2019年、令和最初の年の瀬も押し迫ってきました。僕はとあるオールドエクシブにこもってダラダラしております(笑)。普段は一緒に暮らしていない家族も呼んで、昔からのようにお部屋で過ごしています。子どもが宿題をしているそばで僕がPC仕事をしている様子は、家族のあり方が変わった今も、変わることがありません。まぁ旅先でブログを書くことは昔はなかったかな(受験教材の研究をしていたかも)。

そんな変容する家族のあり方を、ホテル利用のスキルを高めることと組み合わせて考える、というのが、今年はじめた勉強会の中でたどり着いた一つのテーマです。今日から何回か、2019年10月に開催したオフ会での講演録を連載して、ホリデーシーズンならではの学びを深めていきたいと思います。

というわけで、何回になるかわかりませんが、お付き合いください。

resortboy(以下R):皆さんおはようございます! お足元の悪い中おいでいただきましてありがとうございます。今日はここに仰々しく書いてあるんですが、「ホテル利用学への招待」というテーマでお送りします。

この「ホテル利用学」という言葉は、Googleで引くと1件もヒットがないので、僕が作った言葉と言っていいのではないかと思っております。

今日はこの勉強会をホテル利用について学ぶ会と位置づけて、まずはその全体像をリゾート会員権を中心としながら、ホテルのステータスですとか、OTA、―これは聴きなじみのない方もいらっしゃるかもしれません。「Online Travel Agency」の略で、ホテル予約サイトだと思っていただければいいと思いますが―、それらが今、全体としてどういう状況になっているのかをお話ししたいと思います。

まずはじめに、ホテル利用学というものの定義をお話しします。

ホテルの会員制度を適材適所に活用して、
ホテル利用を生活に取り入れる技術を体系的に学ぶこと。

こんなふうに定義してみました。

ライフスタイルが多様化している今、自宅や職場以外の場所に生活空間を展開できる技術が必要なのではないか、と僕個人は思っています。その技術によって、人生の可能性が広がって、ひいては家族のつながり、「持続可能性」とここでは言っていますが、家族の絆を強めるということにも寄与するのではないかなと。

いま、家族のつながりというのがとてももろくなっているような気がしていまして、―僕のパーソナルなことをご存知の方は、今ちょっとクスって笑ったかもしれませんけれども(笑)―、こうした中で、ホテルの利用を「学び」として体系立ててみたいというのが、僕の問題意識としてあります。

こんなことを強く思ったきっかけに、このスライドの画像がそうなんですが、つい先週、大きな台風災害がありましたね。

(画像出典:NHKニュース)

これは千曲川という信濃川の上流で起きた決壊現場の映像です。僕の両親の故郷がこの辺りで、母の生家の菩提寺は決壊したすぐ近くにあって、多分水没したのではないかと思います。

こういうショッキングな映像を見て、非常に恐ろしいなと皆さんも思われたのではないでしょうか。それで、この映像はどこかで見たことがあるな、と思って次の画像を持ってきました。とあるテレビドラマからの1シーンなんですが、まずその話からしたいと思います。

(画像出典:ウィルユーダンス~ジャニス・イアン – YouTube

それは「岸辺のアルバム」という、1977年のドラマです。僕はまだ小さくてリアルタイムに見た記憶はないのですが、名作と言われているドラマなので、同世代以上の方にはなじみのあるドラマだと思います。

これは実際に多摩川が狛江市で氾濫した時のリアルな映像ですが、それがドラマの中でも使われています。最終回では、バラバラになった家庭が、いよいよ家が流されるっていう段階で集まって、アルバムを持ち出そうとするんですね。

家族にとっていちばん大事なものがアルバムだったっていうところが、このドラマのクライマックスになっていて、それがそのままタイトルになっているわけです。

岸辺のアルバム【TBSオンデマンド】

(画像出典:岸辺のアルバム【TBSオンデマンド】

これを見て僕が思ったことを、ここに格好を付けて「The Invisible Home」と書きました。

どういうことかと言うと、家族のための「家」というものは、もう見えないものにどんどん広がって、情報化しているんじゃないかと。そんな風に考えたからなんです。

それでここからは、そう思うに至った社会学的な背景、みたいな話をいくつかしたいと思います。

まず最初のスライドは「背景1)単身世帯の時代」というものです。

(画像出典:「単身・無職」世帯が最多、しぼむ4人家族 政策前提崩れる:2018/9/23 日本経済新聞 電子版

今日ここにお集まりの皆さまは、ご家族でいろいろなホテルの利用を積極的にされている方々だと思うんですが、ご自身はそうでないにしても、お子さま方の世代や、僕なんかもそのうち単身世帯になってしまうかもしれないんですね。

