旅と健康―私のがんはなぜ消えた? – 4

「がん患者よ、旅に出よう!」は、トラベルライターの舟橋栄二さんによる連載です。早期退職でリゾートライフを満喫する日々の裏には、2度の手術を含めた「がん」との闘いがありました。「旅は生きる喜び。その喜びをがんに奪われたくない」
本連載は「旅を通して転移がんを克服した全記録」です。(編集担当:resortboy)

チャンカナブ公園はホテルからタクシーに乗れば10分くらいで着きます。ここはシュノーケル天国の素晴らしい海洋公園です。

カリブ海に沈むキリスト、マリアとの再会

朝、9時半頃には公園に着き、16ドルの入園料を払ってビーチに行きます。

まずはダイブショップのロッカーを2ドルで借りて貴重品や手荷物を預けます。ショップ前のパラパ(これは無料)を占領して、ボトルの水、本、サングラス等を置き、今日1日の我が家にします。

そしてウエットスーツを着込んで、いざ出陣です。

目の前のビーチは岩場になっており、手すりにつかまって慎重に海へ降りていきます。結構、水が冷たく、ウエットスーツは必携です。ドボーンと潜った瞬間、目の前に水族館が現れます。

海水は透明で、30〜40m先まで見えます。空から強烈な太陽が差し込み、深い海底の白砂を照らし、トロピカルな魚が悠然と泳いでいます。これは凄い。

1時間ほど夢中でシュノーケリングをして、一端、ビーチに上がり、少し休憩です。

ダイブショップの人に「キリスト像」「マリア像」の位置を教えてもらい、今度は一直線に泳いでいきます。そして、水深10mほどの底に立つ「キリスト像」の真上まで来ました。

久しぶりのキリストとのご対面です。

もう何度も来ているので感動はありません。水中で合掌して、がん転移を防いでくれたお礼をしました。次にマリア像です。こちらも手を合わせ、これからもがんが再発しませんようにと祈りました。

お昼近くになってお腹が減ってきたのでランチタイムです。ビーチに面したメインレストラン「ラ・ラグーナ」で昼食にします。メニューから「魚のグリル(13ドル)」とスプライト(2.5ドル)を注文しました。

炒めたたまねぎの上にグリルした魚(白身魚)がのっています。ライムを搾って食べてみたら、ベリーグッド!でした。タコスに挟んで食べてもおいしい。急ぐことはないので、海を眺めながら、ひたすらゆっくり食事をしました。

食後は自分のパラパに戻ってお昼寝です。チェアーに寝転がって見上げると、青い空に白い雲、そして、背の高い椰子の木が、そよ風に揺れています。

地上の楽園

ここは私にとって、命をつないでくれた地上の楽園になりました。

2008年2月、はじめてコスメルに来た時のことが想い出されます。憂鬱でした。未来が見えませんでした。

がんが首のリンパ節に転移し、2回目の手術の直前にここに来たのです。そして偶然、海底に沈むキリスト像・マリア像に出会いました。

その後、私はサボーアホテルに10週間泊まる会員権を購入して、毎年のようにコスメルに渡りました。また、RCI海外リゾート交換を利用して、何度もカンクンやリビエラ・マヤの巨大ホテルに泊まり、カリビアンリゾートの凄さと素晴らしさを体験しました。

旅は楽しい、旅は私にとって「生きる喜び!」

このことがカリビアンリゾートの長期滞在ではっきりしました。

(続く)

【次回】第44回・(最終回)旅と健康―私のがんはなぜ消えた? – 5

【前回】第42回・旅と健康―私のがんはなぜ消えた? – 3

本連載が単行本(紙の書籍)として刊行されました

本連載は、本サイトに掲載した舟橋栄二さんの記事から、がん闘病に関する回を再配信したものです。時期に関する記載は2022年現在のものです。

(本連載記事一覧)がん患者よ、旅に出よう!
(スペシャル対談)私のリゾートライフの全体マップ
(筆者ホームページ)舟橋栄二「第二の人生を豊かに」

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