売るために、セットとなるレストランとして必要だった、っていうことですよね。
だけれども、伊豆は鳥羽別邸に当たる新規の販売案件がなかったから、単純なサービスのカットっていうのが2018年に行われた、ということになってしまっていますね。
そのことが舟橋さんの心が(エクシブから)離れてしまう、まあそういう出来事だったということでしょうか。
F:そうですね、結局、エクシブ鳥羽別邸が出てから1年間くらいは、またちょっとエクシブ鳥羽に行き始めたんですよ。なぜかというと、オールドデイズの平日オープンから始まって、フィットネスクラブの営業時間も拡大され、非常に利便性がアップした。ああこれはいいなぁと。
ところが、それとは全く別なんですけど、私はずっと前からマリオット・リワードのメンバーで、飛行機はユナイテッドマイレージ、ホテルはマリオットでポイントを集めていたんです。それが、直接的にはマリオットがSPGを買収したりして、世界の巨大なホテルチェーンがいわゆる「エリートメンバー優遇」を強化しはじめました。
エグゼクティブラウンジってのは昔から使ってたんですけれども、それが無料アップグレードで使えるとか、そういう「高級ホテルの世界」にどんどん入っていっちゃったんですよね。
だから、エクシブが高級路線に行ってオールドエクシブを見捨てるっていうのと時を同じくして、私の方が「じゃあバイバイよ」ということで、世界の高級ホテルのエリートメンバーの方に行ってるという感じですね、今。
R:なるほど。舟橋さんは先ほど「別荘として」という言葉を使われて、そういう意味でリゾートクラブをとらえるということをおっしゃっていましたけれども、マリオットとかヒルトンとか、そういった海外のチェーンというのは、ちょっと別荘という感覚とは違うと思うんですけれども。そこは何か使い分けというか、気持ちの上で、どういう風に見てらっしゃるんですか。
F:これはね、ちょっと話し始めると、すごく(長い)ストーリーがあるんですけども。
私は昔から高級ホテルが好きで、高校の教員をやっていたということで忙しいものですから、年5回ぐらい1人で、まあ高等学校になると中間期末と年5回テストがありますので、その時に平日休暇を取って。
私は名古屋なんですけど、名古屋市内の高級ホテルに1人で泊まっていたんですよ。で、そこへ行って、まあ読書したり英語の勉強をしたりしていたんです。
R:それはリフレッシュのためですか?
F:そう、リフレッシュです。
R:言ってみれば別荘に近い感じなんですね。旅をするというより、近くのセカンドハウス、セカンドプレイスという感じですかね。
(続き:「海外修行」を経てマリオットを別荘に – スペシャル対談 舟橋栄二さん(8) | resortboy's blog – ホテルの会員制度を楽しむサイト)