これは2017年のデータですが、世帯の構成パターン別にグラフが3本あります。一番左は1974年で、真ん中が88年なので、僕で言うと、生まれた頃、それから学生の頃、最後が今、という感じになっています。

よく政府などが「モデル世帯」と言って、家族が4人で旦那さんが働いて子どもが2人、という家庭は、僕が子どもの頃には15%ぐらいあって、世帯パターンとして最も多い、まさにモデル世帯でした。でも今は、5%くらいしかいません。

今一番多いのは「単身で働いていない」という世帯で、次が「単身で働いている」世帯です。まさに世の中は「単身世帯の時代」になっています。

次のスライドは「背景2)非婚の時代」です。これは結婚していない男性の割合を示したもので、一番上の青いグラフは、20代の男の人で結婚していない人がおよそ73%いる、というものです。逆に言うと、男性では4分の1ぐらいしか20代では結婚していません。

(画像出典:未婚化の進行: 子ども・子育て本部 – 内閣府

女性はもうちょっと結婚する人が多いですけれども、だいたいこんなような分布になっています(具体的な数値は上記リンク先を参照)。

40歳までに結婚する男性というのは3分の2、女性で4分の3なので、皆さまに3人お子さまがいらしたら、1人は結婚しない、というのが統計的に言えることになっています。

次のスライド、「背景3)離婚の時代」と書きましたけれど、これはあまり新しいデータではなくて2016年までのデータです。離婚の件数というのは、2000年くらいをピークにだんだん減っています。赤い折れ線グラフは離婚率で、青い棒グラフが婚姻件数、赤い棒グラフが離婚件数です(著作権処理の関係で、グラフは準備中です。暫定的に以下のデータソースを紹介しておきます)。

(参考)令和元年(2019)人口動態統計の年間推計|厚生労働省

離婚率は離婚件数を婚姻件数で単純に割り算したもので、よく3夫婦に1つは離婚するよという乱暴な数字が出ているのは、こういうことを言っているわけです。

こちらはもうちょっと細かいデータですが、離婚件数や婚姻件数が減っている中で、1つだけ伸びている数字というのがあります。何かというと、同居20年以上の夫婦が離婚する比率というのが、今2割ぐらいあります。離婚家庭の5件に1つは50歳以上くらいの熟年離婚である、というのが現状です。

(画像出典:社会実情データ図録▽婚姻率と離婚率の長期推移

こういうデータを見ると、家庭というものが、以前と比べたらどんどん核家族化して、非常に流動的なものになってきた印象があると思います。

ところが実は、若い人たちの意識というのは全然真逆であるというデータが一方にあります。

(続きます)

2 コメント

  1. ホテル利用学の講義内容の開示ありがとうございます。
    10月に参加させて頂いて、共感しました。
    続編楽しみにしています

  2. resortboyさん、皆様、明けましておめでとうございます。
    新年早々、ホテル利用学の講義内容をじっくり読まさせて頂きました。
    ちょっと驚きの棒グラフですね。

    「働いていない人の単身世帯が17%と最多になった」です。
    棒グラフの真ん中の1988年は私は36才で、夫婦共働き、子供2名のファミリーだったので、
    この表の一番右端グループにいました。
    今から考えると最も恵まれたグループだったのでしょう。

    時は流れ流れて30年、2017年(棒グラフ右端:私65才)では、我が家の子供達は巣立って家を出て独立、
    今や老夫婦2名の世帯になりました。棒グラフ左から3番目グループ。
    あと10年もすれば棒グラフ左端グループになる可能性もあります。
    人口動態的には棒グラフ右グループ全体が無職になります。

    私の驚きは、「働いていない1人世帯、2人世帯の合計が全体の31%程度」です。
    日本人世帯の3分の1強の世帯が無職で年金頼り、生活保護?それとも老後資産で悠々自適?

    何だか日本の少子高齢化社会がいよいよ現実の生活の中で見えてきた、そんな感じがします。
    どうみても日本人の貧困化は避けられません。
    新年早々あまり明るい話題でなくて申し訳ありません。
    今年もよろしくお願いします。

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